一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

名取裕子・音語り「江戸艶姿四季写明鏡」 ……武雄市・円楽寺での朗読公演……

2018年11月20日 | 特別企画「逢いたい人に逢いに行く」


「逢いたい人に逢いに行く」という特別企画の第11弾は、
女優の名取裕子。


某月某日、
地元紙の片隅に、次のような告知が載った。

◆名取裕子さんの音語り「円楽寺錦秋朗読公演」
(11月18日13、16時半、武雄市武内町の円楽寺)女優の名取裕子さんが、自ら書き下ろした「江戸艶姿四季写明鏡」を三味線を弾き、朗読する。成田涼子さん(唄・三味線)、橋口瑞紀さん(笛)も共演。各回定員100人。前売り2000円、当日2500円、高校生以下は500円。予約は円楽寺。


円楽寺を地図で調べてみると、
武雄の市街地からかなり離れた田園地帯にあった。
〈なぜ、こんな田舎の寺で、名取裕子が朗読公演をするのだろう……〉
と思った。
〈もしかしたら、あの有名な名取裕子ではなく、同姓同名の別人ではないか……〉
とも考えた。
そこで、円楽寺に電話をして訊いてみた。
あの有名な名取裕子なのか……と。
すると、答えは「そうです」とのこと。
「予約はまだできますか?」
と訊くと、
「13時の回は満席ですが、16時半の回は少し空きがあります」
とのことだったので、
16時半の回で予約を入れた。
武雄市武内町の円楽寺は、私の家から車で20分ほどの場所にある。
〈家からすぐ近くの場所で名取裕子に逢えるとは……〉
ワクワクしながら11月18日を待ち、
当日、時間よりかなり早めに車で家を出て、
武雄の円楽寺へ向かったのだった。


円楽寺に着くと、
13時からの回が終わり、
16時半からの回までにはまだ間があるので、境内は静かであった。


早く着き過ぎたので、
近くにある黒牟田焼の里を訪ねてみることにした。




この辺りの田園地帯には、


ホトケノザ、


ナズナ、


スミレ、


オオイヌノフグリなど、
すでに春の花がたくさん咲いており、
目を楽しませてくれた。


しばらく行くと、竹古場キルンの森公園があり、
その中に「飛龍窯」があった。


この「飛龍窯」は、世界一の容量を誇る。


4つの房から成り、
その一つの房の大きさは奥行き8.9m、幅3.8m、高さ3.4mで、
大型バス1台と同じくらいの規模。


全長は23mで、一度に約12万個の湯飲みを焼成することができるそうだ。


竹古場キルンの森公園からさらに先へ進むと、
黒牟田焼の里に到着する。


なんだか「隠れ里」のよう。


素晴らしい雰囲気。




紅葉も盛りで、あちこちで楽しめた。




円楽寺の近くには、このブログでも毎年のように紹介している「馬場の一本桜」もあり、
春になれば、このような美しい風景に中に身をひたすこともできる。


本当に素晴らしい場所なのである。


円楽寺に戻り、


いよいよ、女優の名取裕子さんの朗読公演へ。


名取裕子さんが自ら書き下ろした「江戸艶姿四季写明鏡」を、
三味線を弾き、朗読するのだが、


成田涼子さん(唄・三味線)と、
橋口瑞紀さん(笛)も共演しており、


二人が演奏し、
成田涼子さんの長唄の合間に名取裕子さんが朗読をするという感じで進行した。


旗本次男坊・清二郎(せいじろう)と、
芸者・染次(そめじ)の恋物語を、
江戸情緒たっぷりな三味線と横笛と長唄、
それに名取裕子の朗読で、存分に楽しむことができた。

写真撮影は禁止だったので、
公演の写真はないが、
寺の本堂の、そう広くはない空間で、
たった100人の少人数で味わった贅沢は、
生涯忘れることはないだろう。

名取裕子は、自身のHPのプロフィールでも生年月日を公表しており、
昭和32年(1957)8月18日生まれの61歳。(2018年11月現在)
とても還暦を過ぎたようには見えず、
映画やTVで見るよりは、数段美しかった。


昔、東京の大学に通っていたとき、
T君という友人がいて、(彼とは今でも交流がある)
名取裕子がデビューしたての頃に、


「名取裕子って好いよな~」
と私が言うと、
「彼女なら、俺、知ってるよ」
とT君は言ったのだった。
名取裕子はT君の友人の妹で、
T君はその友人の家に遊びに行っていたときに、
よく彼女(つまりデビュー前の名取裕子)に会っていたとのこと。
私が仰天したのは言うまでもない。
ということで、
私は、何を隠そう、名取裕子の兄の友人の友人なのである。(なんじゃそりゃ)



朗読中や三味線を弾いているときは二コリともせず、真剣な表情だったので、
〈恐い人かな~〉
と思っていたのだが、
公演が終了すると、
「あ~、緊張した~」
と、途端に明るい表情になり、
冗談を交えながらいろいろな話をして下さった。
そのときに、なぜ円楽寺で朗読公演をすることになったかも明かされた。
名取裕子さんと、横笛の橋口瑞紀さんは、
成田涼子さんのお弟子さんで、
橋口瑞紀さんが円楽寺の御子息と結婚することになり、
その縁で、3人で、円楽寺で公演をすることになったとのこと。
橋口瑞紀さんは、若くて才能あふれる美しい方で、


円楽寺の御子息とは東京で知り合い、結婚することになったそうだ。
これからも、機会があれば、このような催しをやっていきたいとのことなので、
楽しみに待ちたいと思う。

公演があった11月18日(日)は、
その日の夜に、
名取裕子主演の2時間ドラマ『法医学教室の事件ファイル スペシャル』(テレビ朝日系21:00~11:05)が放送されることになっており、


「ドラマの方も観て下さいね」
と告知をされ、


11月20日(火)にも、自身がパーソナリティをやっている
「オールナイトニッポン MUSIC10」(ニッポン放送22:00~23:50)で、


この円楽寺での公演のことを話すので、ぜひ聴いて下さいねとお願いをされていた。
(その日が今日)なので、急いでこのブログを書いている次第。(笑)




佐賀の田舎に住んでいて、
すぐ近くのお寺で名取裕子に逢えるという幸運に恵まれ、
素晴らしい日曜日を過ごすことができた。
今日も「一日の王」になれました~


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