天山の秋

昼間は暑いものの、朝方はヒンヤリ寒さを感じる今日この頃。
秋の植物を探しに天山へ行った。
天山山頂はススキに覆われていて、もうすっかり秋の風情であった。



天山のマツムシソウは、もう最盛期を過ぎていた。
マツムシソウを見たい人は、早めに天山へ行った方がイイ。

マツムシソウを写真に撮るのは難しい。
写真に撮ると、薄紫色が白っぽくなるからだ。
特に、太陽の光が強い日には花の色がうまく出ない。
そういう時、私は、グッと近づいて撮る。
すると、花は恥ずかしがって、自然な色を出してくれる（と思うのだが……）。



私の今日の一番の目的は、タンナトリカブトだった。
時期的には、少し早い。
まだ咲いていない確率が高い。
タンナトリカブトを探して山頂一帯をウロウロしていたら、ツルリンドウを見つけた。
リンドウの花の形は、なんとなく、どことなく好もしい。
リンドウの花を見ると、私の好きな或る小説を思い出す。
心がホンワカとなる。



タンナトリカブトは、写真で見る印象よりも小さな花で、見つけるのはなかなか難しい。
一時間あまり探し回って、やっと一株のタンナトリカブトを見つけた。
今日はちょっと無理かなと諦めかけたときだった。
キョロキョロしていた私の視界を、紫色の小さな塊がよぎった。
急いで近寄ってみると、はたしてタンナトリカブトであった。
私の頬がゆるむのが、自分でも分かった。

今日は、いろんな花に出逢えた素晴らしい一日であった。