- 80's Movie Hits! - 目次はこちら
■Hard To Say I'm Sorry (素直になれなくて)/Chicago
from「青い恋人たち/Summer Lovers」(1982年・アメリカ)
監督=ランダル・クライザー
主演=ピーター・ギャラガー ダリル・ハンナ ヴァレリー・クィネッセン
80年代の楽曲で、この曲程長いこと愛されているバラードって他にあるのだろうか。そう思えるほど世代を超えて多くの人に愛されている名曲Hard To Say I'm Sorry(素直になれなくて)。自動車や化粧品のCFに使用されるたびに新たなファンをつかんでいる。ブラスロックで一世を風靡したものの、その後低迷していたシカゴ。彼らにとってこの曲は起死回生の大ヒットとなった。プロデューサーにデビッド・フォスター、新メンバーにビル・チャンプリンを迎え、従来の路線からAORっぽい路線に転換したことは、70年代以来のファンには驚きだったことだろう。97年には、R&BグループAz Yetがカヴァーしてトップ10ヒットを記録している。僕がシカゴを知ったのもやはりこの曲だったし、このピアノはさんざん練習したものだ。今でも譜面なしで弾ける曲のひとつだし。
さて、そんな”名曲中の名曲”を使った映画。それは「青い珊瑚礁」(80)のランダル・クライザーが監督・脚本を担当した「青い恋人たち」。エーゲ海のサントリーニ島を訪れたアメリカ人カップルが、ミステリアスなフランス人女性と出会う。オレあの女(ひと)に惚れた・・・私はどうすんのよ(涙)・・・でもあの女(ひと)素敵・・・じゃ三人で抱き合いましょう・・・とまぁなんとも羨ましい三角関係の恋愛映画であった。
僕は「ゴールデン洋画劇場」(いかにも80年代のフジテレビ系でやりそうな映画!)でこの映画を初めて観た。「セックスと嘘とビデオテープ」のピーター・ギャラガーが、三人でベッドを共にして「もうやりすぎて疲れちゃった」という表情をすると、二人の女性は「セックスの神様よ!」と巨大なペニスの偶像を部屋に飾るという場面もある。おまけにお相手はフランス美女のヴァレリー・クィネッセンと、「スプラッシュ」(84)の人魚姫ダリル・ハンナなんだからぁ!!。十代後半だったからなぁ、友達の間では「あの男優、許せん!」というのが素直な感想だった(若気の至り)。
映画ではHard To Say I'm Sorryの他に、マイケル・センベロ(Summer Lovers)、ティナ・ターナー(Johnny And Mary・Crazy In The Night)、スティーブン・ビショップ(If Love Takes You Away)、デペッシュ・モード(Just Can't Get Enough)、エルトン・ジョン(Take Me Down To The Ocean)が使われている。今見るとなかなか豪華な面々なのだが、当時の僕はそんなこと気づきもしなかったんだなぁ。
※Chicago関連の曲が聴ける主な映画
1982年・「青い恋人たち」 =Hard To Say I'm Sorry
1983年・「セカンド・チャンス」 =Prima Donna
1990年・「デイズ・オブ・サンダー」 =Hearts In Trouble
1991年・「マイ・ガール」 =Saturday In The Park
1999年・「スリー・キングス」 =If You Leave Me Now
2000年・「リトル・ニッキー」 =Does Anyone Really Know What Time It Is?