MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ディバイナー 戦禍に光を求めて』

2016-04-28 00:14:02 | goo映画レビュー

原題:『The Water Diviner』
監督:ラッセル・クロウ
脚本:アンドリュー・ナイト/アンドリュー・アナスタシオス
撮影:アンドリュー・レスニー
出演:ラッセル・クロウ/オルガ・キュリレンコ/ジェイ・コートニー/ユルマズ・エルドラン
2014年/オーストラリア・アメリカ

その実力が発揮しきれていない「占い」について

 作品の冒頭は1915年12月20日のオスマン帝国のガリポリ半島の様子が映され、オスマン帝国軍がオーストラリアとニュージーランドを含む連合国軍が完全に撤退したことを確認するところから始まる。
 それから4年後、アーサー、エドワード、ヘンリーの3人の息子を戦死で失った、主人公のオーストラリア人の「占い棒による水脈の予測者(The Water Diviner)」であるジョシュア・コナーが新しい水脈を発見していた。それはラストの「脱出シーン」の伏線となる映像だったとは思うが、その脱出口はコナーが発見したわけではないので伏線としては弱いと思う。
 「占い」つながりで言えば、コナーがアーサーを探しにギリシア軍が占拠している場所に向かう際に、泊まっていたホテルを営んでいたアイシェがコーヒー占いをする。そしてアーサーを連れて戻って来たコナーにアイシェは黙ってコーヒーを出すのであるが、それはコーヒー豆が大量に入れられたコーヒーでその苦さにコナー驚く。しかし最初のコーヒー占いが「甘かった」のか「苦かった」のか内容が不明瞭でここでも伏線が活かされていないと思う。
 結果的に本作はタイトルにも含まれている肝心の「占い」のシーンが上手くいっておらず、「ガリポリの戦い(Gallipoli Campaign)」という史実を知る以外に映画としての魅力は欠けているように思う。


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