まあ、なるべくして成った、と言うのが一番近い。掛かり木になったマキの高木をやってはいけない元玉切りで順次落として、二股になった部分が垂直に立ったまま別れた枝二本が掛かり木となったのだ。ロープを掛け引いてみたものの0.3馬力ではどうにもならず、牽引器は携行してあったが面倒すぎて、結局は二本とも元玉切りをしてしまったのだ。
切断した直後に足に落ちるか、ストンと落ちてから小生の方に倒れるかは予断を許さない状況なので、手前側にV字カットを入れ、向こう側から切り込んでおいて丸太で切断部を鐘つきのごとく一発やってへし折った。荒っぽい作業になったけれど、逃げ道を作りつつ離れた位置から落とすには多少の変則技も必要になってくる。こういうやり方になれると危ない事を平気で行うようになりがちだから、そこは十分戒めつつ行っているつもり。
十分な人材が揃っている訳もない林内作業なので掛かり木となった場合は通常の手続きや作業でも油断は出来ないのだ。ましてや掛かり木の処理ともなれば無い頭を絞って危険回避の算段をするとしても「やってはいけない作業」をやらざるを得ないのは多分に遭遇する。
資料をめくってみても「行ってはいけない危険作業」として幾つか出てくるけれど、危険性の内容は現されていてもそれだけである。小生的には「行ってはならない危険作業・行為」だとしてもやらざるを得ない場合もあるから、その危険を少しでも回避できる算段も示してほしいと思う。まあしかし、そのような説明付きでは「このようにやりなさい」と語るに落ちるか・・・。それでも落としたいのが「掛かり木」である。
掛かり木としないための方策はあるのだが有効な手立てが使える場面ばかりでも無く、生ずる誤差の範囲で掛かってしまう事もある。炉心暴走を食い止めるため人員を投入せざるを得ないのはその典型かもしれない。

➡
掛かった二本の大枝を無事落した