ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

宮部みゆき(理由)

2007年12月30日 | 国内ミステリー
宮部みゆきの直木賞に輝いた最高傑作とも
言われる『理由』を読了した。

今年最後のミステリーにふさわしい重厚な
作品だった。

600ページ以上の大作であり、前に読んだ
『火車』に通じるものを感じた。
テーマがしっかりしているのだ。
テーマは、家族だと思う。

何組もの家族の歴史が描かれている。
読んでいる最中には、むしろ、何で、ここまで
たくさんの家族のことを書くのだろう。
と不思議に感じるくらいだった。

だが、読み終えて、やはり、それだけ、何組もの
家族を書かざるおえなかったのだ。なぜなら、
テーマは、家族であり、一組の家族だけを
書けば、済むというものではないからだ。

ここまで、書くと、まさに人間ドラマのように
感じるが、練りに練ったプロットが構築されて
いる。又、宮部みゆきらしい子供が重要な
役割を持っている。
それぞれの家族に子供がいるのだ。

非常に挑戦的な作品だと思う。

ミステリーと人間ドラマの融合のような作品
だった。読み終えて、この作品に対する自分
の評価について、考えがまとまらない。
ただ、この作品が、最高傑作を言われる理由は、
わかるような気がする。

いい人がところどころに出てくるところが、
たとえ、残忍な殺人事件があるにも関わらず、
救いになっている。


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