MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『仮面ライダー1号』

2016-04-29 00:08:17 | goo映画レビュー

原題:『仮面ライダー1号』
監督:金田治
脚本:井上敏樹
撮影:倉田幸治
出演:藤岡弘、/西銘駿/山本涼介/岡本夏美/阿部力/長澤奈央/武田幸三/竹中直人/大杉漣
2016年/日本

「重すぎる」仮面ライダーについて

 舞台設定は2016年3月である。45年前に主人公の本郷猛は悪の秘密結社であるショッカーによって改造人間、仮面ライダー1号になったのである。演じている藤岡弘、と同い年ならば本郷猛は当時25歳で、今は70歳である。
 仮面ライダーが高齢であることに問題はないのであるが、70歳の男が高校生の立花麻由に「猛」と下の名前で呼ばれていることにはどうしても違和感が拭えない。高校の授業で命の大切さを語るなど本郷猛の真面目さが表に出れば出るほどその違和感が膨張していき、ラストにおいても一席ぶっており本郷猛と立花麻由のカップリングに齟齬をきたしてしまう。とにかく身も心も重いのであるが、だからといって竹中直人の渾身のギャグが物語の緩衝材になっているわけではない。
 『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』(金田治監督 2015年)でも「ダヴィンチ」「ラファエロ」「ミケランジェロ」「ルネサンス」などの言葉が出てきたが、本作においてもアレクサンダー大王の力を宿すらしい「アレクサンダー眼魂」が出てきたり、ウルガが設立した会社が「Shocker Nova Co., Ltd.」という名称で「ニュー(new)」ではなく「ノヴァ(nova)」というラテン語が使われているところなどどうやら仮面ライダーシリーズにおいてヨーロッパの文化が流行しているらしい。


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