田舎生活実践屋

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兼好法師の徒然草を読む(2023/2/25)

2023-02-25 14:44:38 | 田舎で読んだ本
午後から雨の天気予報、畑仕事でもと思っていたが、晴耕雨読、我が家でおとなしく。
古典の徒然草、兼好法師が700年ほど前に書いた随筆。
蒙古襲来の1年後に生まれ、鎌倉幕府が倒れて、足利尊氏の室町幕府が誕生した激動の時代に生きた人。
 中学、高校の古文の教科書に必ず取り上げられ、有名な段はいくつか今も覚えている。
木登りの名人が弟子が高いところで作業しているときは何もアドバイスせず、飛び降りれそうな低いところで、「過ちすな、心しておりよ。」「過ちは必ず安きところになりてつかまつることに候う」の一節は、屋根に登って瓦のズレを直したりするとき、自然に脳裏に浮かんで、おかげで大けがをせずに済んでいたのかも。
 NHKの大河ドラマで高杉晋作が主人公の時、藩内の狂信的な国粋主義の侍に命を狙われて、四国に逃亡するとき、この徒然草を持って、吉田松陰に読むように勧められたと、語る場面もあり、こういう英雄も読んでいたのかと、感心したことも。
 この数年、ボケ防止も兼ねて、不登校などで、小学校、中学、高校の勉強が出来ていなくて、20前後になって、勉強しなおしたいという若人の勉強のお手伝いをしている。
 教科書がメインだが、この徒然草をテキストにして、読み合わせや、筆写もしてもらっている。
 55年ぶりの徒然草で、こちらも勉強になる。
 若い人も、面白いと真面目に筆写している。
 最近読んだ段で印象に残ったのが、最終段243段、8歳の子供の兼好が、父親に仏はどうしてこの世に現れたのか質問するところ。父親の説明に納得せず、問い詰めて、父親が兜を脱いだ話。人から聞いたり、本で読んだことを鵜呑みにせず、自分で納得するまで考える姿勢に感心。兼好法師は、こうした姿勢で世の中を生きてきて、徒然草の随筆が生まれたのだと納得。下のような一節。


徒然草 第243段

 八つになりし年、父に問いて云わく、「仏は如何なるものにか候ふらん」と云ふ。父が云わく、「仏には、人の成りたるなり」と。また問ふ、「人は何として仏には成り候ふらんや」と。父また、「仏の教えによりて成るなり」と答ふ。また問ふ、「教え候ひける仏をば、何が教え候ひける」と。また答ふ、「それもまた、先の仏の教えによりて成り給ふなり」と。また問ふ、「その教へ始め候ひける、第一の仏は、如何なる仏にか候ひける」と云ふ時、父、「空よりか降りけん。土よりや湧きけん」と言ひて笑う。「問ひ詰められて、え答へずなり侍りつ」と、諸人に語りて興じき。


 ロシアのウクライナ侵略に、プーチンを80%のロシア国民は正しいと支持。プーチンやマスコミの話を鵜呑みにしているロシア国民のインタビューに、この人たちは一般教養が無さすぎると呆れてしまう。しかし、90年前の日本人も、満州国を作ったり、226事件で政治家の暗殺が続いても、軍部や政府の言い分を鵜呑みにして、最後は無条件降伏の痛い目に。その反省に戦後、判断力を日本人は養うため、大学でも一般教養を必修にし、矢内原忠雄らが尽力した歴史。
 読む個人の人生行路の安全のためにも、国の暴走を防ぐためにも、徒然草はこれからも読み継がれていくことと思った次第。


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