ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

未踏蜂(笹本稜平)

2018年09月16日 | 山はミステリー

「未踏蜂」という題の山岳小説は他にもあるようだが、この作品は、
ちょっと違う。

何が、違うかというと、未踏蜂に登山することが主題ではないからだ。

それぞれに問題がある三人が、自分の生きる場所を求めて、山小屋に
住み込みで働くようになる。

そこの主人は、元、世界的な登山家であり、彼らと一緒に
ビンティチュリという6000m級の未踏蜂にチャレンジするための
訓練をする。

しかし、山小屋の主人は、火災に巻き込まれ亡くなってしまう。

冬の富士山など厳しい訓練はしてはいても、リーダーを失った3人は、
予定通り、ヒマラヤの未踏蜂に彼らだけで挑戦するのだろうか?

彼らの抱えている問題は、一般社会で普通に生活することすら難しいものだ。
普通なら、無理だろうと思うところだが、克服してチャレンジする。

最後の解説でも、笹本作品の中で、もっともすがすがしい青さをたたえている。
とあるが、その通りだ。

しかし、今までにないこの青い読後感は悪くないから不思議だ。

 

 


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