一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

徒歩日本縦断(1995年)の思い出・第6回「旅人たち」 …最も尊敬されるのは…

2012年02月28日 | 徒歩日本縦断(1995年)の思い出
夏の北海道は、旅人のメッカ。
歩き、自転車、バイク、車、電車……など、いろいろな手段で多くの人が旅を楽しんでいる。
徒歩日本縦断の旅で、北海道を歩いていた時に感じた事。
それは、「歩きの旅人」が最も尊敬されるということ。
尊敬される順位を仮につけるとしたら、やはり、
歩き、自転車、バイク、車……の順になる。
これは、歩いているとすぐに感じることだ。
「歩きの旅人」に対する態度が、他の手段で旅をしている人とぜんぜん違うからだ。

「歩きの旅人」には、誰もが親切。
それに尊敬の眼差し。
自転車の旅人が追い抜いて行く時には、必ず、
「こんにちは~、お疲れ様です、頑張って下さいね~」
と声をかけてくれる。
だから、「歩きの旅人」は誰とでもすぐ仲良くなれる。
(写真は、仲良くなった自転車で旅をしていた2人組と食事をしているところ)

エピソードをひとつ。
ある日、サロベツ原野のまっすぐな道路を歩いていた時のこと。
遠くから爆音が近づいてきた。
ハーレーダビットソンの集団だった。
革ジャンにサングラス。
屈強な男たちが、ハーレーダビットソンに跨って、集団で、地響きをたてながら近づいて来る。
正直、ビビった。
と、先頭のリーダーらしき男が、私に向かって横に腕を伸ばし、親指を立てた。
これは、アメリカンライダー同士が、サインの交換をする時の動作だ。
すると、後に従っているライダー全員が、私に向かって同じく腕を横に伸ばし、親指を立てたのだ。
全員が私の方に顔を向けて、
「おい、頑張ってるじゃないか」
「おまえって、スゴイ奴だな」
というような表情をしたのだった。
これには本当に感動した。


このような体験は、北海道だけで、本州に入るとまったくない。(笑)
というか、逆に「歩きの旅人」は奇異な目で見られるので要注意だ。(爆)
徒歩日本縦断はする必要はないけれど、
北海道縦断でもいいし、
北海道一周でもいいので、
いつかぜひ北海道で歩き旅をしてみてほしい。
間違いなく尊敬されますよ。

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