撰文者の芳川波山は、文政九年(1826)に今の埼玉県妻沼・忍藩松平忠尭藩主に教授として招かれ、藩校の進修館で多くの藩士を育てた人である。名前は、芳川 俊逸。そしてこの銘文を揮毫したのは、足利市出身・巻菱湖四天王の一人である大竹蒋塘(大竹 培)である。この石碑には建立年が記されていないが、当然ながら建立されたのは江戸末期である。建立されてから歳月が過ぎているので碑面に痛みがあって、いつになく真剣になって手拓したがご覧の通りである。それでも、銘文は充分に読めるし、揮毫された文字も充分にその揮毫者である大竹培の筆跡を味わうことが出来るのは、石碑調査者冥利に尽きると言うものである。
なお、この石碑4面にはそれぞれの大物撰文者と大家の揮毫者による銘文があるので、毎日ワクワクしながら拓本を眺めては、それだけで満足している私である。今回は、その内の最初である左面を紹介しました。次回は、碑陰にある銘文手拓を一人で眺めているだけでは申し訳ないので、その画像を掲載しようと思っている。
goo blog お知らせ
最新記事
- 今年も年が明けて早くも4日が過ぎようとしています。今回は栃木県さくら市喜連川町の石碑調査案内です
- 「栃木県さくら市喜連川の墓碑の全景から銘文、拓本、読み迄の完全セットでご紹介します。
- 今回は、栃木県佐野市の旧田沼町に限定した、また個人頌徳碑の石碑調査報告書です
- 今回は、栃木県田沼町・密蔵院の宝篋印塔の銘文調査報告です。
- 今回は「栃木県佐野市の石碑」調査報告書のご紹介です
- 瞬く間に60日が経過してしまい、慌てて今、新規原稿を投稿中です。それにしても、暑いです。
- 現時点で、私の最も気に入った栃木県での石碑の篆額文字
- 今回は、2022年暮れに通った道沿いの百番巡礼塔の脇を通ったので、今度こそはと拓本採りましたが、少しも面白くないです。
- 二カ月以上も、無言で過ごしてしまいました。一基だけですが掲載しました。
- 2023年最後の石碑紹介は、佐野市田沼町・一瓶塚神社境内の加藤欽古先生碑です
カテゴリー
- Weblog(844)
最新コメント
- 瀧澤龍雄/今回は「栃木県佐野市の石碑」調査報告書のご紹介です
- 新町/今回は「栃木県佐野市の石碑」調査報告書のご紹介です
- 大東良弘/「栃木の石仏百選」から「融通念仏塔」を掲載しました
- Unknown/「栃木の石仏百選」から「融通念仏塔」を掲載しました
- 大東良弘/「栃木の石仏百選」から「融通念仏塔」を掲載しました
- 滝沢/「栃木の石仏百選」から「融通念仏塔」を掲載しました
- 大東良弘/「栃木の石仏百選」から「融通念仏塔」を掲載しました
- 瀧澤龍雄/江戸末期の当地における儒学者、河島易親(島君龍)が揮毫した大橋朝盈の壽碑紹介
- 高久裕司/江戸末期の当地における儒学者、河島易親(島君龍)が揮毫した大橋朝盈の壽碑紹介
- 瀧澤龍雄/遅ればせながら、いよいよ2020年の幕開けですね。そこで今回は取って置きの亀田鵬斎きごう揮毫の石碑をご紹介します