トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

国光を収穫、傷物はジャムに

2018-09-08 | 何よりの楽しみ
 不揃いのリンゴたち      これは食害の様子。今期は吸汁被害は少なかった
 庭の国光、落果が始まった。これ以上樹上に置いても傷むだけだから全て収穫する。既に三分の一は落下していて、傷んだところを切り分けて食べていたが、そうそう食べ切れるもので無し。
 人に譲っても構わないけれど、薬剤も袋かけもしないで育ったリンゴは見た目も随分悪いのである。虫害を受けていない果実でも肌目はシミも目立つ荒れ肌で、喜ばれそうにもないのである。
 国光なので固く酸味が多い品種で、ジャムやコンポート、焼き林檎、あるいはパイなどに使うと美味しさ倍増と小生的には思っていても、まず見た目から入る都会人には無理があろう。

 てなもんや三度笠で、傷みが激しく長持ちしそうもない玉からジャムを作る事にした。傷があっても傷みの進行が遅れる様な玉は生食にまわす。
 傷んだところを切り外す事小一時間、2.3kgの果肉が用意でき廃棄率は60%程度だった。当初はジャム2kgも必要ないからペーストで冷凍保存し、折々に使いまわせば良いと考えたけれど、圧力鍋で加圧加工した事で果汁を取りだし易く全量ジャムになった。

 圧力鍋では加圧加熱する事でペースト化を早め舌触りを良くする。砂糖を加えていない事で加熱後に出る果汁を分離できるから、煮詰める手間も省けると皮算用したのである。加熱加圧後、笊にあけて果汁を分離する。結果として2.3㎏の果肉が1.1㎏になった。
 分離した果汁は約1.5ℓほどで、捨て始めて「アッ!」と思い、糖度を図ったら9度は有るではないか。口に含んだら甘くジューシーなのである。まあ、あったり前であるが捨てるには惜しく、炭酸と合わせて飲めば美味しさ倍増のはず…。という事で半分を確保する。
 果汁を分離計測 ➡   果汁と糖度計     計測糖度

 砂糖は300g程度しか家に無く、糖度30%前後のリンゴジャムとなった。砂糖でなくオリゴ糖を使用して試食用に作りかったけれど、砂糖と異なり保存性が不明だし、甘みもならず、1日スプーン2杯程度の使用上限があるのでジャムには不向きかと取り止めた。
 しかしまだ国光は有るから100g程度をオリゴ糖でと黒糖で作ってみたい。酸味が美味しいジャムと濃厚な黒ジャムが出来るはずだ。

 ジャムは出来たが付けるパンが無い。夕食前から作業を始めたから夕食は在り合わせで、食パン2枚にジャム無しで寂しい。たらこペーストを塗り食す。おかずはセロリの甘酢漬けとピーマンを刻んだ卵の厚焼き。ジャム作りでジャム無しのパンを食べる羽目になるとは…。でも結果オーライで口当たり滑らかの酸味爽やか甘味控えめの国光ジャム出来上がり。
 パンだけでなく、英国風に紅茶に加えても溶解しやすい性状である。これぞグルメの極致であろう。食べたいものを食べたいように自ら作るのは、労多くても大切な課業である。