シロアリがそろそろ飛び立つ時期だと警戒していたら、デカい黒アリを次々見つける。みんな翅がある。新しい女王アリが多数の繁殖用のオスを引き連れて、空中で交尾して一生分の精子を体内に蓄積するという。そして新たな開拓地へと飛翔する。
近くの道路では交尾で力尽きたであろうオスの羽アリを小さいアリが運搬していた。オスのはかない運命の瞬間を垣間見てしまった。ちなみに、それを運ぶアリは年寄りなのだ。若いアリは巣穴でくつろいでいるか餌の管理をしているという。なるほど人間社会と同じだね。
家の中には髭のある「ヒゲコメツキ」(コメツキムシ科)がやってきた。捕まえて容器のなかに入れておいたら、仰向けになったときは見事な月面宙返りを行う。ふだんは髭のないコメツキムシが風呂場にやってくる。幼虫は野菜の根を食べてしまう「ハリガネムシ」と呼んでいるが百姓にとっては害虫なのだ。
畑ではネギ坊主に「アサマイチモンジ」(タテハチョウ科)が飛んできた。いつもだと、「イチモンジチョウ」だね、で納得していた。イチモンジチョウは表面の翅の上から4番目の白紋が無いかごく小さい。「浅間イチモンジ」は、浅間山から名前をとったことから、本州特産種で個体数が少ないという。貴重な蝶であるのがわかった。