クライマーズ・ハイ（横山秀夫）

横山秀夫の作品で、どれが素晴らしいかと聞くと、必ず、
あげられる作品の一つが、この「クライマーズ・ハイ」との
ことだ。

 

実は、それ以外の３作品は読んでいて、その中では、
前回読んだ短編集、「第三の時効」が最高だと思っていた。

 

しかし、この「クライマーズ・ハイ」も比較できないが、負けていない。

 

1985年の日航機墜落事故を元に、当時新聞記者であった筆者
の分身とも言える新聞記者が主人公として描かれる。したがって、
その息遣い、熱気が、感じ取れた。

しかし、人間を描くということは、こういうことなのかと思える、

本当に素晴らしい作品だ。

 

何が、感動させられるのか。死と生のはざまで、ぎりぎりのところ
を生きる姿だろうか。生きていく意味だろうか。人間と人間の
つながりだろうか。

 

いろいろ考えさせられるのだが、答えは出てこない。しかし、最後の
さわやかな終わり方が、答えは無用だと言っているようにも思える。

最近、「６４」という新作が、出て、素晴らしいとのことだが、
ぜひ、いつか読んでみたいものだ。図書館の予約待ちリストで、
４００番というとんでもない人気だ。

応援よろしくお願いします。