山岳ミステリーの金字塔と書かれているのだから、
読まないわけにいかない。
新田次郎の推理小説、また、「チンネ」という言葉に
ひきつけられて、この本を選んだ。
昭和33年の作品というから、氷壁より古いくらいの
作品なのに驚いた。
独創的だ。何しろ、3章ごとに山男が死んでいくのだ。
その3人には、美しい山女がからんでくる。もしかしたら、
最近の山ガールの先駆けかもしれない。
また、当初、事故死と見せかけるが、殺人とわかり、
犯人も山で自殺していくのだ。
したがって、合計、6人の山男が死ぬことになる。
もっと、驚いたのが、殺人の道具が、科学的なのだ。
全編に出てくる言葉に、「登山家に悪人なんかいない。」
というのだ。これを否定するかのように上記殺人が起きて
いくのだ。
正直言って、極限の登山の描写がなければ、やや、陳腐とも
思える設定、ストーリーと言えなくない。
ただ、その発想は、やはり、金字塔かも知れない。
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