2013年7月28日。
北アルプス5日目。
そして、北アルプス最終日。
午前4時半に起床。
出発準備をして食堂へ向かう。
そして、朝食がコレ。
魚のミリン干しを、ひとつひとつ丁寧に焼き、
焼きたてをそれぞれに届けてくれる。
薬師岳山荘のスタッフの皆さんの優しい心遣いが伝わってくる朝食であった。
記念に薬師岳バッヂを買った。
あまり蒐集の趣味はないのだが、
槍ヶ岳、劔岳、白馬岳など、
有名な山のバッヂはなんとなく買ってしまう。
今日の歩行時間は、
太郎平を経て折立までなので、
ガイドブックのコースタイム合計で4時間30分。
折立を10時20分発のバスの乗りたいので、
少し早めに出発する。
5:21
薬師岳山荘を出発。
花々と雪渓を横目に見ながら下って行く。
シュールな風景。
シナノキンバイや、
ハクサンイチゲともお別れだ。
脳裏にしっかりと焼き付ける。
朝露に濡れた木道が滑るので、ゆっくり歩いて行く。
雪渓の端は慎重に、
そして、大きな岩のごろごろした道は、
一歩一歩確かめるように踏みしめながら下って行く。
すると、彼方に太郎平小屋が見えてくる。
6:21
キャンプ場を通過。
昨夜は風雨だったので、さぞ大変だったことであろう。
太郎平小屋の宿泊者であろう、薬師岳へ向けて続々とやってくる。
木道にはすれ違うためのスペースが設けられているので、
そこで待ちながら周囲の風景を楽しむ。
いいね~
6:40
太郎平小屋(2330m)に到着。
小屋のスタッフとお客さんがラジオ体操をやっていたので、
我々も一緒に行う。
折立へ向けて出発。
名残を惜しむように、美しい風景を眺めながら歩いて行く。
7:15
五光岩ベンチ(2189m)通過。
時折立ち止まり、シャッターを切る。
切り取られる時間、切り取られる夏。
ニッコウキスゲの群生地を通過。
さらば、高原の花々よ。
左手に有峰湖が見えた。
8:09
三角点(1870.6m)を通過。
太郎坂を軽快に下って行く。
9:05
折立に到着。
薬師岳山荘から、3時間44分で到着。
案外早く着いた。
ここで、下界用の服に着替える。
自販機でコーラやジュースを飲みながら、バスの出発時間を待つ。
10:20
バスで出発。
有峰ダムを通過。
この後、バスの中から、車道に出てきたクマを二度目撃する。
ヤスさん、大興奮。
「野生のクマ、初めて見ました~」
バスの車窓からも、素晴らしい眺めを見ることができる。
砺波平野の田園地帯。
家々を囲む大きな杉の木は
屋敷を守るための屋敷林(カイニョ)といわれ、
冬の寒さ、夏の暑さ、秋の台風などに耐えられるれるように工夫され植えられているとのこと。
日本の美しい原風景のひとつ。
12:20
富山駅の近くに到着。
地下道を通って富山駅へ移動。
時間があったので、立山そばを食べる。
美味しかった~
13:10
富山駅より、JR特急サンダーバード26号で新大阪駅へ。
祝杯を挙げる。
車内販売のビールも買い、再び祝杯。
それは、新大阪駅まで続いた。(笑)
16:32
新大阪駅着。
16:45
新大阪駅より、JR新幹線のぞみ39号にて博多駅へ。
19:14
博多駅着。
ここでヤスさんとお別れ。
この後お互い仕事が溜まっているので、しばらく登山はお休み。
8月中旬の山行を約束して別れる。
19:33
博多駅より、JR特急みどり25号にて肥前山口駅へ。
20:27
肥前山口駅着。
配偶者の車にピックアップされ、自宅に帰る。
2013年夏の北アルプスも、本当に素晴らしかった。
雨の予報だったので覚悟して行ったのだが、
案外、雨の日は少なく、
花も風景も予想以上に楽しむことができた。
週間予報で傘マークが並んでいたので、
それに恐れをなしてもし行かなかったならば、
今回のような楽しい体験はできなかったであろう。
雨の予報だからこそ、
雨の日でも登りたいという本当の山好きたちが山に集合していたような気がする。
素敵な人々に出逢えたような気がする。
美しい夏であった。
眩しい夏であった。
還暦近くになって、
このような燦めきの夏を体験できるとは思わなかった。
私は決して忘れないだろう。
北アルプスで過ごした2013年の夏を……
美しき夏の記憶……
〈あの記憶だけで私は一生生きていける〉
とさえ思えた夏であった。