一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

「松本蘭ウィンタークラシックコンサート in リバティ」(嬉野市社会文化会館)

2019年12月16日 | 特別企画「逢いたい人に逢いに行く」
※PCでご覧の方で、文字が小さく感じられる方は、左サイドバーの「文字サイズ変更」の「大」をクリックしてお読み下さい。


「逢いたい人に逢いに行く」という特別企画の第18弾。

12月14日(土)
唐泉山へ登った後、(登山レポはコチラから)
向かったのは、嬉野市社会文化会館「リバティ」文化ホール。


ここで、14:00から、
「松本蘭ウィンタークラシックコンサート」が行われるのだ。



松本蘭というヴァイオリニストを知ったのは、
高嶋ちさ子が2006年に立ち上げたプロジェクト「高嶋ちさ子12人のヴァイオリニスト」においてだった。
このメンバーの中に、とびっきり美しいヴァイオリニストがいた。
それが松本蘭だった。
驚いたことに、ヴァイオリニストでありながら、
2009年度ミス日本グランプリ決定コンテストにて、
ミス日本「ミス着物」を受賞する。




同年、アルバム「蘭ing」(ワーナーミュージック・ジャパン)でソロCDデビュー。
その後の活躍は、皆さんもご存じの通り。



【松本蘭】
桐朋学園大学音楽学部卒業後、同大学研究科修了。
ヴァイオリンを徳永二男氏に師事。
これまでにソリストとして、
東京交響楽団、京都市交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団などと共演。
2006年より「高嶋ちさ子12人のヴァイオリニスト」のメンバーとして、
3年間の活動を経たのちソロ活動を開始。
2009年ワーナーミュージック・ジャパンよりCDデビュー。
発売前に先行配信されたiTunes限定はクラシックチャートにて1位を獲得。
2013年、セカンドアルバムとなる「GROW」、
初めてのセルフプロデュース作品となるアルバム「Romance」を2016年リリースし、
好評を博す。
第41回2009年ミス日本「ミス着物」を受賞。
台湾総統府を表敬訪問し総統の前で演奏するほか、
2014年7月国際交流基金より助成を受け日本スペイン交流400周年における記念事業でスペイン各地でリサイタルを行い、
また2017年には日露文化交流公演でサンクトペテルブルク、マリインスキー劇場にて公演するなど国際文化交流にも積極的に参加している。
これまで、
津軽三味線・吉田兄弟、
俳優で歌手の寺尾聰、
歌舞伎役者の七代目市川染五郎など、
クラシックの枠を超えたコラボレーションを数多く実施。
2014年より、フジテレビアナウンサー軽部真一と共に「めざましクラシックス」松本蘭バージョンをスタートさせ、現在全国で公演を行い好評を博している。
その他、
テレビ番組やコマーシャルのテーマ音楽を担当するなどの作曲活動や、
テレビドラマや映画に女優として出演するなど、多彩な活動が注目されている。
現在、
ヤマハ企業CMや東海東京フィナンシャル・グループ「オルクドール」、ニッピコラーゲン化粧品のイメージキャラクターとしてCM出演中。



伴奏者(ピアニスト)は、
これまで数々の賞を受賞し、
今年(2019年)の1月、CDデビューした期待の星・酒井有彩。


【酒井有彩】
文化庁新進芸術家在外研修員、明治安田クオリティオブライフ文化財団奨学生として、
ベルリン芸術大学を最優秀で卒業。
ヤマハ音楽振興会留学奨学生として、同大学国家演奏家コースを卒業、
国家演奏家資格を取得。
浜松国際ピアノアカデミーにてプロミシング・アーティスト賞、
マルサラ市国際第2位、
ジュネーブ国際セミファイナリスト、
ブゾーニ国際ファイナルスカラシップ、レオポルド・ベラン国際第1位など、
国内外のコンクールに多数入賞。
ショパン音楽祭、マコン音楽祭、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭、NHK FM「リサイタル・ノヴァ」等に出演。ポーランド国立放送響、リベイランプレート響、大阪響、関西フィル、日本センチュリー響、兵庫PAC管、モディリアーニ弦楽四重奏団などと共演。
CHANEL Pygmalion Days アーティスト。
(財)地域創造公共ホール音楽活性化事業登録アーティスト。
ヤマハミュージックメディア音楽配信【mysound】ハイレゾ特集にて取り上げられる。
2019年 デビューCD「ラヴェル ピアノ協奏曲 ト長調」で、
飯森範親指揮・日本センチュリー交響楽団と共演、
レコード芸術誌の特選盤に選出される。

嬉野市社会文化会館「リバティ」文化ホールに着いたときには、


もう列ができていた。


コンサート終了後には、
CD購入者を対象にしたサイン会が開かれるようで、机と椅子が準備されていた。


開場時間(13:30)になったので、入場。
コンサート会場は、ほどよい広さ。
(会場での撮影が禁止だったので、ここからの写真は、松本蘭さんのInstagramと、酒井有彩さんのTwitterより)


全席自由だったので、最前列の席を確保する。

開演時間(14:00)になり、コンサートがスタートする。
二人がステージに登場しただけで、
パッと花が咲いたように明るくなった。
松本蘭さんは、(上から下へ)黒から緑へと色が変化していくドレス。
酒井有彩さんは、緋色のドレス。
ステージ映えする身長170cmの松本蘭さんは、まるでモデルのようだ。
※写真の、最前列の(ステージに向かって)左から2人目の観客は私です。(コラコラ)


1曲目は、
■「愛の挨拶」(エルガー)
演奏後に、
マイクを握った松本蘭さんより自己紹介(酒井有彩さんの分も)があり、
嬉野市には、3日前から居るとのこと。
市内の保育園、小中学校、特別支援学校とあわせて4ヶ所でアウトリーチを実施し、








嬉野温泉の宿では、温泉と湯豆腐を堪能したそうだ。


長崎空港から迎えの車で嬉野へ向かったのだが、
段々と人家がなくなり、
〈私たちどこへ連れて行かれるの?〉
と不安になったエピソードを紹介し、会場の笑いを誘う。
松本蘭さんは話術も巧みだ。

2曲目、
■ミュージカル「ウエストサイドストーリー」より~トゥナイト(バーンスタイン)
3曲目、
■オペラ「トゥーランドット」より~「誰も寝てはならぬ」(プッチーニ)
は、続けての演奏。
馴染みの曲だったし、
華やかな二人の演奏で、会場は大いに盛り上がった。

4曲目は、
〔ピアノコーナー〕ということで、酒井有彩さんのソロ演奏で、
■ワルツ 第2番 変イ長調 op.34-1「華麗なる円舞曲」(ショパン)
素晴らしい演奏だったので、
コンサート終了後に、彼女のCDも買うことを決める。

前半最後は、
〔ヴァイオリンコーナー〕ということで、
松本蘭さんによるヴァイオリンの奏法の解説。
スピッカート、
ピッチカート(右手と左手の両方)、
フラジオレットなど、
実演を交えての解説は、勉強になったし、面白かった。
そして、様々な奏法が取り入れられた、
■「ツィゴネルワイゼン」(サラサーテ)
の演奏で、前半を締めくくられた。

15分の休憩の後、
再登場した二人は、
松本蘭さんは、真っ赤なドレス。
酒井有彩さんは、黒のドレス。
松本蘭さんから
「お気づきかもしれませんが、今回の2着のドレスはクリスマスを意識しています」
とのこと。

後半は、
■「ヴァイオリン・ソナタ」(フランク)
の演奏。
演奏前に、松本蘭さんから、
第一楽章は、幼児期、
第二楽章は、青年期、
第三楽章は、過渡期、
第四楽章は、締めくくりの時期
というように、
私にとっては“人生”を感じさせる曲との解説があり、
「人生を旅するように聴いていただければ……」
と語り、ヴァイオリンを弾きだした。
約30分に渡る演奏を聴いていると、
音色が心に沁みてきて、
〈俺は今、第三楽章にいるのだろうか……〉
とか、
〈いや、もはや第四楽章だろう……〉
などと、考えてしまった。
素晴らしい曲であったし、素晴らしい体験であった。

アンコールでは、もうすぐクリスマスということで、
■「ホワイト・クリスマス」(バーリン)
を演奏。
さらに、もう1曲、
■「リベルタンゴ」(ピアソラ)
を演奏して、
コンサートは終わった。

コンサート主催者からの花束贈呈があり、
「今日、これから東京に帰りますが、東京まで持って帰ります」
と仰っていた。


コンサート終了後に、
CDの発売とサイン会があったが、
酒井有彩さんのデビューCD「ラヴェル ピアノ協奏曲 ト長調」と、


松本蘭さんの、
初めてのセルフプロデュース作品「Romance」(2016年リリース)を購入し、


それぞれサインしてもらった。








都会では、毎日、誰かしらのコンサートが開かれており、
選択に困るほどであろうが、
佐賀県の小さな町では、
このようなコンサートは実に貴重な催しであるし、体験である。
今回、嬉野市を訪れて、3日間も、素晴らしい音楽を届ける活動して下さった、
松本蘭さん、酒井有彩さんには、本当に感謝したい。
今日も一日の王になれました~

この記事についてブログを書く
« 唐泉山……佐賀県の天然記念物... | トップ | 映画『カツベン!』…成田凌、... »