ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

警官の血(佐々木譲)

2021年03月09日 | 国内ミステリー

読売新聞の書評欄で薦められていた佐々木譲の「警官の血」を読んだ。

最近、新聞などの書評欄なども気を付けるようになった。

まだ、読んだことのない魅力のある作家が、いかにたくさんいることか。

この作品も、中々、面白く読めた。

親子三代にわたる警察官の物語だ。ミステリー史に刻む警察小説とも
裏表紙に書かれている。

普通、親子三代とかの物語だと、結構、ドラマチックな展開が予想される。

しかし、この物語は、ちょっと、変わっている。

祖父は、交番の駐在員だが、火事のあった日に、持ち場を離れて、
自殺か事故か(はたまた、他殺か)で、線路に落ちてなくなる。

これが、この物語の核になる謎となる。

そして、父は、どうしても、祖父と同じ駐在員になろうとする。
しかし、なったあとすぐに、立てこもり犯の人質の女の子を
助けようとして、殉職する。

そして、子供も、警官になるが、駐在員にはなろうとしないが、
祖父や父の死に疑問をもつ。

父は、公安として、学生運動のスパイになったり、子供も、
警察の上司の不正を捜査するなど、上記、駐在員とは、極端に
離れた特殊な任務に就くのが、ドラマチックといえばドラマチック
かも知れない。


 

 


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