一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

鬼ノ鼻山……野の花を見ながら……

2008年03月09日 | 鬼ノ鼻山・聖岳
本日の天気予報は、曇りのち雨。
今日は多良山系の登山を考えていたが、急遽、近くの山に登ることにした。
せっかくの多良山系は、できるなら晴れた日に登りたい。
雨の日は、近くの山で我慢。(って、近くの山に失礼ですよね!)m(_)m
鬼ノ鼻山だったら、玄関で登山靴を履いて、そのまま歩いて行ける。
つまり、自宅の玄関が登山口。
ノーマルコースは、そのほとんどが舗装道路なので、雨の日でも平気!
舗装道路と言っても、車はあまり通らないし、道路脇には野の花がたくさん咲いている。
珍しい花はないが、季節を感じさせてくれる花々を見ながら歩くのは、なかなか楽しい。

午前9時過ぎに家を出る。
今にも泣き出しそうな空模様。
住宅地を抜け、車の通行量の多い道路を横切り、しばらく歩くと、いきなり田園風景になる。
車の音が遠ざかると、鳥のさえずりや、小川のせせらぎの音が聞こえてくる。
どこにでもある、ありふれた田舎の風景だが、私の心を和ませてくれる。
彼方に見える双耳峰は、両子山(366m)。


風景と同様、これもまた、どこにでもある、ありふれた花・ナズナ。
でも、近寄って花を見ると、面白い形をしている。


そして、離れて、ナズナの群落を見ると、こんな感じ。


この時期の主役は、ホトケノザ。
って言うか、今年は春の野の花の開花が、全体的に遅れているようだ。
ホトケノザとナズナとオオイヌノフグリくらいしか見かけない。


ありふれたホトケノザだけど、アップにしてよく見ると、これもなかなか美しい。


おっと、気づかないで通り過ぎるところだった。
キウリグサ。
ワスレナグサに似ているが、この花の方が、ずっと小さい。
写真ではよく分からないかもしれないが、花は2~3mmしかない。
これもありふれた花ではあるが、注意していないと見つけられない。
写真を撮るのも、かなり難しい。(安物のデジカメなので…)
キュウリグサと表記する人もいるが、キウリグサが正しいとのこと。
この花の葉を揉むと、胡瓜の匂いがするので、この名がついたそうだ。

ものすごく小さな花なので、ルーペで覗いてみる。
と、実に美しい!
美しいが、その美しさを誰にも知られずに、目立たずひっそりと咲いている。
或るブログで、このキウリグサを、
「全ての植物の中で、私が一番好きな花です!」
と書いている女性がいた。
きっと素敵な女性なんだろうなぁ~と、思った。


花を観察していたら、雨が降り出してきた。
午後から降ると思っていたから驚いた。
慌てて傘をさす。
舗装道路なので、レインウェアを着るより傘をさす方が快適!

自宅から約1時間。
天ヶ瀬ダムに着く。
私はここから見る天山が好きだ。
今日は雨に煙って、薄ぼんやりと見える。
山頂付近には、まだ雪が残っているようだった。


天ヶ瀬ダム付近は、春になると、ツクシがたくさん顔を出す。
それを楽しみにしているのだが、今日は一つも見つけられなかった。
もう一つ、この付近には、スミレがたくさん咲く。
探してみると、一輪だけ見つかった。
とても嬉しかった!


鬼ノ鼻山の山頂は、鬼の展望台がある方ではなく、隣の三角点があるピークだ。
昨年の12月に、多久市役所に問い合わせて、そのことが判明した。
その経緯(←ココをクリックしてね)は、このブログに、すでに書いている。
「いただきへの道」と書かれた登り口を通り過ぎて、しばらく歩いていると、この写真の場所に着く。


ここから右上に登って行くと、展望台のピークと、三角点があるピーク(鬼ノ鼻山山頂)との鞍部につきあたる。
そこを左に登っていくと、山頂である。
山頂に着いてビックリ。
山名が書かれた標識があったのだ。
誰が設置したのだろう?
多久市の関係者だろうか?
それとも個人の登山者だろうか?
三角点の隣に、小さな手作りの標識。
ひかえ目で好感が持てる標識だった。


展望台の方にも行ってみた。
山頂のほうから行くと、鬼が後ろ向きで出迎えてくれた。
山頂の座をあけ渡し、鬼がなんだかすねているように見えた。


でもさすが展望台だ。
ここからの眺めは抜群だ!
雨が降ってはいたが、遠くの天山もはっきり見えた。

私は鬼の頭に乗って、いつまでも周囲の風景を眺めていた。

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