一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

一等三角点【大詫間】と【烏泊山】 …日本一標高の低い一等三角点と、愛の歌…

2011年02月03日 | その他・佐賀県の山
第一問。
日本一標高の高い一等三角点はどこにあるでしょう?
「富士山」
ブー
「北岳」
ブー
正解は、「赤石岳」。
富士山は、二等三角点、
北岳は、三等三角点なんですね。
標高第一位と第二位の山がなぜ一等三角点ではないのか?
そう、一等三角点は、
山の高さを測量するためではなく、
あくまでも地図作成と今後の測量を目的としたものだからなんですね。

では、第二問。
日本一標高の低い一等三角点はどこにあるでしょう?
「……………」
わからない?
実は、佐賀県にあるんです。

【大詫間】(おおだくま)
北緯:33度10分15秒.8884
東経:130度20分28秒.7007
標高:2.28m
補点

これは、国土地理院のHPに記載されています。
ただし、本当の最低標高の一等三角点は、東京都小笠原村南鳥島にある「沖ノ鳥島」なんですね。
ですが、「沖ノ鳥島」の標高は、他の三角点のように東京湾平均海水面を基準にして求められていないので、【大詫間】が最低標高一等三角点として公表されているというワケです。

では、第三問。
佐賀県には、9つの一等三角点があるのですが、
点名が
【防住山】(ぼうじゅさん)、
【烏泊山】(からすとまりやま)、
とは、どこの山でしょう?
これも難しいですね~(笑)
正解は、
【防住山】は、基山、
【烏泊山】は、犬山岳なんです。
点名と山名が違う一等三角点は多く、これは、昔、確かな地図も持たないで調査・測量した技術者がつけたからだそうです。
地元の人からの聞き取りなどでつけた山の名前、位置、文字などに間違いがあり、それがそのまま現在に至っているようです。
面白いですね~

ということで、今日は、一等三角点の【大詫間】と【烏泊山】に行ってきました。
今日の休みは、昼間はずっと用事があり、早朝と夕方しか空き時間がなかった。
早朝に、一等三角点【大詫間】へ、
夕方に、一等三角点【烏泊山】へ向かいました。

まずは一等三角点【大詫間】。
まだ暗いうちに家を出て、車で川副町大詫間へ。
1時間ほどで到着。
太陽が昇りはじめ、幻想的な風景が広がっていました。


一等三角点【大詫間】は、県営土地改良総合整備事業・竣工記念碑の柵内にあります。


石碑の裏側の右隅、


ここが、日本一標高の低い一等三角点です。


三角点の右上に、丸いシールのようなものが張ってあるように見えます。


これは、シールなどではなく、ちゃんと埋め込まれているもので、インテリジェント基準点と言います。
国土地理院によれば、インテリジェント基準点は、測量作業及び基準点維持管理の効率化を目的に、測量の基準点へICタグを設置したものだそうです。
ICタグには、場所情報コード(ucode)、緯度・経度・標高が記録されており、
位置情報がその場で即座に利用できるばかりでなく、
ICタグに対応した測量機器の開発により、
簡便な位置決定作業が可能となったとか。
あまり見かけないインテリジェント基準点だが、これから増えていくのかな?


この後、いくつかの用事を片付け、午後3時過ぎに、一等三角点【烏泊山】へ向かった。
一等三角点【烏泊山】は、先程紹介したように、犬山岳のこと。
わが家から30分もかからずに登山口に着く。
時間がないので、急ぎ足で登って行く。



山頂の犬山城に到着。


一等三角点は、お城の裏手にある。
【烏泊山】(からすとまりやま)
山名:犬山岳(いぬやまだけ)
北緯:33度10分38秒.3441
東経:130度04分28秒.7744
標高:342.04m
補点


立派な一等三角点だ。
こんな小さな山に一等三角点があるなんて、なんだか不思議な感じ。


三角点がある場所からの眺めはこんな感じ。


この後、お城に登り、須古寿司を食べる。
今日は、登る前に、麓にある店で、白石名物の須古寿司を買った。


米どころ・白石町須古地区で作り継がれ、500年以上もの歴史のある郷土食。
ムツゴロウ・椎茸・錦糸卵・奈良漬などを乗せた箱寿司(押し寿司)で、
色とりどりで見た目が華やかなため、祭りや祝事で必ず作られる一品である。
今日は朝からほとんど何も食べていなかったので、美味しかった~


須古寿司を食べながら、遠望を楽しむ。
中央の小山が須古城趾。
その周辺が須古地区。
あの辺りで須古寿司が買えます。


目を左に転ずると、鬼ノ鼻山から聖岳への稜線が見えます。
今日は節分なので、鬼さんたちは、山に避難してるかな?(笑)


お城の下には、歌垣公園がある。
歌垣公園は、古来より、
常陸の筑波山、
摂津の歌垣山とならび、
日本三大歌垣に数えられている。
歌垣とは、
古代、
男女が春と秋に神の棲む山に登り、
歌を詠み交わし、
踊り、
互いに求婚しあったことで、
かの万葉集にも
「あられふる 杵島が岳を険(さか)しみと 草とりかねて 妹(いも)が手をとる」
と詠われている。
白石町では、
古代杵島山で行われた「歌垣」にちなみ、
「愛」をテーマにした短歌を三十一文字コンテストとして、
平成12年より全国から募集している。
特に優秀な歌を末永く後世に伝えていくため、
ここ歌垣公園に、歌碑を建立している。
今日は、その中から、私の心に響いた短歌をいくつか紹介したい。


















ね、なかなか素敵でしょう
今年の募集は、これからのようです。
もしかしたら、あなたの作品が歌碑となって後世に残るかもしれない。
応募してはみてはいかが?

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