2010年1月10日(日)、富士スピードウェイにて行われた「スーパーママチャリグランプリ」に参戦してきた。
富士スピードウェイの国際レーシングコースを使って、ママチャリオンリーで7時間耐久レースをやってしまおうという、何とも楽しそうな、そして単純明快で敷居の低いレース。
主催は富士スピードウェイのカートコースで、年間シリーズ戦の第1戦と第2戦はカートコースで6時間耐久で行われているようだ。そして最終戦はレーシングコースでの7時間耐久となっている。
これが異常に人気のあるイベントで、第1回目(一昨年)は気がついたときには受付終了でキャンセル待ち状態、第2回目も9月頃に申し込もうと思ったら、既に受付終了。
今回は気合を入れて受付開始日にエントリーしてやった。
エントリーは日を追う毎にどんどん増えて、最終的には1300チーム超え! 選手数だけで1万人、来場者数ではその数倍になるのではというビッグイベントとなった。
さてさて、普通に参加するだけでも非常に楽しいはずだが、名門チームである田中麗震愚が、簡単に埋没するわけには行くまい。
そして、俺自身の工作技術、アイディアや企画力を試すためにも、特別賞を狙う必要がある。
アイディアは幾つかあった。しかし時間的な問題(5日くらいしか無かった)、最低限の走行性能の維持などを考えて、我らが地元の名物である「金シャチ」を製作する事としたのであった。
単純に笑いをとるだけであれば、もっとイージーなアイディアはいくらでもあった。
だが俺としては、それ以上に製作技術を評価していただく必要性と、何かしらの「ヒネリ」のある企画を求めていた。
時間不足で全てを実行できなかったものの、田中麗震愚がどこの地区出身なのかすぐに判るでしょ?
余談だが、田中麗震愚には実は「名古屋市民」は一人しかいないのは、ヒミツだ。
さてさて、時間を勘違いしていたペドロサ氏以外は、前日9日の20時前に集合。
ペドロサ氏の名誉のために書き加えると、俺が「20時」ではなく「8時」と掲示板に書き込んだために、混乱を招いたようだ。
元々はおでんの具材を事前に買出しし、袋井IC付近で我々の到着を待って待機する事を切望されていたペドロサ氏。
10日の朝に自走で現地に向かって合流・・・を主張する彼を必死の思いで説得し、晴れて6名揃っての現地入りとなったのであった。
事前情報から判断すると、10日に日付の変わった未明の2時頃以降、常識を超える混雑が予想されていた。
0時半頃に大した渋滞もなく現地の駐車場に入った我々であったが、ピットエリアとパドックエリアは、既に先着チームのテントで埋め尽くされ、しばらく路頭に迷う羽目となってしまった。
ピットでは火気使用厳禁なので、別途パドックの確保も必要になる。ピットとパドック、駐車場の3箇所を最小の三角形とするためには、前日入りが必須のようだ。
爆睡するN目君、N皮君、ペドロサ氏を尻目に、車とパドック、ピット間を何往復もして荷物を搬入。
「マシンの最終チェック」と称して金シャチ号を乗り回す世界の田中代表。
結局Jロウさんと田中代表、俺はほとんど眠れぬ内に夜が明けてしまった。
金シャチをセットしたマシンをピットに運び込むと、人々の視線が集中。
どんなシチュエーションでも、女の子に「すご~~い!!」と言われるのは、エロいオヤジとしてはとても嬉しい。
ちなみに金シャチは躯体はダンボール、ウロコはボール紙。その他の造形は発泡樹脂。万一の雨天に備えて、塗料で防水処理を施した。金色はメッキ調の塗料である。
ゼッケンは田中麗震愚伝統の、漢数字(他にもいるのでは・・・と思っていたが、ウチだけ)。こちらもカマボコ立体の文字採用。まあ、俺はプロなんで・・・。
加えてピットボードもかなりの注目を浴びており、眉間に皺を寄せた人々が暫く凝視する場面が多く見受けられた。
さてさて、流れでスタート担当となった俺。
事前情報から判断して「1周15分程度を目安にで2周で交代」と伝えておいた。
混雑するスターティンググリッドでメンバーとはぐれて軽く遭難しつつも、予定通り8時ちょうどのブルーシグナルでスタート。
他車と接触して金シャチを壊さないようにゆっくりと走る。
前半は概ね下り坂なのでほとんど漕ぐ必要はない。しかし自転車の性能の差は大きいらしく、どんどん抜かれてしまう。BAAマークの無い¥7980の自転車は、ポテンシャルが低いようだ。
スピードレンジが低いので第2コーナーや100Rはほとんどコーナーに感じない。
ダンロップを過ぎると登り坂が始まる。半数が自転車を降りて押し歩きを始めたが、俺はそのまま漕ぎ続けてやった。
するとプリウスコーナーを過ぎ、パナソニックコーナーも過ぎて・・・アレ、もう終わり? 意外と楽ですな。
そのまま1.7kmのホームストレートを過ぎる。予定通り15分ピッタリだ。メンバーがコースサイドで応援しているのを探すが、いない。
寂し~い・・・。
そしてもう1周してピットイン。この周回も予定通り15分。
誰かが田中代表ご尊顔ピットボードを掲げているはずだ。探す・・・いない!
指定ピット位置の正面で止まってキョロキョロしていたら、ヘルメットすらかぶっていないT中代表が走ってきた。
「ええっ!? 準備してないの? くっそ~、もう1周行ってくるわ!」
若干キレ気味で再スタート。
しかし連続3周はちょっとキツい。
結局他のメンバーは、何故かピットにはおらず、全員パドックでくつろいでいた。おまけに俺のお茶を無断で飲みやがるし(怒)。
ある程度ユルくやるべきだとは思うが、ピットに誰もいないのはちょっとキビシイ(苦笑)
その後は交代もスムーズ。金シャチは実況室からも注目を浴びているようだ。
我々のパドックの食事は、田中代表にちなんで「おでん」。
3時間半経過前にまた俺にローテーションが帰ってきてしまったので、また3周。写真と動画も撮ってみた。
今回は田中代表もちゃんとヘルメットをかぶって準備していて下さるようで、何よりです。
速いところはメチャクチャ速くて、俺の中ではママチャリにカテゴライズできない車両もチラホラ。
仮装したり、自転車に装飾したりしてるチームが多い。痛チャリ、ガンダム系、をはじめとしたアニメ系が多かった。
我らが金シャチも走行中に声を掛けられたり、写真を撮られたり。
老眼の進行が著しい俺は、中間リザルトを表示しているモニターの文字が読めず、途中経過は分からない。
二巡のローテーションで終わりにする予定。アンカーである軟弱なペドロサ氏の負担低減するため、4周の連続走行するN皮君。
さすがチャリ通勤しているだけの事はある。
最終的には1301チーム中799位という微妙な結果でペドロサ氏がゴール。
トップは48周(平均8分45秒)も走ったそうだ。
トロフィー(参加賞的に全チームがもらえる)を受け取るために並んでいると、場内放送で田中麗震愚が呼び出されている。
どうやら特別賞のようだぞ!
車に設備類を片付けに行ったメンバーに電話して(繋がり難い)、金シャチ持参で会場に戻るように伝える。
表彰者の控え室。
ところが、田中代表だけ来ないのよ。表彰者控え室に入る前に突然行方不明になったらしい!
順番に表彰台に呼び出されていく。もう田中代表は間に合わない・・・皆がそう諦めかけた頃、光る額がドアの向こうから現れた! 田中代表だ!
何でも一人で勝手に勘違いして、別の方向へ向かったとの事。
我々は、金シャチに加えて田中代表ご尊顔ピットボードも評価されて、「ベストパフォーマンス賞」に選ばれた。
が、優勝ではなく、2位との事。くっそ~・・・。ライダーの服装などの統一性がマイナス要因となったのかもしれない。
全員がこんなカンジにしておけば、優勝できたかも・・・。
※全く関係の無い通りがかりの人w
何はともあれ、田中麗震愚、遂に国際レーシングコースの表彰台に立つ!
帰りは酷い渋滞。
むりやり引きずり出された感のある他メンバーも、「来年」の話をしていた。
たくさん撮った写真と動画は次回。