トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

命を賭す程の事かい…

2018-11-25 | 小父のお隣さん
 拠点の水槽にカマキリが絡み合って浮いていた。既に息絶えているのだが絶命まで丁々発止とバトルを続けていたのが偲ばれる。
 最初はオスとメスかと思っていたのだが体格が同程度ではオス同士だろうと判断した。生物界のオス同士のバトルやアタックは普段から目にする事ではあるけれど、あえなく両者もろともとなった顛末は珍しい。

 カブトムシなどが樹の幹で組み合いつつ落下するのは悪戯して行ってみた事があるけれど、水の中に落下では「喧嘩両成敗」で終わってしまう。まあ、水中に於いても勝ち負けを譲り合わなかった心意気は認めるけれど「そこまでやっちゃあお終いよ!」そのものである。
 一方で「むべなるかな!」と同情と共感も湧いて「ひと夏の終わり」も否応なく実感するが、冬越ししなければならない生物にとってはこれもまた厳しい季節の到来だ。

 既に師走は目前で、年が明け猛暑の夏はついせんだってと感じられるが、もう暖房を必要とする寒さの中である。「光陰矢の如し」は加齢と共に加速感があり、一方で水槽の中を覗きつつ感慨にふけっていて良いような社会でも世界でもないのは承知なものの、何もなさずとも世界はこのカマキリの状態に近いだろう。いいえ、小事はあっても大事が無いカマキリの世界の方が平穏な事くらいは認識している。