ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

将棋の子

2018年03月31日 | 将棋はミステリー

「聖の青春」を書いた大崎氏の「将棋の子」を読んでみた。

将棋のプロになるには、奨励会に入って四段にならなければ
ならない。

しかし、26歳という年齢制限があり、夢破れて奨励会を退会
していった若者を描いたものだ。

 何人もの登場人物が出てきて、それぞれのストーリーが語られるが、
主人公である成田氏の人生は壮絶と言えるかもしれない。

羽生世代のような強い棋士が一時期にたくさん出てくると、当然、競争の激化
となり、プロ棋士になれなくなり、挫折感を味わう。

もちろん、将棋に限ったことではない。野球や相撲などのプロスポーツでも
レギュラーに上がれるもの、十両以上に上がれるものはわずかである。

成田氏の場合、両親の病死や、失業などが何重にも重なる。

もちろん、本人の中に、どこか、甘えのようなものもあったのだろう。

それにしても、著者の大崎氏のようなやさしい目を持った方がいるから、
救われるものもいるのだろう。

将棋は厳しさの中にも優しさを教えてくれるもの。という解説の森棋士の
言葉が光る。

 


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