「逢いたい人に逢いに行く」という特別企画の第30回目は、
女優の松井玲奈。
ちょうど1年前、
西九州新幹線が開業し、
SKE48元メンバーの松井玲奈が嬉野温泉駅の一日駅長を務めた。
そのことを、私は、このブログで次のように記している。
私自身は「西九州新幹線」についてはあまり関心がないのだが、(笑)
武雄温泉駅~長崎駅の約66キロを結ぶ「西九州新幹線」が本日(9月23日)開業した。
鉄道ファンで知られるSKE48元メンバーの松井玲奈が嬉野温泉駅の一日駅長を務め、
開業記念式典・出発式で任命を受けた後、
長崎駅を6時17分に出発した一番列車の「かもめ2号」が、
午前6時42分、嬉野温泉駅に入線すると、
中野裕介駅長(嬉野市塩田町出身)と共にホームに並び、
右手を高く上げて「出発」と出発合図を送った。
(中略)
松井玲奈は私の好きな女優である。
竹久夢二の絵から抜け出てきたような妖艶な容姿に魅かれる。
それでいて透明感や清潔感もある。
実に魅力的な女優だ。
普通なら、佐賀県の田舎の駅の一日駅長なんかするような女優ではない。(コラコラ)
〈やはり鉄道ファンだから嬉野温泉駅の一日駅長を引き受けたのだろう……〉
と思って、松井玲奈のコメントを読んだら違っていた。
【松井玲奈のコメント】
本日は西九州新幹線の開業日。
なんと、嬉野市で映画の撮影をしたご縁で、嬉野温泉駅の1日駅長を務め、
出発式に参加させていただきました。
一生に一度。
こんな貴重な瞬間に立ち会うことができ、新幹線好きとして大変光栄です!
「嬉野市で映画の撮影をしたご縁で……」とあり、
〈えっ、嬉野市で映画を撮っていたの?〉
と、ビックリ。
調べてみると、
松井玲奈の主演映画『緑のざわめき -Saga Saga-』(2023年秋公開予定)を、
佐賀県(嬉野市、武雄市)と福岡県で撮っていたのだ。
監督は、熊本市在住の夏都愛未。
(中略)
この映画『緑のざわめき -Saga Saga-』の完成報告で、
昨日(9月22日)、
主演の松井玲奈、嬉野市職員を演じる女優の松林うらら、夏都愛未監督の3人が、
佐賀県庁を訪問し、山口祥義知事と会っていたのだ。
松井玲奈は、
「緑のざわめき」はバラバラに生活をしていた異母姉妹の三人が、引き寄せられるように出会い、関わりを持つ物語になっています。脚本をいただきどこか寂しげな雰囲気のある響子に惹かれ、この不思議な生い立ちの三姉妹に出逢いたいと感じました。
ファミリー・ツリーという言葉があるように、家族の繋がりは木の枝や、その先に付く葉のように広がりを見せていきます。家族とは何か、血のつながりとはなんなのか、彼女たちが形の曖昧なファミリー・ツリーに引き寄せられる様は、人間味に溢れています。その愛おしい瞬間を、夏都監督が佐賀の緑豊かな景色と共に映像にとじ込めてくださいました。
と、語っていたが、
1年後に公開される『緑のざわめき -Saga Saga-』が待ち遠しくてならない。
そう、その楽しみにしていた『緑のざわめき』が(2023年)9月1日に公開されたのだ。
佐賀では(いつものごとく)少し遅れて9月22日から公開された。
で、公開翌日の9月23日に、上映館であるシアターシエマで鑑賞したのだった。
過去の痴漢被害のトラウマを抱えて生きてきた響子(松井玲奈)は、
病を機に女優を辞め、
東京から生まれ故郷のある九州に移住しようと福岡にやってきて、
元カレの宗太郎(草川直弥)と再会する。
異母姉の響子と繋がりたいと、彼女をストーカーする菜穂子(岡崎紗絵)は、
異母姉妹ということは隠し、響子と知り合いになる。
施設に預けられていて、8年前から佐賀県嬉野で叔母の芙美子(黒沢あすか)と暮らす高校3年生の杏奈(倉島颯良)は、
自分宛の手紙を勝手に読んだ叔母に不信感を募らせていた。
「まずは話してみませんか?」という支援センターの広告を見て、
身元もわからない菜穂子からの電話に、悩みを打ち明け始める。
同じ頃、杏奈に思いを寄せる透(林裕太)は、
杏奈とうまくいくよう、集落の長老・コガ爺(カトウシンスケ)に相談しに行っていた…
就職活動がうまくいかない中、
地元・嬉野に戻り、親友の保奈美(松林うらら)に就職の相談をする響子は、
ひょんなことから自分と杏奈が異母姉妹ということを知ってしまう。
菜穂子は、宗太郎に恋焦がれる絵里(川添野愛)等いつもの女子会メンバーとの旅先を嬉野に決め、訪れるのだった……
ストーリーをこのように紹介したが、
一度見ただけでは解りにくい映画であった。
予備知識なしで見ると、人間関係がどのように繋がっているのかが今一つ解りづらい。
それでも、三人の異母姉妹が織りなす物語だということは、最後まで見れば判る。
いろんな人がいろんな想いで生きて感情が交差していく構成にしてあるのだが、
夏都愛未監督は、あえてこのように構成を複雑にしているようにも思えた。
「血が半分繋がっているのに、何かの圧で離れ離れになってしまっている人たちがまた一つになる」というのを描きたくて異母姉妹にしました。(パンフレットのインタビューより)
と夏都愛未監督は語っていたが、
三姉妹のそれぞれの感情の行方を描きながら、
(我々は血の繋がりに捉われがちだが)血の繋がりを超えて魂の部分で姉妹になる様子も、
夏都愛未監督は同時に描いている。
嬉野の轟の滝公園、
武雄の塚崎の大楠、
武雄の武雄市図書館、
有田町の泉山磁石場など、
佐賀県在住の私としては、知っている場所がスクリーンに出てくる度に、
在住者ならではの特別の感情が湧き出て、
しかも、私の好きな女優である松井玲奈や岡崎紗絵が、(奇しくも二人とも愛知県出身)
佐賀の地を歩いている映像が美しく、魅了された。
佐賀では9月22日から公開された作品なのだが、
なぜ私は公開翌日の9月23日に鑑賞したのか?
それは、この日にシアターシエマで、
主演の松井玲奈と、監督の夏都愛未による舞台挨拶があったからなのだ。
■日時:2023年9月23日(土)
11:40~13:45 『緑のざわめき』上映
13:45頃~14:15 舞台挨拶
■料金:映画鑑賞料金でご参加頂けます。(※招待券、会員無料ポイントの使用不可)
■定員:90名(※予約優先)
※定員に達しましたら、予約受付を終了とさせていただきます。(定員に達し次第、HP、SNSにて発表いたします。)
※全席自由席です。当日受付順に整理券を配布し、開場時間になりましたら整理番号順にご入場いただきます。
■登壇者:松井玲奈さん(主演)、夏都愛未監督
シアターシエマのFacebookで、9月14日にこのような緊急告知があり、
私はすぐに電話で予約した。(その後、ほどなく、予約は満席になった)
「当日受付順に整理券を配布」とあったので、
当日の開館は8時50分だったので、8時10分頃にシアターシエマに到着したら、
誰もいなくて、(笑)
直後にゾロゾロと人が訪れ、列ができたので安心したのだが、
結果的に私は「1番」の整理券をゲットできたのだった。(爆)
上映終了後、
松井玲奈と、夏都愛未監督が登場。
最前列にいた私は、(コラコラ)
松井玲奈の美しさ、スタイルの良さ、顔の小ささに、驚嘆させられたのだった。
佐賀の印象について松井玲奈は、
佐賀はどこに行っても緑があり、空気がきれい。東京と時間の流れが全く違う。
と語り、
印象深かったロケ地として、武雄市の大楠や嬉野市の茶畑を挙げた。
「佐賀弁には苦労しなかったか?」
という司会者の問いに、愛知県出身の松井玲奈は、
私の地元の三河弁と(佐賀弁の)イントネーションや言葉の雰囲気が似ていて、それほど苦労した覚えはなく、自分の中ではすんなりと話せていたと思う。
と語り、観客に、
「私の佐賀弁どうでしたか?」
と問い、観客席から大きな拍手が起きていた。
司会者からの「撮影の休みの日はどのように過ごしていたか?」の問いには、
武雄市図書館が気に入り、入り浸っていて、
珈琲を飲みながら(武雄市図書館内にスターバックスがある)本を読んでいた。
とのこと。
私も武雄市図書館を利用しているので、
個人的に嬉しかったし、
本好きで、
短編集「カモフラージュ」(2019年4月5日刊、集英社)、
恋愛小説集「累々」(2021年1月26日刊、集英社)
など、自らも本を刊行している松井玲奈ならでは……と感心した。
佐賀にいると、女優を実際に見る機会はほとんどないが、
映画『緑のざわめき』も佐賀県フィルムコミッションの尽力で完成したように、
今後、佐賀でロケした映画が増えれば、こうした機会も増えるような気がする。
舞台挨拶時、松井玲奈が、
「見終わった後も楽しめる作品」
と語り、二度目の鑑賞や、ロケ地巡りを勧めていたが、
佐賀でロケされた映画が増えれば、ロケ地巡り、聖地巡りのファンが他県からも訪れることであろう。
佐賀県在住の映画ファンとしても、スクリーンで佐賀の風景を見ることができるのは歓びであるし、舞台挨拶等で生の出演俳優を見る機会も増える。
佐賀県フィルムコミッションに感謝すると共に、
今後も大いに映画のロケ誘致を実行してもらいたいと思った。