ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

高村薫と西村京太郎

2007年08月18日 | 国内ミステリー
実は、和書では、国内ミステリーも海外ミステリーも6年間読んでいない。
だから、ちょっと、日本語が変かも知れません。了承ください。

読んでいた時、国内ミステリーの中では、高村薫に心酔していた。
高村薫も私のミステリーとの出会いにおいて重要な作家だ。

一方、もう少し肩の力を抜いて楽しめる作家として、西村京太郎も結構、
好きだった。その2人の好きな作品を紹介します。


①レデイー・ジョーカー

主人公は、マークスの山等から続いている合田雄一郎である。高村 薫の作品
の中では、初めて読んだマークスの山の印象が非常に強く、その後、高村 薫
の作品をほとんど読んでいる。
1998年の国内のミステリー部門で、ぶっちぎりのベスト1に選ばれた作品
である。

期待に十分答えたと言える読み応えのある作品ではあったが、その一方で、
何ともやりきれなさが残った作品でもあった。いまだに解決されない”グリコ
・森永事件”をモデルにした作品であるが、その事件の中で、組織と個の狭間
で、色々な判断をしながら、決別しようと喘ぎながら、結局、何も変わらない
やりきれなさではないか。

警察の不祥事がテレビを騒がれているが、まさにその同じ危うさが描かれている
のである。この作品の中で、作者は、何を言いたいのだろう。
なぜ、こうした結末で終わってしまったのだろう。

②南神威島

西川京太郎の初期の自家製本した短編集の文庫版。それぞれに珠玉の作品集と
いえるものばかりで、読んでてうれしく感じた。

南神威島:
幻奇島に通じるものがあるが、短編の切り口の鋭さを感じた。

幻想の夏:
透明な小説。

手を拍く猿:
これが一番気に入った作品かも知れない。推理小説とは言えないが、何か
違う世界を身近な世界で描いている。

カードの城:
これも、結構気に入った。動機なき殺人が主題のような気もするが、読後に
不自然さがなかったのが不思議だ。

刑事:
暗い小説だった。これで小説になるのかという気もするが、西川京太郎
の文体だから、許せる気がする。


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