一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

多良山系・平谷沢 ……沢を登る楽しさ、水と戯れる喜び、渓を歩く心地よさ……

2010年08月22日 | 山岳会時代の山行
人生に確かなものは少ない。
不確かなものに囲まれて、我々は生活している。
何が虚で、何が実か?
曖昧模糊とした現実の中で、我々はしばし呆然と立ち尽くす。
この世の中に、確実に「これはこれだ」と断言できるものがどれだけあるだろうか?
断言できるものを、我々はどれだけ持っているだろうか?
猛暑の夏、外に出ることもなく冷房の効いた部屋で寝ころんでいるアナタ……
(そうアナタのことです)
そんなアナタは、たぶん何ひとつ所持していないのではないだろうか?
そんなアナタに私は断言する。
「沢登りは楽しい」(コラコラ)

沢登りは楽しい……これは真実である。
「沢登りをしなかったら、人生の最大の楽しみを知らずに死ぬことになる」
……なんて言ったら、ちょっと大袈裟かもしれないが、かなり真実に近い。
山登りはするけど、沢登りはどうも……という人は多い。
かくいう私もそうであった。
だが、沢登りをやってみると、これほど楽しい遊びはない。
ある人は言う。
「森と渓はふたつでひとつである」と。
だとすれば、森を知って渓を知らないとすれば、それは山の半分しか知らないことになる。
沢沿いの登山道を歩くだけでは、渓の本当の姿を見ることはできない。
沢そのものを登り、渓を歩き、水と戯れなければ、けっして知ることはできないのだ。

からつ労山の8月の月例山行は、毎年、佐賀労山との合同で、沢登りが行われる。
今年は、多良山系の「平谷沢」。
(今年も沢組と丘組が用意されていて、丘組は、黒木からつげ尾を経て経ヶ岳へ登り、平谷登山口に下山するコース)
多良山系には素晴らしい沢がたくさんあるが、そのほとんどが長崎県側にある。
佐賀県側には数えるほどしかない。
その数少ない佐賀県側の沢の代表格が平谷沢である。

平谷沢は、その名の通り、平谷キャンプ場から入渓する沢。
午前8時に平谷キャンプ場の駐車場に集合。
唐津からのメンバーは2台の車に分乗して到着。
私は単独で乗り付けた。
からつ労山の参加者は14名(沢組5名、丘組9名)。
ほどなく佐賀労山のメンバーもマイクロバスで到着した。
その中に、私のブログの愛読者であるyukorinさんが……
半年ぶりの再会に嬉しくなる。

出発準備。
私は、今回、新しく買った、
モンベルのサワーシューズ・ロング(地下足袋とわらじの利点を併せ持つ沢登り用のシューズ)、
ブラックダイヤモンドのヘルメット、
を装着。(ウッシッシ
準備ができたところで、佐賀労山の辻会長より、平谷沢についての説明および注意事項の確認があった。



8:45 入渓。


この平谷沢の水は美しいことで知られている。
透明度抜群!


100mほど進んだところで、5mほどの滝に遭遇。


右から高巻くことができるが、滝を果敢に攻める者も……
今回、沢組の方に、からつ労山からは女性の参加者はいなかったが、佐賀労山からは大勢の女性が参加していた。


おや、下から登ってくるのは……


yukorinさんではないですか!


「おっ、スゴイ、スゴイ!」


必死に岩にくらいつく。


そして登っちゃいました~
お淑やかな感じの女性だが、本当はお転婆かも?(笑)
yukorinさん、タダモノではない。


5mの滝を過ぎても、小さな滝が次々現れる。


皆、楽しそうに登っていく。


ここでもyukorinさん、果敢にアタック。


「う~ん、素晴らしい!」


水の中では、童心に還って、大はしゃぎ。


水の中は、気持ちイイ~


沢登りだから、わざと水のあるところを歩きます。
これが楽しい~


木漏れ日が岩肌を輝かせる。


平谷沢は本当に美しく素晴らしい沢だ。


沢を登る楽しさ、


水と戯れる喜び、


渓を歩く心地よさ、


ここは、沢登りをする者だけが見ることのできる世界。


滝を登る幸せ、


滝を見下ろす幸せ。


この至福の時間が永遠に続けばいいのに……


砂防堤の穴が、なんだか人の顔(目と口)に見える。(笑)


砂防堤を高巻き、砂防堤の上から下を見る。


この土管が現れると、沢登りもフィニッシュ。


11:20 林道に出て、ここで昼食。
冷えた体に、カップ麺の温かさが染みました。


傍らに、ツリフネソウが……


12:00 下山開始。
沢登りの余韻を楽しみながら、ゆっくり下っていった。


12:43 平谷キャンプ場に到着。


こうして、楽しい、楽しい、沢登りが終わった。
佐賀労山の皆さん、ありがとうございました。
また来年も楽しみに待ってま~す。

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