トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

厄介な藪化した崖地

2018-09-19 | 今日は真面目に
 北の段刈り払いの仕上げ、突端部の両脇の崖が最大の難所だ。足場を取りにくい事は作業の安全にかかわる事なのだが、これは時間をかけ慎重に進めれば終る問題で、厄介なのは地理的物理的要素より生物的要素にある。

 斜面にはオオスズメバチが営巣する事が多く、いったん襲われると足場の悪さから避難が遅れやすいのである。まだこの斜面でオオスズメバチに襲われた実績はないのだがクロスズメバチ、いわゆるジバチには2回の被害を被っている。
 移動したり体を確保するための足場を踏み固める体制で、身の確保のため根株を握ったときに被害にあった。長袖で皮手袋もし、素肌の露出はなくとも手袋の隙間から侵入して手首を刺されるのだ。

 クロスズメバチは小型で色合いも黒く飛翔には気付き難いハチである。このハチに刺される被害は軽微であるもののオオスズメバチではそうはいかない。慌てれば重大事故にもなりかねない危険がある。と、まあ、そんな心持で作業を開始するのが藪化した崖地の刈り払いだ。
   ➡    東斜面 

 西側斜面の崖は崖下に樹木が多く、崖下が池の東側斜面より藪化が激しい。そのため崖下から造林鎌が届く高さまで根元から刈り取り、崖の中央部に位置を変え鎌で引き伐りし、崖の上部から肩の部分を撫で掃う三段刈りとなった。
 上部からススキがしなだれ、その上をクズの蔓が蔽っている有様で内部の様子はようとして分からない。スズメバチの飛翔や羽音に注意も向けなければならないのに斜面での足場は悪く、スパイク付きの地下足袋でも四苦八苦の場所である。
 
 こんな場所で刈り払い機を肩にかけての作業は動きが更に遅れてしまう。造林鎌なら杖代わりに逃げられるのだ。作業中盤にスズメバチの羽音に気付いたが一匹だったし巣に入ろうとする飛行でもなかったので秋波を送り続けて見送った。どうも越冬場所を探していたような素振りだったのだが早すぎる。無難に見えたが立見席ですっかり意欲消沈、「また明日」となった。
                 先端部  ➡