一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

八幡岳 ……登っている時も、食べている時も、ずっと笑っていた……

2011年02月13日 | 八幡岳・女山(船山)・眉山
2月13日(日)は、ネット仲間の長崎組・福岡組の皆さんと、八幡岳登山の日。
日頃お世話になっている皆さんに、佐賀組の平六さんと私で、おもてなしをしようということで、平六さんが豚汁を、私がぜんざいを作って食べてもらおうと計画していた。
ところが、前日は雪。
高速道路が通行止めになる可能性が出てきた。
肉まんさんから、
「もしかしたら行けなくなるかもしれません」
とのメールが入る。
佐賀でも雪は降っていたが、平地では積もる気配はなかった。
そよかぜさんから、
「長崎の方は大丈夫です」
とのメールが届く。
夕方になっても雪は降り続き、佐賀でも積もりそうな感じになってきた。
〈これは中止もありかな?〉
と思いつつ、平六さんに電話する。

タク「もしもし、タクです」
平六「あっ、タクさん、どうしました?」
タク「いや、凄い雪なんですよ」
平六「そうですね~ワクワクしてきました。雪山登山ができますよ」
タク「いえいえ、そういうことじゃなく、登山が中止になる可能性が出てきたんですよ」
平六「え~、もう豚汁作りましたよ」
タク「えっ、もう作ったんですか?」
平六「はい、だから登山はしましょう!」
タク「いや、したくてもできないかもしれないんですよ。高速道路が通行止めになれば、福岡組や長崎組の皆さんは佐賀に来たくても来ることができないんです」
平六「そうですか~、その時は、私とタクさんとで登山しましょう」
タク「えっ、二人でですか?」
平六「はい、豚汁を食べないといけませんから…… 11人分、二人で食べましょう!」
タク「いやいや、そうは言っても、八幡岳の中腹より上は積雪するでしょうから、豚汁とぜんざいを池高原まで車で運び上げるという当初の計画自体が危うくなっているんですよ。ザックに入れて運ばなければならなくなるので、ちょっと難しいんじゃないですかね~」
平六「いえ、大丈夫ですよ。豚汁は私が運び上げますから」
タク「そうですか~、重いですよ~」
平六「へっちゃらです、登山しましょう!」

ということで、長崎組・福岡組の皆さんが来ることができなくなっても、登山自体は「決行」が決まった。
〈どうか、皆さんが来てくれますように……〉
とお祈りするしかなかった。
夕食が済み、そろそろ寝ようかと思っていたら、平六さんから電話があった。
なんだか嬉しそうな声である。

平六「タクさん、パッキングが終わりました」
タク「えっ、何の?」
平六「豚汁の……」
タク「えっ、どういうこと?」
平六「だから、豚汁をかついで運び上げる準備が整ったのですよ」
タク「鍋ごと?」
平六「そう、鍋ごと」
タク「だって、汁がこぼれるでしょう?」
平六「鍋と蓋をガムテープでしっかり貼り付けましたから、大丈夫です」
タク「まだ、かついで運び上げると決まったワケではないので、少し早すぎませんか?」
平六「いえ、もうパッキングしましたから、車は使わず、我々で運び上げましょう! それにね、良いアイデアが浮かび、ウマい具合にパッキングできたんですよ」

平六さんは100Lくらいの大きなザックを持っているのかな~と思いつつ、電話を終えたのだった。

本日、早朝、私は車で八幡岳へ向かった。
道路状況を調べるためだ。
集合場所の道の駅「厳木」までは、大丈夫だった。
笹原峠も問題なかった。
池高原への車道は、途中から積雪が見られ、車で豚汁とぜんざいを運び上げることは無理と判断された。
平六さんに、
「やはり我々で運び上げなければダメなようです」
と電話をする。

集合時間、午前9時、
集合場所、道の駅「厳木」。
参加したのは、
【長崎組】そよかぜさん、山馬鹿さん、クラッカーさん、軟弱さん、みつばさん。
【福岡組】肉まんさん、風来坊さん、hirokoさん、hirokoパパさん。
【佐賀組】平六さん、タク。
の11名。


この後、車で、蕨野にある交流広場に移動。
ここが出発地点。
準備をし、軽くストレッチ。


で、ここで初めて平六さんの手製のザック(?)を見た。
誰もが「え~」と驚き、大爆笑。
本当に平六さんは面白い人だ。
こんなパッキング、普通は思いつかない。
ユニークな発想を持つ平六さんに、全員が驚嘆したのだった。


9:25
交流広場を出発。


雪の中に咲く菜の花が美しかった。


談笑しながらゆっくり登って行く。


やがて蕨野の棚田が見えてくる。


棚田の中に入って行く。
曲線を描く石垣に、まず驚かされる。


そして「日本一の高石積み」。


人の大きさと比較してもらうと、その高さがよく解る。


日本一の高石積みの上は、こんなに広い田圃になっている。


棚田は、普通、小さな田圃が折り重なっているものだが、これほど広い田圃を作るためにはやはり高い石垣が必要だったのだ。
それにしても、人の力とはこんなにも凄いものだと、あらためて驚かされた。


前を行く平六さんのザックを写す。
見ているだけで可笑しくなる。
笑い声が絶えない。


上から棚田を見る。
白い棚田も素敵だ。


10:45
ここから左へ登って行く。


10:56
池高原の池が見えてきた。


池高原からの登山道は、美しい白い道。


味気ない植林帯さえも、実に魅力的。


ノウサギの足跡を発見。


お馴染み「象の鼻」。(笑)


急登にあえぎながらも、豚汁が目にちらつく。(笑)


平六さんお気に入りの「八幡岳の春」の案内板。


ここから車道歩きとなる。
車道歩きでも、ノートレースの道は気持ち好い。


霧氷を発見!
こんなに標高の低い山で霧氷を見ることができるとは……ラッキー!


11:50
八幡岳山頂に到着。


ゆっくり登って2時間半。
心地よい汗をかきました。


山頂から展望台へ移動する間は霧氷のオンパレード。


くじゅうや雲仙ほどの華やかさはないが、儚げな風情の霧氷もなかなか好い。


それにしても、標高わずか763.6mの山で霧氷を見ることができるとは思ってもいなかった。


12:02
展望台に到着。


北側斜面は、霧氷で白くなっていた。


我々が登って来た蕨野の棚田も遠望できた。


この後、池高原キャンプ場に戻り、昼食。


私はぜんざいを作りました。


もちろん餅も……ね。


平六さんは豚汁。


すごく美味しかったです。


hirokoさん、hirokoパパさんからは、イチゴを、


みつばさんからは、おやつを、


そよかぜさんからは、バレンタイン・チョコを、


その他、肉まんさんや風来坊さんからもお土産を頂きました。
ありがとうございました。

下山する頃には、棚田の雪も解けていた。


14:08
交流広場に戻ってきた。


楽しい、楽しい、登山であった。
登っている時も、食べている時も、ずっと笑っていたような気がする。
こんなに笑ったのは、本当に久しぶりだった。
クールなタクが台無しだ~(笑)

皆さん、また佐賀の山に来て下さいね~

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