アウトドア関係の雑誌では、私は現在、
『山と溪谷』
『PEAKS』
『BE-PAL』
『フィールド・ライフ』(年4回)
を定期購読している。
これらの雑誌によく登場するのが、鈴木みきさんだ。
モデルとして、
ねんど人形作家として、
イラストレーターとして、
ライターとして、
その活躍はめざましいものがある。
鈴木みき。
1972年生まれ。
24歳のとき、カナダ旅行をキッカケに山にハマり、
登山雑誌の読書モデルや山小屋のアルバイトを経て、
登山系のイラストレーターとなる。
現在は山梨県の八ヶ岳麓に暮らす。
著書に、
『悩んだときには山に行け!』(平凡社)
『あした、山へ行こう!』(講談社)
があり、今回紹介する
『ひとり登山へ、ようこそ!』(平凡社)
は3冊目の著作となる。
以上の3冊は、いすれも登山コミックエッセイといえるもので、
女子のための登山入門書になっている。
現在の女子登山ブームをつくったのは、
現役バリバリの登山家たちではなく、
鈴木みきや、
山スカートの仕掛け人・四角友里といった、
有名登山家に比べ、経験も知識も少ない、
素人に近い女性たちであった。
どこにでもいる女の子の目線で、
山に登ることの喜びや感動を語り、山の魅力を描き出す。
それが若い女性にウケて、現在のブームにつながっている。
『ひとり登山へ、ようこそ!』の紹介に移ろう。
前書きには次のように記されている。
山登りをはじめたばかりでも
ひとりで行きたいな、と思っている人は
多いと聞きます。
山を好きになると
もっと、もっと山に行きたいと願うでしょう。
誰かの予定に合わせていると
一年が終わってしまそうに感じてくるほど。
長いあいだ山登りをしているけれど
ひとりでは行ったことがない人も
少なくはないでしょう。
山はみんなで行ったほうが
楽しいし、淋しくないし……。
それもひとつの考えです。
でも、ひとりで行きたいという小さな憧れはありませんか?
私はひとりで山に行くのが特に好きです。
ひとりで山を歩き出して10年以上がたちます。
当日はいまだに「大丈夫かな? 行けるかな?」と緊張しますが
「大丈夫、謙虚にいこう。ひとりなんだから、ゆっくりでいいんだ」
そう自分に言い聞かせます。
そして一歩、山に入ると初めての時のようにワクワクします。
「今日はなにが私を待っているだろう!」
不思議とひとりでなければ見えないものや
気づかないことがあります。
山のこと、仲間のこと、自分のこと…
見つめなおしたらまた山に行きたくなる。
きっと、もっと好きになる。
「ひとり登山」ってとっても楽しいんですよ!
この前書きに続き、
本文では次のような構成で、「ひとり登山」の魅力を語る。
第1章 「ひとり登山」ってなに?
第2章 私がひとりで行く理由
第3章 ひとり登山に行ってみよう!
第4章 ひとり登山の歩き方
第5章 ひとり登山の「あるある」
第6章 ひとり登山の醍醐味
単独行というなんだか厳めしい言葉を避け、
「ひとり登山」と表現し、
ひとりで山へ行く理由、
ひとりで山へ行くときに注意しなければならないことなどを、
わかりやすく解説する。
ひとり歩きは危険と言われているけれど、
道迷いなどは、むしろ2~3人グループの方が多いとか。
「リーダーの後ろにくっついているだけじゃ 山は見えてきません」
「ひとりで歩くのはいつもより緊張するけど 誰かの背中ごしに見ていた景色とは別の景色に出会えます」
美しい景色、
美しい花に興味を持つのもイイけれど、
それ以上の山を知りたいなら、ひとりで山へ……
「ひとりで山にいるときがいちばん山を感じられるように思うんですよ」
鈴木みきは、山の雑誌『PEAKS』(2010年12月号)のインタビューで、
次のように語っている。
私は山登りが好きというより、突き詰めると、山そのものが好きなんだと思います。なにがどうであれ、山はただそこにあるだけ。それがなんとも心地いいんです。虫や木と同格で、自分が何者でもなくなる感覚が。山を見ると、地球そのものを見ている気になります。何千年も昔からあるそのままの景色。山の上で迎える朝なんて、地球が回っている感覚があるじゃないですか。太陽が昇ってくるんじゃなくて、こっちから回って行ってる感じ。あの景色をみんなに見せてあげたいですよね。
ずっと貧乏だったし、いろんな人にホントに助けられてきました。それもこれも山がつなげてくれた縁だと思っています。お世話になった人には物質的なことでお返しするのではなく、私の生き方を見ておもしろがっていただけたらと思っています。「友達にヘンなヤツがいてさ~」なんてだれかに話してくれていたら嬉しいですね。私というフィルターを通して、「山っていいな、山に行きたいな」と思ってほしい。そうあり続けられたら、それがお世話になった山への恩返しだと思っています。
鈴木みきの魅力は、
イラストレーターとしてやライターとしての魅力もそうだけれど、
彼女の生き方そのものが、大きな魅力になっている。
それは、ずっとひとりで歩いてきたからこそ培われたもので、
グループや集団で歩いていたら、今の彼女はおそらくなかっただろうと思われる。
ひとりで歩けるということは、自立しているということ。
彼女の本を通じて、
彼女の生き方を通じて、
自立した登山者が、今後きっと増えてくることだろう。
『山と溪谷』
『PEAKS』
『BE-PAL』
『フィールド・ライフ』(年4回)
を定期購読している。
これらの雑誌によく登場するのが、鈴木みきさんだ。
モデルとして、
ねんど人形作家として、
イラストレーターとして、
ライターとして、
その活躍はめざましいものがある。
鈴木みき。
1972年生まれ。
24歳のとき、カナダ旅行をキッカケに山にハマり、
登山雑誌の読書モデルや山小屋のアルバイトを経て、
登山系のイラストレーターとなる。
現在は山梨県の八ヶ岳麓に暮らす。
著書に、
『悩んだときには山に行け!』(平凡社)
『あした、山へ行こう!』(講談社)
があり、今回紹介する
『ひとり登山へ、ようこそ!』(平凡社)
は3冊目の著作となる。
以上の3冊は、いすれも登山コミックエッセイといえるもので、
女子のための登山入門書になっている。
現在の女子登山ブームをつくったのは、
現役バリバリの登山家たちではなく、
鈴木みきや、
山スカートの仕掛け人・四角友里といった、
有名登山家に比べ、経験も知識も少ない、
素人に近い女性たちであった。
どこにでもいる女の子の目線で、
山に登ることの喜びや感動を語り、山の魅力を描き出す。
それが若い女性にウケて、現在のブームにつながっている。
『ひとり登山へ、ようこそ!』の紹介に移ろう。
前書きには次のように記されている。
山登りをはじめたばかりでも
ひとりで行きたいな、と思っている人は
多いと聞きます。
山を好きになると
もっと、もっと山に行きたいと願うでしょう。
誰かの予定に合わせていると
一年が終わってしまそうに感じてくるほど。
長いあいだ山登りをしているけれど
ひとりでは行ったことがない人も
少なくはないでしょう。
山はみんなで行ったほうが
楽しいし、淋しくないし……。
それもひとつの考えです。
でも、ひとりで行きたいという小さな憧れはありませんか?
私はひとりで山に行くのが特に好きです。
ひとりで山を歩き出して10年以上がたちます。
当日はいまだに「大丈夫かな? 行けるかな?」と緊張しますが
「大丈夫、謙虚にいこう。ひとりなんだから、ゆっくりでいいんだ」
そう自分に言い聞かせます。
そして一歩、山に入ると初めての時のようにワクワクします。
「今日はなにが私を待っているだろう!」
不思議とひとりでなければ見えないものや
気づかないことがあります。
山のこと、仲間のこと、自分のこと…
見つめなおしたらまた山に行きたくなる。
きっと、もっと好きになる。
「ひとり登山」ってとっても楽しいんですよ!
この前書きに続き、
本文では次のような構成で、「ひとり登山」の魅力を語る。
第1章 「ひとり登山」ってなに?
第2章 私がひとりで行く理由
第3章 ひとり登山に行ってみよう!
第4章 ひとり登山の歩き方
第5章 ひとり登山の「あるある」
第6章 ひとり登山の醍醐味
単独行というなんだか厳めしい言葉を避け、
「ひとり登山」と表現し、
ひとりで山へ行く理由、
ひとりで山へ行くときに注意しなければならないことなどを、
わかりやすく解説する。
ひとり歩きは危険と言われているけれど、
道迷いなどは、むしろ2~3人グループの方が多いとか。
「リーダーの後ろにくっついているだけじゃ 山は見えてきません」
「ひとりで歩くのはいつもより緊張するけど 誰かの背中ごしに見ていた景色とは別の景色に出会えます」
美しい景色、
美しい花に興味を持つのもイイけれど、
それ以上の山を知りたいなら、ひとりで山へ……
「ひとりで山にいるときがいちばん山を感じられるように思うんですよ」
鈴木みきは、山の雑誌『PEAKS』(2010年12月号)のインタビューで、
次のように語っている。
私は山登りが好きというより、突き詰めると、山そのものが好きなんだと思います。なにがどうであれ、山はただそこにあるだけ。それがなんとも心地いいんです。虫や木と同格で、自分が何者でもなくなる感覚が。山を見ると、地球そのものを見ている気になります。何千年も昔からあるそのままの景色。山の上で迎える朝なんて、地球が回っている感覚があるじゃないですか。太陽が昇ってくるんじゃなくて、こっちから回って行ってる感じ。あの景色をみんなに見せてあげたいですよね。
ずっと貧乏だったし、いろんな人にホントに助けられてきました。それもこれも山がつなげてくれた縁だと思っています。お世話になった人には物質的なことでお返しするのではなく、私の生き方を見ておもしろがっていただけたらと思っています。「友達にヘンなヤツがいてさ~」なんてだれかに話してくれていたら嬉しいですね。私というフィルターを通して、「山っていいな、山に行きたいな」と思ってほしい。そうあり続けられたら、それがお世話になった山への恩返しだと思っています。
鈴木みきの魅力は、
イラストレーターとしてやライターとしての魅力もそうだけれど、
彼女の生き方そのものが、大きな魅力になっている。
それは、ずっとひとりで歩いてきたからこそ培われたもので、
グループや集団で歩いていたら、今の彼女はおそらくなかっただろうと思われる。
ひとりで歩けるということは、自立しているということ。
彼女の本を通じて、
彼女の生き方を通じて、
自立した登山者が、今後きっと増えてくることだろう。