一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

『孟司と誠の 健康生活委員会』 …どうして今までやってこなかったんですか?…

2023年01月18日 | 読書・音楽・美術・その他芸術


『孟司と誠の 健康生活委員会』(文藝春秋)を読んだ。
養老孟司と近藤誠の対談。
OECDの調査で、「自分を健康だと思う人」の数が世界一少ない日本。
世界に冠たる長寿国でなぜ?
医の賢人二人が、そのカラクリを説き明かす。


・長生きは医療のおかげ、ではなかった!
・血圧を下げると死亡率は3割上がる
・血糖値をコントロールすると早死にする
・腸内フローラはコントロールできない
・サプリメントの成分は胃でバラバラに溶ける
・ピロリ菌の除去で総死亡率は上がる
・女性の長生きは水道水の消毒から
・がんが「病気」とは限らない
・患者が死ぬのを見たことがない医者
・放っておけば治るものと老化現象に薬を使う
・医者が「このままでは死ぬよ」とウソをついて脅す
・一粒で長い間効く薬は危ない


など、医に関する一般常識の間違いを正す。

・二十歳過ぎて出てくる症状は、みんな老化
・年は治りません


そして、「なるほど」と私が思った養老孟司の一言。


九十歳で死にたくないと喚く人が多い、とホスピスの医者が嘆いていた(笑)。ということは、その人は九十になってもまだ生きてやりたいことがあるんでしょ。どうして今までやってこなかったんですか、と。その人は生きそびれているんでしょう。成熟するとは、適当な時期に適当なことを済ませることだから。(217頁)

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