一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

天山初冠雪 ……山の神様の思し召しに感謝し、新雪を踏みしめる……

2010年12月09日 | 天山・彦岳
木曜日に山に雪が積もっていると、
「今タクさんは天山に登っているのではないですか?」
というような、私の行動を見透かしたような内容のケータイメールを送ってくる人がいる。
まるで私の性格を熟知しているかのようなメールなので困惑する。
また、ある山友は、
「タクさんは雪が降ると狂ったように山に駆け出して行く」
などと、何の根拠もない噂を、まことしやかに吹聴したりしている。
これもまた、私の性格を完全に把握しているような自信たっぷり口調で曰うので、誤解を招きそうで恐い。
やはりここではっきりと言っておくべきだろう。
私はそんな単純な人間ではない……
私はそんな落ち着きのない人間ではない……と。
山に雪が降ったくらいで、興奮したり、やおら駆け出したりする男ではない……と。

今朝、私はゆっくりと目覚め、そっとカーテンを開けた。
「おお、天山に雪が積もっているではないか……」
と、余裕の表情で呟いた。
「初冠雪だな」
と、ひとりごちる。
天山の初冠雪は、2008年は11月20日(木)であった。
ちょうど休みの日だったので、初冠雪を存分に楽しんだ。
昨年の初冠雪は、12月16日(水)であった。
翌日が休みだったので、12月17日(木)に存分に楽しんだ。
そして、今年だ。
なんとまた私の休みの日の今日、天山は初冠雪をした。
なんという巡り合わせ。
天山の初冠雪を見に行けと言わんばかりの「山の神様」の思し召し。
それでも私は慌てない。
そう、私は雪を見たくらいでアタフタしない男なのだ。
ゆっくり出掛ける準備をする。
が、動作が次第に機敏になってくる。
車に、ザックと登山靴を放り込み、急いで出発する。
〈もたもたして雪が解けてしまったらどうするんだ〉
車を飛ばす。
で、着いたのはここだ。(爆)
「おお、10cmほどの積雪ではないか!」


さっそく登り始める。
ノートレースの新雪の上をゆっくり歩いて行く。
上宮も雪に覆われている。


池は半分ほど氷結していた。


時々立ち止まり、展望を楽しむ。


天山山頂が見えてきた。


あめ山分岐に到着。


あめ山へ向かう道も雪に埋まっている。


もうすぐ山頂というところで、あめ山方面を眺める。
あめ山の向こうにある八幡岳(763.6m)には積雪が見られない。
今回の雪は、標高が900m以上でないと見られないようだ。


天山山頂に到着。
誰もいない。
今年も初冠雪の日に登ることができた。
嬉しい~


太陽の光で雪面が輝く。


背振山系の稜線も白くなっている。


雪の風紋が見られた。


自然が創り出すアート。


稜線に立つと、風が強く、とても寒かった。


下山していると、遠くが光っているのが見えた。


なんだか神秘的な光景であった。


白いトンネルを抜けて行く。


上宮の四阿でしばし休憩。
四阿の屋根の縁に、ツララができていた。
なんだかとても幸せな気分だった。


帰りにケーキ屋さんに寄った。
先日、からつ労山の仲間と「日の影の山」に行った時、車の中でアキさんから教えてもらった【Sweets House Labo】というケーキ屋さんだ。
目立たない場所にあり、自宅を改造したような小さな店。
とても美味しく、県外からも買いにくると評判の店だそうだ。
私の自宅から車ですぐの場所(笹原峠付近)にあるのに、私はその店の存在をまったく知らなかった。
で、山の帰りに寄ってみたのだ。
店はやや奥まった場所にあり、前の道は何度も車で通っていたのに、これまで全く気づかなかった。
シャッターが半分閉まったようなガレージ風のお店。
売り切れ次第CLOSEするそうで、上部にある電光掲示板のような看板が点灯している時は、まだケーキがあるとのこと。


店内は、小さなショーケースがひとつあるだけで、2~3人しか入れないほど狭い。
私が行った時は、看板は点灯していたものの、ほとんど売り切れており、ひとつだけ残っていたロールケーキ(木苺風味のチーズロール)を買ってきた。


ロールケーキは配偶者へのお土産とし、今度は自分への御褒美(爆)として焼酎を買いに行った。
唐津市相知町にある小松酒造。


清酒「万齢(まんれい)」の醸造元で、江戸時代末期創業の老舗蔵。
過去において新酒鑑評会の常連と言われるほどの輝かしい成績を収めていたが、訳あって一度酒造りを休造しなくてはならない事態になった。
そんな折、証券会社勤めのサラリーマンだった長男・大祐氏が会社勤めを辞め、平成7年に酒造りを再開。
製造再開から3年後の平成10には福岡国税局主催の鑑評会で見事に金賞を受賞。
同時に焼酎造りも持ち前の探究心で製造技術を高め、市場から高い評価の米焼酎と評判となる。

工場の裏に、自宅風の事務所があり、ここで酒と焼酎が買える。


この小松酒造は小さな酒蔵なのだが、ここで造られている「おおち」という純米焼酎は、漫画『美味しんぼ』にも登場したことのある、【米焼酎の森伊蔵】と言われるほどの名品。
お湯割りより、私としてはロックがオススメ。実に旨い。
(背後の山は作礼山)


【Sweets House Labo】の木苺風味のチーズロールも、配偶者からもらって食べたが、とても美味しかった。
今度はもっと早い時間に行って、フルーツロールを買おうと思う。

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