ひさびさの高村薫の新作だ。
高村薫は、私がミステリーにはまった作家の一人だ。
ミステリーというジャンルにはめ込むことのできない
上質の作品を書く。
今回、図書館で予約したが、100人以上待ちだった。
やっと、順番が回ってきたが、延長ができないということで、
一気に読みとおした。
しかし、下巻もやっぱし、100人以上待ちなので、
いつになるかわからない。それでも、20冊弱が回転
しているようなので、実際には、5-6人待ちくらいかも
知れない。
さて、久々の高村薫だが、ちょっと、昔読んだのと少し、
違う印象を持った。主人公は、懐かしい合田刑事だが、
自分が動くのではなく、指示を与える立場になっている。
冷血という題名なだけに、極悪非道、血も涙もないような
殺人の物語なのだが、何と、上巻が終わるころには、
犯人もわかり、逮捕されてしまうのだ。
あまり、ネタばれになるので、言えないが、さて、下巻は
何の話になるのだろうと心配してしまう。
ただ、緻密さや構成、盛り上がる時のスピード感など、
どれひとつとっても一級品と言える。
しかし、高村薫の作品には、何らかのメッセージを期待
してしまう。下巻では、それを感じることができるのだろうか。
いつになるかわからないが、下巻が待ち遠しいものだ。
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