
カマキリがバッタ類を捕食している場面では「ガリガリ」と外殻を噛み砕く音が普通に聞こえるし、アオダイショウが大カエルを飲み込もうと必死な場面でも、当のカエルの涼やかで従容な表情が胸を熱くさせる。「カエルでさえ悟りの境地に至るのか…」と恥じ入るばかりだ。
この日、巡回コースの途中だからアカボシゴマダラの幼虫が生息するエノキのひこばえに寄った。新たな蛹を見出したが、カマキリが幼虫を食べている途中にも出くわしてしまった。既に頭部は崩れて二本の角は黒く体液にまみれていた。あの特徴的な角があるからこそアカボシゴマダラの幼虫であると確認できる。
カマキリは「動くものに飛びつく」と理解しているから、普段は葉と同化したかのように動かない幼虫をどうして見出したのだろうか。葉を食べる活動中に捕食された可能性を思い浮かべるが、日中の動きを見た事の無い幼虫では暗い時間帯の食事になるだろうが、カマキリは夜目が利くのかどうか小生は知らないのだ。
カマキリにとっては当たり前の反応でも、あの三角顔と視線が合えば「ごめん!」と思ってしまう威圧感がある。まあ、否応なく小生の胆力や器量の小ささを実感する時でもある。