後発酵茶は飲んだことはあるのだが今回は自前で試飲したくて試みる事にした。とは言え気温が下がっているし茶葉も夏至の頃のような壮茶葉ではなく晩秋の熟茶葉では固くて厄介である。それでも来シーズンの適期まで待てなくて手を出したのだがどうなる事やらカチカチ山アブラカタブラサノヨイヨイ・・・。
15号台風の復旧作業を終えての帰宅前に放置樹を枝ごと切り取り持ち帰り自宅の縁台で葉をむしり取る。葉は固く厚めで工夫をしなければならない感じがヒシヒシと伝わる。
セオリー通りに鍋で茹で始めたのだが色合いが出来上がっても葉は固いままである。このままではすり潰しも発酵分解も悪く思えて圧力鍋に変更する。しかしあまり軟化させてもと思いつつ初めてだから加減は分からない。そこは適当、いいえテキトーで済ましたのだ。
通常通り鍋で煮る ➡ 圧力鍋に変更
すり潰し加工は洗濯板が無い。考えあぐねた結果は勝手口のコンクリート台を使う手だったのだが準備しながらハタと気が付いたのは「籾蒔きトレイ」が使える!」と言う事である。トレイの底は平らなのから格子状や四角推の連続面状の物まで数種あった中から四角推様の物を使う事にした。これなら鬼のおろし金風に見えるからすり潰しには良かろう。
茹でた茶葉を広げ両手で揉み潰す。茶葉の葉脈は固くて筋状に現れて来るけれどお構いなしに泡だつまですべてを潰した。
これを容器に圧縮し重しを載せ茹で汁で覆い蓋をする。夏場ならこのままで良いのだろうが既に気温は20℃を下回る。これでは発酵適温27℃には程遠いから念のために保温調理鍋の保温容器内に収めた。これで適温が保たれなければ懐炉を入れる。茹で汁の残りは保存して容器内の汁が減った場合に補充しなければならないのだったが全て捨ててしまった。どうしても必要なら煮汁だけ作ろう。
どちらにしても嫌気性発酵なので容器内に酸素が無くても大丈夫だろう。懐炉は24時間は持たないから取替えの度に発熱するための酸素は入るはずで、茶葉の容器は密閉されて鎮座したままだから影響はなし、てなもんや三度笠。
このまま半月、経過を見てみる。さてどうなる事やら。同じ後発酵茶の「碁石茶」を試作してみるつもりだったのだが作業手順が多くて断念した。阿波晩茶の方が取り組みやすいと考えての試作である。数日、様子見をし温度が上がらないならば量を減じてヨーグルトメーカーで加温して作ることにする。そのための押し蓋と容器に収まる玉石を用意する必要が出て来た。
翌朝、懐炉を加えて一晩、容器内の温度は23℃だったから低すぎる。これでヨーグルトメーカーを使用して発酵させることにしたのだ。拠点小屋から落し蓋用の板と近所の河原で重しの玉石を用意して移し替える。
生葉250gの素材は重しにした石の高さがあって蓋が締まらないのだが内蓋なので外蓋があれば事足りる。次回の発酵に際しては200g程度にすれば大丈夫だろう。ヨーグルトメーカーの設定は27℃14日間とした。外気を遮断する役目もある漬け汁の不足分は残った生葉を煮込んで冷蔵庫だ。
二週間が経過。早速笊に広げて乾燥に入る。「日向で二日ほど」と載っていたけれど1日目はあいにくの曇り空で夜は室内で風乾とした。小用に起きたついでに天地を変えたりして均一な乾燥を心掛ける。二日目は晴天、ベランダで陽が西に傾くまで晒して三時にに待望の試飲である。
発酵途中で何度か香りを嗅ぎ嫌気性発酵を維持する表面の漬け汁を加減したりの世話はしていながら思いだしたのは実家のサイロ漬け込み作業だった。甘藷の蔓手繰りと青刈りトウモロコシをチッパーで細断し縦型サイロに踏み込み発酵させるのだが家族総出の作業だったし夕飯はお握りと汁だけ。それもそこそこに夜鍋仕事に至る作業でもあった。
父がチョッパーで刻み作業、兄が唐箕に入れてサイロに投下する。母や小生らは後ろ手で黙々とサイロ内の底から踏み込み作業を延々と続けるのだった。サイロの上縁から頭が出て周囲の様子が見える頃になると「漸く解放間近だ!」と嬉しかったものである。
冬季はこの発酵物を農耕牛に給餌していたのだが酸っぱい芳香は好きだった。飼い葉おけにバケツ一杯のサイレージを入れる時は至福観があったように想う。しかし今回の発酵ではサイレージの発酵臭少なく茶葉の香りが際立ったままだ。この時点で「硬葉だったから無理か・・・」の予想はしていたのだが後発酵茶としての酸味も欠けていて飲めるけれど敢て飲むほどでも無いと一杯だけ試飲し出来た茶葉は庭に敷いた。
やはり夏至の頃の成分充満の壮葉でない硬い硬い葉で気温もそれなりに高くなっていない時期だし硬葉では無理だったのだろう。次回は夏至の頃「適期」に挑戦である。今回の顛末でサイレージとエンシレージの違いが分かったのだが製茶には役立たんかったわい・・・。
15号台風の復旧作業を終えての帰宅前に放置樹を枝ごと切り取り持ち帰り自宅の縁台で葉をむしり取る。葉は固く厚めで工夫をしなければならない感じがヒシヒシと伝わる。
セオリー通りに鍋で茹で始めたのだが色合いが出来上がっても葉は固いままである。このままではすり潰しも発酵分解も悪く思えて圧力鍋に変更する。しかしあまり軟化させてもと思いつつ初めてだから加減は分からない。そこは適当、いいえテキトーで済ましたのだ。
通常通り鍋で煮る ➡ 圧力鍋に変更
すり潰し加工は洗濯板が無い。考えあぐねた結果は勝手口のコンクリート台を使う手だったのだが準備しながらハタと気が付いたのは「籾蒔きトレイ」が使える!」と言う事である。トレイの底は平らなのから格子状や四角推の連続面状の物まで数種あった中から四角推様の物を使う事にした。これなら鬼のおろし金風に見えるからすり潰しには良かろう。
茹でた茶葉を広げ両手で揉み潰す。茶葉の葉脈は固くて筋状に現れて来るけれどお構いなしに泡だつまですべてを潰した。
これを容器に圧縮し重しを載せ茹で汁で覆い蓋をする。夏場ならこのままで良いのだろうが既に気温は20℃を下回る。これでは発酵適温27℃には程遠いから念のために保温調理鍋の保温容器内に収めた。これで適温が保たれなければ懐炉を入れる。茹で汁の残りは保存して容器内の汁が減った場合に補充しなければならないのだったが全て捨ててしまった。どうしても必要なら煮汁だけ作ろう。
どちらにしても嫌気性発酵なので容器内に酸素が無くても大丈夫だろう。懐炉は24時間は持たないから取替えの度に発熱するための酸素は入るはずで、茶葉の容器は密閉されて鎮座したままだから影響はなし、てなもんや三度笠。
このまま半月、経過を見てみる。さてどうなる事やら。同じ後発酵茶の「碁石茶」を試作してみるつもりだったのだが作業手順が多くて断念した。阿波晩茶の方が取り組みやすいと考えての試作である。数日、様子見をし温度が上がらないならば量を減じてヨーグルトメーカーで加温して作ることにする。そのための押し蓋と容器に収まる玉石を用意する必要が出て来た。
翌朝、懐炉を加えて一晩、容器内の温度は23℃だったから低すぎる。これでヨーグルトメーカーを使用して発酵させることにしたのだ。拠点小屋から落し蓋用の板と近所の河原で重しの玉石を用意して移し替える。
生葉250gの素材は重しにした石の高さがあって蓋が締まらないのだが内蓋なので外蓋があれば事足りる。次回の発酵に際しては200g程度にすれば大丈夫だろう。ヨーグルトメーカーの設定は27℃14日間とした。外気を遮断する役目もある漬け汁の不足分は残った生葉を煮込んで冷蔵庫だ。
二週間が経過。早速笊に広げて乾燥に入る。「日向で二日ほど」と載っていたけれど1日目はあいにくの曇り空で夜は室内で風乾とした。小用に起きたついでに天地を変えたりして均一な乾燥を心掛ける。二日目は晴天、ベランダで陽が西に傾くまで晒して三時にに待望の試飲である。
発酵途中で何度か香りを嗅ぎ嫌気性発酵を維持する表面の漬け汁を加減したりの世話はしていながら思いだしたのは実家のサイロ漬け込み作業だった。甘藷の蔓手繰りと青刈りトウモロコシをチッパーで細断し縦型サイロに踏み込み発酵させるのだが家族総出の作業だったし夕飯はお握りと汁だけ。それもそこそこに夜鍋仕事に至る作業でもあった。
父がチョッパーで刻み作業、兄が唐箕に入れてサイロに投下する。母や小生らは後ろ手で黙々とサイロ内の底から踏み込み作業を延々と続けるのだった。サイロの上縁から頭が出て周囲の様子が見える頃になると「漸く解放間近だ!」と嬉しかったものである。
冬季はこの発酵物を農耕牛に給餌していたのだが酸っぱい芳香は好きだった。飼い葉おけにバケツ一杯のサイレージを入れる時は至福観があったように想う。しかし今回の発酵ではサイレージの発酵臭少なく茶葉の香りが際立ったままだ。この時点で「硬葉だったから無理か・・・」の予想はしていたのだが後発酵茶としての酸味も欠けていて飲めるけれど敢て飲むほどでも無いと一杯だけ試飲し出来た茶葉は庭に敷いた。
やはり夏至の頃の成分充満の壮葉でない硬い硬い葉で気温もそれなりに高くなっていない時期だし硬葉では無理だったのだろう。次回は夏至の頃「適期」に挑戦である。今回の顛末でサイレージとエンシレージの違いが分かったのだが製茶には役立たんかったわい・・・。