一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

鬼ノ鼻山~聖岳 ……オカトラノオ、ママコナ、ムラサキニガナが咲き始めた……

2023年06月19日 | 鬼ノ鼻山・聖岳


このブログに書いた6年前の「2017年・極私的回顧」で、
かつての私はこう記している。

昨年あたりから遠くの山へ行くことが少なくなり、
ホームマウンテンである天山や、
作礼山、八幡岳、鬼ノ鼻山など、家から近い山を主体とした山歩きに変わってきた。
これは、私が60歳を過ぎ、
人生の残り時間というものを意識するようになったということも影響していると思う。
私は、登山以外にも、したいことがたくさんある。
映画鑑賞、読書はもちろんのこと、
コンサートにも行きたいし、スポーツ観戦もしたい。
家族との時間も大切にしたい。
片道3時間も4時間もかけて遠くの山へ行くその時間(往復6~8時間)が、
モッタイナイと思えてきたのだ。
そんな時間があったら映画を何本も見ることができるし、
長編小説だって一冊読破できる。
時間をもっと有効利用したいと思っているからだ。
それに、
山岳会に所属していた時代を含め九州内の主だった山はほとんど登っているし、
もともと、「○○百名山」の類にはまったく興味がなく、
近場の山だけで十分に満足を得られるようになってきたことも大きい。


そういうことなので、
2017年の夏に南アルプス(北岳・仙丈ケ岳)に行って以来、
日本アルプスへは行っていない。
北岳に登ったのは、ついこの前と思っていたが、
あれからもう6年も経っていたのだ。
ビックリである。
私も今年の夏で、69歳になる。
日々、躰は思うようには動かなくなってきており、
老いを痛感する日々である。
それなのに、不思議なことに、
〈また日本アルプスを歩いてみたい!〉
という気持ちが再び湧いてきた。
〈まだ躰が動くうちに……〉
という焦りなのか、
〈あの美しい風景をまた見てみたい……〉
という憧憬なのか、
いずれにしろ、再燃した「行きたい!」という意欲は大事にしたいと思った。
……ということで、
今夏、北アルプスか南アルプスのいずれかに行きたいと思っている。
行先はもう心の中では決まっているのだが、
そこへ行くだけの体力がまだできていない。
なので、現在は山へ行く機会を増やし、長時間歩くようにしている。
先日も、寸暇を縫って、鬼ノ鼻山・聖岳(往復)縦走をしてきた。

天ケ瀬ダムから天山を眺めた後、


いつものように“憩いの森”から歩き出す。


まずは、“第一展望所”へ行くが、草茫々で、周囲の木々も育ち過ぎており、
展望所の役割を果たしていなかった。


“鬼の展望所”へ登って行く。


“鬼の展望所”に到着。




やや靄っている。


一旦下って、登り返す。


鬼ノ鼻山山頂(標高435m)に到着。


振り返ってパチリ。


山頂からの展望はイマイチなので、
先へ進む。


“鬼のテラス”に到着。


ここで、しばし、展望を楽しむ。




先へ進み、


“みはらしの丘”でも風景を満喫。


今日は、さらに先へ進む。


ウツボグサや、


オカトラノオがたくさん咲いている。


ツマグロヒョウモン(♂)をパチリ。


里山のチングルマと私が勝手に呼んでいるノイバラや、


ママコナも咲き出していた。


いいね~


この山地の最高地点が見えてきた。


福寿山山頂(標高480m)を通過。


この縦走路歩きは本当に楽しい。






弁天山(標高464.4m)の二等三角点を通過。


その先から、右に下って行く。




美しいクスノキの群生林を右手に見ながら、




鞍部へ出て、林道を横切り、車の先にある道を登って行く。


なかなかの急坂だ。


だが距離は短いので、


すぐに聖岳山頂(標高416m)に着く。


聖岳神社にある(今話題の)ハート型の手水(ちょうず)鉢。


聖岳のある大町町は、
このハート型の手水鉢の写真に「愛」をテーマにしたキャッチコピーを並べ、
町の魅力をアピールしている。


聖岳山頂にある展望所からの眺めは、


本当に素晴らしかった。




佐賀平野は水田と化していた。


復路は、花を楽しみながら歩いた。
30cmはあろうかという大きなオカトラノオを見つけた。


こちらは形の良いオカトラノオ。


小さな花の集まりであるが、よく見ると美しい。


オオハンゲも群生している。




コキンバイザサもたくさん見ることができた。


日が当たると、黄金色に輝く。




大好きなムラサキニガナの花も見ることができた。


今日も「一日の王」になれました~


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