数年前、庭に自生していた「オカトラノオ」をうっかり草刈り機で刈ってしまったらしく、以来芽が出て来ない。仕方なく昨年、近くの路傍にあったオカトラノオを植木鉢に移植する。というのも、和宮様がことのほかオカトラノオを愛好していたからだ。
それを今年になって、バタフライガーデンに地植えしておいたら花を咲いてくれたのだった。里山にはぴったりの植物だ。そういう身近な場所である日当たりのよい「オカ」に自生し、花の形がトラの尾に似ているからというのが、名前の由来になっている。
オカトラノオは根っこを大地に多数の地下茎を出すので群生することが多い。その通りだったか、複数の花を出してくれた。花は直立ではなくやや横に曲がる謙虚さがいい。その曲がり方が微妙に違うのも見どころだ。ただし、基本的に太陽のほうに向かっているという法則性は変えていない。
花言葉は、「忠実」とか「騎士道」とかと言われている。それは古代ギリシャのマケドニア王が、たけり狂った牛にこのトラノオをあげたらおとなしくなった、という伝承から「騎士道」の言葉になったという。英名は「ガチョウの首」。和名は「虎の尾」。首か尻尾か、と言われたら尻尾のほうが親しみやすくかわいい。
来年は大きな群生を期待したいところだが、雑草軍団が占拠しつつある現実なので手を打たなければと焦っている日々だ。