日中一日、家にいるのも不適切と思い空模様を確かめて外に出た。景色も随分と春めいている。木々も緑は見えないが枝を通して見えていた背景の山が見えなくなっている。
近くで小枝を掴んで確認しても、それほど肥大している感じはなかったが数が集まるとすごいものだ。
雨上がりの河は増水していて堰の音は大きいが、中州には緑の塊が増している。水辺によっても水鳥の姿を見ても冬とは違い親近感がある。
途中で会った若いパパ、幼子を背負い散歩の様子だった。珍しい格好だったので微笑みながらみていたら愕然とした。パパとしてはサービスそのものだったろうが、左手のケータイを肩の辺りに掲げワンセグTVを子の眼前に保持していたのだった。胸が更に痛くなった。
痛いといえば、痛みが来るから横になれない。若い頃、夜行列車で山に行った以来の座位での夜明かしだ。この歳で夜行列車を再現するなんて思わなかった。
風は冷たくても季節は確実に春を告げているが、小生の春はささやかだ。