『春きたる胸の痛みに耐えかねて想い焦がれし外科の白服』
『肋骨の一本折れて起居不自由咳の一つで半日泣きぬ』
『胸の骨折れて所在の無かりけり家に場所無し氷雨の外も』
『咳払いくしゃみも押さえただ単座電波の寄席も耳にうるさき』
『胸押さえ摺り足でいく土手の道散歩なれども人振り返り』