池用の人工産卵床を試作した後、「相模川ふれあい科学館」の人工産卵床のページを見ることが出来た。ここで得たのは「ダミー母貝」となる貝殻を使わなくとも産卵がある、という事実であった。そうとなれば装置の省略が可能で40cm水槽程度でも使える。自宅には水槽が無いので上部フイルター式か縁掛けフイルター式の30cm水槽セットを購入し試作をしてみるつもりだったものの三千円ほど出費せねばならない。小生のところで二カ所の産卵床を試行しても無駄のようにも思えたし、蒸留器の圧力鍋に資本が必要な状況では贅沢は諦めるしかない。
装置へのモヤモヤが収まらないのでフイールドには行かず四苦八苦の末に模式図を作ったのでアップしてみる。産卵床となる容器はキムチの空容器か同等サイズの密閉容器を使う。どちらを購入しても価格は似たようなものなので、使い勝手は蓋が透明で華奢な密閉容器に魅力を感じるけれど、容器そのものは複数用意して取り換える想定だから丈夫なキムチ容器の蓋が望ましいと考える。
一つ気がかりな点があるが、それは「産卵は吐水管に行う」という情報で、俄かに信じられず道理からすれば吸水管に産卵管を吸い込ませて行うのが物理的にも容易だと結論付けているものの俄か細工師では真偽不明で、なにしろ産卵している現場の観察はゼロなのだ。
模式図ではストレート直結にしてあるが、容器の交換をする仕様なので接続はシリコンチューブを使う。産卵量を見ながら容器を交換し、卵はより清潔な環境で生育孵化を待つことになる。この案は小生は製作しないけれど、どなたか実証し稚魚を増やしていただければ幸いだ。既にアップしたダミー母貝方式より簡単に製作できるし費用も既に飼育装置を持っていれば転用が可能であろう。
ただ上部ろ過装置は濾過機能を持たせると稚魚を失うので「底面濾過」か「投げ込み濾過」を加えなければならない。どちらにしても既に飼育セットがあるならば費えは少ない。
集卵容器に直接産卵させる形は「相模川ふれあい科学館」のページから意匠を得たのだが、当方は容器にはチューブを接続しない。前述したように容器は交換する想定なのでチューブなどを接続していると厄介になる。科学館のページには装置の半分は出ていないものの基本形は変わらないだろう。それほど突飛なアイデアは不要だが着想は傾聴に値する。
産卵母貝にならない小さな貝でも産卵できるタナゴがいる環境では小さな貝一個でも産卵させる量は制限しなくて済む。心おきなく産んでもらえるのである。まあ、人間界ではそうはいかん・・・旅ネズミの群れになってしまった。。