トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

トホホな今季…

2018-11-07 | 小父のお隣さん
 帰り仕度をしている足元に現れたのはヤマカガシだった。体長は60㎝程度だからヤマカガシにしては大物である。捕らえて撮影しながらトホホと思っていたのは、この体長が今季最大の蛇になるだろうと言う事だった。

 今季見たのはヒバカリ、マムシ、そしてヤマカガシだけだった。マムシと今回の個体を除けばどれも幼体と言わなければならない個体ばかりである。水辺の草むらを歩いても小生がびっくりし恐れをなすような大物との出会いは無かったのである。

 蛇が好みではないけれど、ヘビの居る草地や水辺は環境の指標としても大事だと心に留めているので出会いがないのは「環境劣化」と思ってしまうのである。
 恐らく原因の最たるものは「猪の跋扈蹂躙」に間違いなく、低草地や水辺は毎晩のように耕転してくれているのでヘビやカエルの生活は難しいと断言できる。

 何とかして猪に一泡も二泡もかかせたいところなのだが「敵もさる者」馬鹿利口なのだ。先日、猪二匹がダムから脱出できずにいた顛末を省みると、どうして「ご馳走さま!」にしなかったのか、有害鳥獣として国中が大迷惑している今日、数匹程度を食べても影響はないものの、あの対応は苦々しく税金の無駄使いだろうとおもっている。

 思考の多様性は認めるけれど以前、フイールドで捕獲した猪を沢の橋下で解体しているところに来たおばさん達の一人が「こんな残酷な事をして子ども達の教育に悪い!」と息巻いていた事があった。小生、こんな場面だからこそ「実地教育」に有意義ではないかと思ったものだ。

 小生が少年時代の事だと記憶しているが、猪の減少に寄与すると言う触れ込みで「食べさせ腸内で開き引っかかる」形式の小道具が月刊誌に紹介されていた事があった。これは「残酷・虐待」という事でほどなく市場から消えたようだったけれど、猪に限らず有害鳥獣魚の根絶は生半可では太刀打ちできない。
 まあ、一般的に言えば、被害や迷惑の当人でない立場が勝手を言って足を引っ張る構図は古今東西変わらん。

                   

 

**他力本願

2018-11-07 | 温故痴新
我が宿と頼りて長居良しき山花になれるは春をいくとせ
         わが宿と頼まずながら吉野山花になれぬる春もいくとせ       長慶天皇

物想う八十娘子らも踏み惑う枯葉の上のカタクリの花
         もののふの八十娘子らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花    大伴家持

笹の海波かとどろとうねる中カジキのごとく這い渡る我
         伊勢の海磯もとどろに寄せる波恐き人に恋ひ渡るかも        笠女郎

格ばかり冷たく見やる世の中で裏疚しくも棲める付き人
         かくばかり経がたく見ゆる世の中にうらやましくもすめる月かな   藤原高光