トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

アオムシに作業止められ手ぶらかな

2018-08-02 | 小父のお隣さん
 水見回りするたびに気になっていた二つ池の葦抜去作業を始めた。越境作業になるけれど無断で入り込み領有を主張するような無体はしていない。整備補修は了解事項である。

 葦は絶える事無く発生し成長してくる。主役のMさんも除草をするのだが刈り取りが主で抜去は行わない。「抜去しなくては衰退しない」と思っていても端的部外者の小生の言うべき言葉でもなく、そもそもMさんは御年86歳になったはずだ。
 初夏の頃、刈り払いしてあったが、結果として本数を増やしてしまった。

 成長盛りに向かい、これ以上の繁茂を抑えたいから抜去に入った。スコップを杖代わりに足を抜きつつ移動し、スコップを突き立て地下茎もろとも浮き上がらせ引き抜くのだが、葦の地下茎は硬い基盤層を走っている事がほとんどで「芋蔓式」とはいかない。
 それでも株元と多少なりとも地下茎を外せれば抑制にはなる。そもそも葦の地下茎は漏水の最大要因と言って良く、水系では「親の仇、目の敵」と認識している。放置されて以降の葦繁殖の結果、水辺漏水の隠れた要因トップを維持したままなのだ。

 その葦を抜き取って残り半分になった頃に目が止まった。クロコノマチョウの幼虫多数がいたのである。抜去しようか先送りしようか迷ったが、一か月くらいの先送りでも支障は無いだろうと抜去中止となった。
 クロコノマチョウの幼虫は「ススキ」が食草と思っていたけれど「葦も喰らうのか…」と我が身の無知を垣間見てしまった。図鑑を開いたら食草は「ススキ・アシ・ジュズダマ」とあった。もう「ヘェー」である。ちなみに屁はしていない…。

 沢水で泥だらけの顔と腕、ゴム手袋を洗い、上半身を清拭した時に、焼け糞で手ブラをしてみたのだが勿論、ヤンヤの喝采のあるはずもなく山野の中の独り芝居では面白くも何ともなかった…。
 それより成熟した幼虫の黒い仮面を被ったような頭部の方が美しくも楽しい。このデザインは好きで仮面舞踏会でも行くようなアバンギャルドな趣きがある。