先日、
《史上最年少棋士14歳・藤井四段が羽生3冠に勝利》
というタイトルの記事が、新聞の紙面を賑わせていた。
将棋の史上最年少棋士・藤井聡太四段(14)が、
23日にインターネットテレビ局「AbemaTV」で放送された非公式戦で、
羽生善治3冠(46)=王位、王座、棋聖=に勝利した。
昨年10月のデビュー後、破竹の勢いで勝ち続ける天才少年は、
ついに将棋界の象徴にも土を付けた。
対局は「AbemaTV」が企画した非公式戦「藤井聡太四段 炎の七番勝負」の最終第7局。
日本将棋連盟が主催する7大タイトル戦などの公式戦とは異なるエキシビジョンマッチだが、
どんな対局でも全力を尽くすのが将棋界の伝統。
藤井は真剣勝負で羽生を負かしてみせた。
藤井は2002年、愛知県瀬戸市生まれ。
5歳で将棋を始め、10歳で棋士養成機関「奨励会」に入会した。
16年10月に14歳2か月で四段(棋士)昇段を果たし、
現役最高齢棋士の加藤一二三九段(77)が保持していた14歳7か月の最年少記録を62年ぶりに更新。
加藤、谷川浩司九段(54)、羽生、渡辺明竜王(32)=棋王=に続く5人目の「中学生棋士」となった。
昨年10月のデビュー以降、10連勝が過去最長だった「デビュー後連勝記録」を更新し、
現在13連勝まで伸ばしている。
並行して戦ってきた「炎の七番勝負」では第2局で永瀬拓矢六段(24)に敗れたものの、
増田康宏四段(19)、斎藤慎太郎七段(24)、中村太地六段(28)、深浦康市九段(45)、佐藤康光九段(47)=連盟会長=ら各世代を代表する棋士に勝利。
通算6勝1敗で締めくくった。(スポーツ報知4月23日配信)
いやはや、驚きである。
まさに、リアル『3月のライオン』。
現実の方が、想像の世界を超えてしまった。
いや、
『3月のライオン』の方が現実で、
藤井聡太四段(14)の方が非現実であり、
想像(創造)の世界の出来事と言うべきか……
そんなこんなで、何かと話題の映画『3月のライオン』。
前編の方は、3月18日に公開され、
3月29日にレビューを書いた。(前編のレビューはコチラから)
後編は4月22日に公開され、
雨の日の昨日(4月26日)、ようやく見に行くことができたのだった。
中学生でプロ棋士としてデビューした桐山零(神木隆之介)は、
東京の下町にひとりで暮らしている。
幼い頃に交通事故で家族を失い、父の友人である棋士の幸田に引き取られたが、
自分のせいで幸田家に亀裂が入り、家を出るしかなかったからだ。
深い孤独を抱えてすがりつくように将棋を指し続けていたある日、
零は川向こうに住む川本家の3姉妹と出会い、
彼女たちとのにぎやかな食卓に居場所を見出していく。
川本あかり(倉科カナ)、
ひなた(清原果耶)、
モモ(新津ちせ)の、
川本家3姉妹と食卓を囲むようになって1年。
彼女らとの交流に安らぎを感じ、温かな支えを胸に、
獅子王戦に臨もうとするが、
幸田柾近(豊川悦司)は頭をけがして入院、
その娘・香子(有村架純)は妻のいる後藤正宗(伊藤英明)との関係に悩み、
二海堂晴信(染谷将太)は自身の病気に苦しむなど、それぞれ試練に直面していた。
さらに、川本家には3姉妹を捨てた父親が現れたことで不穏な空気が漂い始める……
後編の冒頭、
天才棋士・宗谷冬司(加瀬亮)と桐山零(神木隆之介)との非公式戦があり、
設定がそっくりな、羽生善治3冠と藤井聡太四段の非公式戦を思い出したのだが、
現実は、藤井聡太四段が羽生善治3冠に勝って話題となるが、
映画の方は、桐山零が宗谷冬司に敗れる。
そう簡単には勝てないのである。(こっちの方がよりリアル)
そのことによって、より奮起し、
獅子王戦に臨もうとするのであるが、
その闘いの中で、様々なことに気づき、
人間として成長していく桐山零の姿を追ったのが、
『3月のライオン 後編』と言える。
後編の方も前編と同じく面白いし、
見どころもたっぷりある。
少年の成長物語として、
ある程度成功していると思う。
見る価値は十分にある作品と言えるだろう。
ただ、前編138分、後編139分、計277分(4時間37分)は、
ひとつの作品としては、やはり長すぎる。
感じとしては、映画というより、TVドラマの方に近い。
原作の漫画がまだ完結していないので、
映画の方も未完結で、途中で終わっている。
何らかの結論が出るのは川本家だけで、
その他は未解決のままで放置されている。
完結していない漫画が原作なので、
仕方がないと言えば仕方がないのであるが、
原作を漫画に頼っている限り、この手の問題は解決しない。
漫画大国の悩ましい現実である。
大友啓史監督もTV局(NHK)出身の演出家なので、
情緒的に流れるシーンが多く、演出法がTV的で、
映画的な締まりのある展開が希薄である。
監督にとっては無駄なシーンではないのであろうが、
映画を見る側にとっては、もっと締まった作品、2時間くらいできっちり完結する、
より映画的な作品を……と思う。
とまあ、不満も書いてみたが、
私は、映画の良い部分をなるべく見るようにしている男である。(笑)
映画のあら探しばかりをして“辛口批評”をウリにしている人もいるが、
私はあまり批判はしたくないし、
“批判したくなるような映画”のレビューは書きたくない。
なるべく、映画の良かったところ、感動したところを書き残したいと思っている。
『3月のライオン 後編』を見て、
前編ではそれほど良さに気づかなかったが、
後編を見て、その魅力に気づかされた女優がいる。
川本ひなたを演じた清原果耶である。
どこかで見た女優……と思っていたが、
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016年12月17日公開)という映画で、
ヒロイン・小松菜奈が演じる福寿愛美の中学生時代を演じていたのを思い出した。
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』を見たとき、
小松菜奈と雰囲気が似た子をよくキャスティングしたなと思っていたのだが、
清原果耶のブログを見ていたら、昨日(4月26日)の記事に、
小松菜奈によく似た写真が掲載されていた。
この度、
映画「ちはやふる −結び−」に
出演させていただくことになりました。
映画オリジナルキャラクターで、新と同じ藤岡東高校に通う、現役準クイーン・我妻伊織役を演じさせていただきます。
もともと原作が大好きだったので
「ちはやふる-結び-」に出演できることがすごく嬉しいです。
映画のオリジナルキャラクターとして出演させていただくので
前作とは違った新しい色をこの作品につけられるように頑張ります。
2018年に公開です!
是非劇場でご覧ください。
と書かれてあったので、
来年公開予定の『ちはやふる −結び−』が俄然楽しみになってきた。
今年(2017年)は、『ユリゴコロ』(9月23日公開予定)も控えており、
主役・美紗子(吉高由里子)の若き日を演じるとのことなので、こちらも楽しみ。
CM(三井のリフォームストーリー~屋上篇~/~階段篇~)では、歌声も披露しているね。
若手女優では、今、
広瀬すず、石井杏奈、小松菜奈に注目しているが、
その中に清原果耶も加わった感じだ。
私(の個人的見解)としては、『3月のライオン』は、
清原果耶が出演していた作品、
清原果耶と出逢った作品として記憶されるであろう。
【後編予告】