「花」に逢いたくても、逢えない時がある。
時期が早過ぎたり、あるいは遅過ぎたり――。
雨が降って、花が開いていなかったり、嵐に遭遇して、登山そのものができなかったり――。
片道5時間もかけて逢いに行っても、その努力が報われるとは限らない。
「花」に逢えるとは限らない。
むしろ願いが叶わない場合の方が多いような気さえする。
からつ労山の今回の山行は、フクジュソウで有名な岩宇土山。
フクジュソウは、福寿草と書く。
元日草(ガンジツソウ)とも呼ばれ、花が咲く時期と、その黄金色の花のせいか、古くから新年を祝うめでたい花として愛されてきた。
だが、私は以前より、その名に違和感を抱いていた。
「福」と「寿」という字が、この花にはふさわしくないように思っていたからだ。
だから私は、福寿草とは書かずに、フクジュソウと書く。
フクジュソウは、樹々の芽が開く前の早春に花を咲かせる。
光合成によって地下部に栄養を蓄え、初夏に樹々が葉を茂らせ、林の中が暗くなると、地上部を枯らしてしまう。
樹々が葉を茂らせる前のわずかな時間に、可憐な花を咲かせる……そのはかなさゆえに、カタクリやセツブンソウ、ユキワリイチゲなどと同様に「spring ephemeral」と呼ばれている。
春のはかない命……青春のはかない恋にも似て、この花には哀愁がただよっている。
そして毒さえも孕んでいる。
お正月用の「寄せ植えの鉢」として栽培されるような花では決してない。
「福」や「寿」とは縁がないというか、もっとも遠い所に位置している花なのだ。
だからこそ、山で自生しているフクジュソウを見ると、心を揺さぶられる。
感動する。
月例山行に参加したのは、25名。
会員数が増加したせいか、最近は参加者が常時20人を超えている。
マイクロバスが満席になることも多く、キャンセル待ちが出ることも珍しいことではなくなっている。
今回も3名のキャンセル待ちがあったという。
9:50
マイクロバスが、久連子登山口に到着。
スケジュールの時間をオーバーしていたので、急いで準備をする。
10:08
出発。
いきなりの急斜面。
アカマツが群生する稜線伝いの登山道を進む。
オニシバリの花を発見。
石灰岩地方の特有種で、ジンチョウゲ科の落葉低木。
高さは約1メートル。
葉は秋に伸びて冬を越し,夏には落葉するのでナツボウズ(夏坊主)ともいう。
春、ジンチョウゲに似た淡黄緑色の花を開き、楕円形の果実は赤熟し、有毒。
樹皮は和紙の原料。
樹皮が丈夫で,鬼でも縛れるということから名付けられた。
11:15
先頭から、「フクジュソウが咲いてるぞ~」の声。
本日、最初のフクジュソウを発見。
美しい!
そして、メッチャ嬉しい!
おっ、ここにも!
あっ、あっちにも!
えっ、そっちにも!
わっ、いっぱい咲いてるよ~!
フクジュソウが咲いているのはオコバ谷辺りだと思っていたので、岩宇土山に登る過程で、こんなにフクジュソウを見ることができるとは、正直思っていなかった。
数年おきにこの山に来ている会員さんも、「この辺はチラッ、チラッと咲いているだけだったけどね~」と驚いていた。
ここに咲いているのは、ミチノクフクジュソウという種類で、採取等が禁止されている指定稀少野生動植物だそうです。
久連子鍾乳洞の上の岩峰を過ぎると、雪のようなものが見えてきた。
石灰岩のガレ場である。
最初見たとき、てっきり残雪かと思った。
上から見ると、こんな感じ。
すごく高度感がある。
ここからの眺めは抜群。
「九州山地のど真ん中にいる感じだよね~」「素晴らしいよね~」
と私が言うと、テツさんが、「立松和平みたいな口調だよね~」と言ったので、皆爆笑した。
遠くに、かすかに、雲仙岳が見えた。
見えますか?
12:00
岩宇土山山頂着。
でも、なんだか通過点という感じだった。
12:15
オコバ谷に向かう途中の小広場で昼食。
昼食後、下山開始。
足下が悪く、落石等に注意しながら歩く。
13:50
植林地を下り、広い台地に出る。
ここはフクジュソウの大群落地。
目移りするほどたくさん咲いている。
私は、どちらかというと、全開している花よりも、これくらい開いている花の方が好きだ。
でも、このように、パッと開いている花も悪くないなぁ~(おいおい、どっちなんだよ!)
群れて咲いているのもイイねぇ~(こらこら!)
もう、ずっと見ていたい感じ!
台地を突っ切り、谷の左斜面を谷沿いに下る。
登山道の両脇にもフクジュソウがたくさん咲いていた。
滑りやすい斜面の崩壊地、涸れ谷など、悪路の連続。
再三ルート確認をしながら歩く。
15:00
久連子荘下の駐車場着。
お疲れ様でした!
熊本県天然記念物指定の久連子鶏を見に行った。
平安時代に日本に渡来してきた小国鶏(尾長鶏の基になった鶏)等をもとに、久連子の村の祖先が作り上げた古い鶏種。
見ていたら近寄ってきた。
なかなか愛嬌がイイ。
帰りに道の駅「子守唄の里 五木」に寄ってお土産を買い、五木温泉で疲れを癒した。
素晴らしい感動の一日に感謝!
今夜はきっと誰もがフクジュソウの夢を見るだろう……
時期が早過ぎたり、あるいは遅過ぎたり――。
雨が降って、花が開いていなかったり、嵐に遭遇して、登山そのものができなかったり――。
片道5時間もかけて逢いに行っても、その努力が報われるとは限らない。
「花」に逢えるとは限らない。
むしろ願いが叶わない場合の方が多いような気さえする。
からつ労山の今回の山行は、フクジュソウで有名な岩宇土山。
フクジュソウは、福寿草と書く。
元日草(ガンジツソウ)とも呼ばれ、花が咲く時期と、その黄金色の花のせいか、古くから新年を祝うめでたい花として愛されてきた。
だが、私は以前より、その名に違和感を抱いていた。
「福」と「寿」という字が、この花にはふさわしくないように思っていたからだ。
だから私は、福寿草とは書かずに、フクジュソウと書く。
フクジュソウは、樹々の芽が開く前の早春に花を咲かせる。
光合成によって地下部に栄養を蓄え、初夏に樹々が葉を茂らせ、林の中が暗くなると、地上部を枯らしてしまう。
樹々が葉を茂らせる前のわずかな時間に、可憐な花を咲かせる……そのはかなさゆえに、カタクリやセツブンソウ、ユキワリイチゲなどと同様に「spring ephemeral」と呼ばれている。
春のはかない命……青春のはかない恋にも似て、この花には哀愁がただよっている。
そして毒さえも孕んでいる。
お正月用の「寄せ植えの鉢」として栽培されるような花では決してない。
「福」や「寿」とは縁がないというか、もっとも遠い所に位置している花なのだ。
だからこそ、山で自生しているフクジュソウを見ると、心を揺さぶられる。
感動する。
月例山行に参加したのは、25名。
会員数が増加したせいか、最近は参加者が常時20人を超えている。
マイクロバスが満席になることも多く、キャンセル待ちが出ることも珍しいことではなくなっている。
今回も3名のキャンセル待ちがあったという。
9:50
マイクロバスが、久連子登山口に到着。
スケジュールの時間をオーバーしていたので、急いで準備をする。
10:08
出発。
いきなりの急斜面。
アカマツが群生する稜線伝いの登山道を進む。
オニシバリの花を発見。
石灰岩地方の特有種で、ジンチョウゲ科の落葉低木。
高さは約1メートル。
葉は秋に伸びて冬を越し,夏には落葉するのでナツボウズ(夏坊主)ともいう。
春、ジンチョウゲに似た淡黄緑色の花を開き、楕円形の果実は赤熟し、有毒。
樹皮は和紙の原料。
樹皮が丈夫で,鬼でも縛れるということから名付けられた。
11:15
先頭から、「フクジュソウが咲いてるぞ~」の声。
本日、最初のフクジュソウを発見。
美しい!
そして、メッチャ嬉しい!
おっ、ここにも!
あっ、あっちにも!
えっ、そっちにも!
わっ、いっぱい咲いてるよ~!
フクジュソウが咲いているのはオコバ谷辺りだと思っていたので、岩宇土山に登る過程で、こんなにフクジュソウを見ることができるとは、正直思っていなかった。
数年おきにこの山に来ている会員さんも、「この辺はチラッ、チラッと咲いているだけだったけどね~」と驚いていた。
ここに咲いているのは、ミチノクフクジュソウという種類で、採取等が禁止されている指定稀少野生動植物だそうです。
久連子鍾乳洞の上の岩峰を過ぎると、雪のようなものが見えてきた。
石灰岩のガレ場である。
最初見たとき、てっきり残雪かと思った。
上から見ると、こんな感じ。
すごく高度感がある。
ここからの眺めは抜群。
「九州山地のど真ん中にいる感じだよね~」「素晴らしいよね~」
と私が言うと、テツさんが、「立松和平みたいな口調だよね~」と言ったので、皆爆笑した。
遠くに、かすかに、雲仙岳が見えた。
見えますか?
12:00
岩宇土山山頂着。
でも、なんだか通過点という感じだった。
12:15
オコバ谷に向かう途中の小広場で昼食。
昼食後、下山開始。
足下が悪く、落石等に注意しながら歩く。
13:50
植林地を下り、広い台地に出る。
ここはフクジュソウの大群落地。
目移りするほどたくさん咲いている。
私は、どちらかというと、全開している花よりも、これくらい開いている花の方が好きだ。
でも、このように、パッと開いている花も悪くないなぁ~(おいおい、どっちなんだよ!)
群れて咲いているのもイイねぇ~(こらこら!)
もう、ずっと見ていたい感じ!
台地を突っ切り、谷の左斜面を谷沿いに下る。
登山道の両脇にもフクジュソウがたくさん咲いていた。
滑りやすい斜面の崩壊地、涸れ谷など、悪路の連続。
再三ルート確認をしながら歩く。
15:00
久連子荘下の駐車場着。
お疲れ様でした!
熊本県天然記念物指定の久連子鶏を見に行った。
平安時代に日本に渡来してきた小国鶏(尾長鶏の基になった鶏)等をもとに、久連子の村の祖先が作り上げた古い鶏種。
見ていたら近寄ってきた。
なかなか愛嬌がイイ。
帰りに道の駅「子守唄の里 五木」に寄ってお土産を買い、五木温泉で疲れを癒した。
素晴らしい感動の一日に感謝!
今夜はきっと誰もがフクジュソウの夢を見るだろう……
仰烏帽子山の福寿草は絢爛豪華と言う感じですが、岩宇土山のはゆかしい感じがしました。
この花に会うと春を実感しますね。艶やかでとってもきれいですね。
オコバ谷の道は以前とは様変わりしているようで、道をはずさないように神経を使いました。
なかなかの難路でしたね。
多良のマンサクもそろそろいい感じのようです。
週末には出かける予定です。
フクジュソウがあんなにたくさん咲いているとは思いませんでした。
大感激の岩宇土山でした。
春を告げる花と言われているフクジュソウの花を見て、やっと春を実感できました。
今度はマンサクですね。
私も近いうちに見に行こうと思っています。
『グリーンウォーク』の最新号に、浜口兄弟の多良山系一周の記事がありました。
ビックリです。
でもいつか挑戦したい!
そよかぜさんが以前歩かれていた虚空蔵山周辺の山々も小特集されていましたよ。
私の近くの山・八幡岳も棚田ルートが紹介されてました。
発売されたばかりの春号は、楽しみがいっぱいですよ!
特に雪の中に埋もれている蕾は愛らしかったのを思い出します。
「spring ephemeral」とは、まさにそうかもしれませんね/hamster_2/}
久しぶりに私も会いたくなりました
雪に包まれているフクジュソウって、写真でしか見たことないけど、愛らしくて素敵でした。
私もできることなら見てみたい!
やはり2月の中旬頃に行かないと見ることはできないんでしょうね。
その頃のフクジュソウが、まさに
スプリング・エフェメラル……春の儚い命
っていう感じなのでしょう。
それにしても、片道4~5時間はちょっとキツイ!
佐賀県や長崎県にも自生地があるといいのに……と思いました。
遠距離恋愛も、この年になると、かなりシンドイですぅ~