田舎生活実践屋

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2011年3月、世界を駆け巡ったメール(2013/2/10)

2013-02-10 23:17:17 | 3.11東北大震災の頃
2011年3月、世界を駆け巡ったメール

 小倉駅から我が家に戻る車中で読もうと、買った3/10日の毎日新聞の記事、思わず何度も読み返しました。3/11日の東日本大震災にかかわる記事。著者は、元世界銀行の副総裁の西水美恵子氏とのこと。書き写すのは、著作権上問題と思いますが、読むのは、少数の釣りバカの皆さんがほとんどですので、ご勘弁。以下のような記事。
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在留中の英領バージン諸島では、午前2時前だった。けたたましい電話の呼び出し音に何事かと跳び起きた。世界銀行ワシントン本部から東京に出張中の、元部下からの国際電話だった。・・・・緊急時に肝が据わる彼女が涙声なのに気づいて、驚いたのを覚えている。途切れ途切れの通話も、震災や通話規制のせいではなかった。
「今、帝国ホテルに向かっている・・・・美恵子の同胞は素晴らしい・・・強い余震が来る中で・・・誰もかれもが落ち着き払って・・・まわりの人を思いやって・・・助け合っている・・・こんな民族が住む国がこの世にあったなんて・・・信じられない・・・美恵子の国はすごい・・」・・・・・
深夜の電話からしばらく。ワシントンに戻った彼女から
「これが世銀やIMF(国際通貨基金)はもとより世界中を駆け回っている」と一通のメールが転送されてきた。
「10things to learn from Japan (日本から学ぶ10のこと)」と題したそのメールに、こうあった。

① The Calm(平静)
悲痛に胸を打つ姿や、悲嘆に取り乱す姿など、見当たらない。悲しみそのものが気高い。
② The Dignity(威厳)
水や食料を得るためにあるのは、秩序正しい行列のみ。乱暴な言葉や、無作法な動作さなど、ひとつとてない。
③ The Ability(能力)
例えば、驚くべき建築家たち。ビルは揺れたが、崩れなかった。
④ The Grace(品格)
人々は、皆が何かを買えるようにと、自分に必要な物だけを買った。
⑤ The Order(秩序)
店舗では、略奪が起こらない。路上では、追い越しも警笛を鳴らす車もない。思慮分別のみがある。
⑥ Sacrifice(犠牲)
50人の作業員が、原子炉に海水をかけるためにとどまった。彼らに報いることなどできようか。
⑦ The Tenderness(優しさ)
レストランは値を下げる。無警備のATM(現金自動受け払い機)は、そのまま。強者は弱者を介助する。
⑧ The Training(訓練)
老人も子供も、全ての人が何をすべきか知っていた。そして、すべきことをした。
⑨ The Media(報道)
崇高な節度を保つ速報。愚かな記者やキャスターなどいない。平静なルポのみがある。
⑩ The Conscience(良心)
停電になった時、レジに並んでいた人々は、品物を棚に戻して静かに店を出た。

真のインスピレーションを感じる。日いずる国で起こっていることに。(著者・西水和訳) 」

余すところ一月で、大震災からもう3年目が訪れようとしている。・・
・・忘れてはならない。かけがえのない大きな犠牲をはらった人々が、厳しい状況に耐えながらも、今なお希望を失わずにおられることを。
 そして、私たちが当たり前だと思っていることを、いかに世にまれなことかと驚異の念をもってたたえ、だから日本は大丈夫と支えてくれる人々が、世界に大勢いることを。


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100年の後にも、孫や子供に読み継いで欲しい、静かな勇気を与えてくれる記録と思いました。
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