一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

韓国岳~大浪池 ……花酔いするほどのミヤマキリシマ・ロードを行く……

2010年06月06日 | 山岳会時代の山行
からつ労山の月例山行は、普通、月に1度、第3日曜日に行われているが、6月と7月だけは第1日曜日と第3日曜日の2回行われる。
6月の第1日曜日の予定は、本来「霧島縦走」であった。
だが、新燃岳の噴火により、警戒レベル2(火口周辺への立入規制等)が続いており、縦走は不可能になった。
よって、本日は、高千穂峰コースと韓国岳コースに分かれ、登山した。
私は、3年前に高千穂峰は登っているが、韓国岳はまだ登ったことがなかった。
15年前、徒歩日本縦断をした時、麓の無人駅のベンチで野宿した私は、翌朝、えびの高原に一気に登った。
車道を歩いて、だ。
そして、えびの高原で少しのあいだ散策した後、また一気に国分市の方に下った。
当時は登山にはそれほど関心がなかったが、えびの高原で散策した時に見た「韓国岳登山口」の標識だけはよく憶えている。
東北地方を歩いていた時に、ふと思いついて「鳥海山」に登った。
その時の感覚が蘇り、「韓国岳」にも、ふと登ってみようかなと思ったのだ。
麓から歩いて登ってきたので、ついでに登ってみるか……と。
だが、その日は、陽が落ちるまでに国分市に下りる計画でいた。
疲れてもいたし、登る気持ちより、下りたいという気持ちが勝った。
なんだか登山者にも反発もあった。
えびの高原に向けて車道を登っている時、多くの車に追い抜かれた。
その多くは、えびの高原への観光客、或いは霧島山系への登山者たちだったろう。
疲れていた私は、私を追い抜いてスイスイと走って上っていく乗用車やバスを見ながら、
「お前らも、麓から歩いてみろよ!」
と心の中で毒づいていた。
あれから15年の月日が流れ、今日、私は再び「韓国岳登山口」に立った。
今度は、純粋に、登山者として……
なんだか、あの徒歩日本縦断の続きができるようで、ワクワクした。

登山口には、「新燃岳 登山禁止」の立て看板があった。


登り始めると、もうミヤマキリシマが……


おお、スゴイ!


皆からも歓声が上がる。


ドヒャーという感じ。
来て良かった~


白く見えるのは「硫黄山」。
あの近くに自生するオオヤマレンゲの群生地は、今年から立入禁止になってしまった。
残念!


まだハルリンドウが咲いていた。


ミヤマキリシマも美しいけれど、この、幾種類もの緑の糸で織られた絨毯のような風景にも感動。


右手に大浪池が見えてきた。


緑の美しさに感動しながら、こんな無機的な風景にも心惹かれる。


韓国岳山頂に到着。
15年前の「時」と、今日という日の「時」が、繋がった瞬間。


標識の向こう側は、こんな風景。


振り返ると、正面に「大浪池」が見える。
眺めは抜群。


そして、大浪池から左に目を転ずると、新燃岳と高千穂峰が見えた。


新燃岳をよく見ると、白い噴煙らしきものが見える。
こんな風景を見ながら昼食。
美しい風景を見ながらのランチは最高だった。


昼食後、大浪池の方へ下りる。


緑の中に入って行くという感じ。


分岐では、東回りを選択。


周回路には、所々に木々の切れ目や岩場があり、格好の展望所になっている。


大浪池から見る韓国岳も素敵だ。


大浪池の周回路は、まさにミヤマキリシマ・ロード。


ルンルン気分で歩いて行ける。


ずっと歩いていたい感じ。


ドウダンツツジもお目見え。


ここから左に下って行く。


そして、あっという間に、「大浪池登山口」に到着。


その後、国民宿舎の温泉へ。
私は、温泉を皆より少し早めに出て、ひとり「つつじヶ丘」に向かった。
夕暮れが迫っていたが、ミヤマキリシマの群落を堪能。
今日は、最初から最後まで、ミヤマキリシマ三昧の日であった。

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