大みそか定めなき世の定め哉 三カ津
大津波定め泣き世の定めかな
是がまあついの栖か雪五尺 一茶
これはもう賽の河原だ礫五尺
枯朶に烏のとまりけり秋の暮れ 真蹟短冊
萌えし枝に烏はとまる波の跡
大みそか定めなき世の定め哉 三カ津
大津波定め泣き世の定めかな
是がまあついの栖か雪五尺 一茶
これはもう賽の河原だ礫五尺
枯朶に烏のとまりけり秋の暮れ 真蹟短冊
萌えし枝に烏はとまる波の跡
漏水箇所が現れ、一晩経ったら水位が下がっていた。きっと漏水孔が拡大したのだろう。これでは通水できないから堰を組みなおす。半分だけ土台となる表土まで削りなおし丸太と土嚢を組みなおした。結果的に土嚢の数が不足となって、新たに五袋加えることになった。
それでなんとか漏水量は減ったものの完全遮断とはならない。これは致し方が無いものの、今のところ流入量を上回ることは無い様で、水位は上がってきた。このまま順調に貯水できれば、夕刻頃には導水路へ流れ込む水位になりそうなのだが、それは明日以降のお楽しみである。漏水量が減ったので、下手の水溜りにいたクロメダカ6匹をプールに移した。産卵期になるのか半分は腹部が大きく膨らんでいる。
一方、このプールに流れ込まないで下の棚田跡を浸食している水道を、このプールの集水量を上げるため水路を接続し本日は終了。陽射しが強くなってきたから作業服は脱いでTシャツ1枚で丁度良い陽気になってきた。周囲の水溜りでは姿を見せないカエルが煩いほど鳴いているし、樹上ではモリアオガエルも鳴き出した。既にヒキガエルの卵は孵化している。
国技でも八百長原発まね出来ぬ 尻込
八百長は核上だもんと保安院 呆導
放射能散らす苦隣なエネルギー 風塵
炭素よりあがいて無頼のエネルギー 頼塵
入れた水だけ海に出る 自由律子
全てチャラ魔法の言葉想定外 詠椎
息しても二酸化炭素吐き出すに生きも出来ない三界汚染 公臭
見渡せば線量厄社出会い系瓦礫とむくろ沈黙の春 長命
朝、雨が降りだした。1時間ほどで止んだのだがフイールドは濡れたし、思い切って作業で筋肉痛の続く身を温泉で労わる。湯の町は自粛ムードや頻発地震の影響で閑散としており、休業中の宿も多いのだとか。こんなに経済活動が停滞しては復興の足元もすくわれてしまう。
一般論としては喜んではいられないが、お陰さまで露天は貸切だったしテレビもない静かな時間を過ごせたのだ。筋肉痛も全く感じなくなって帰宅したのだけれど、こうやっていると同じ筋肉痛がある。なんのことはない偽薬の作用みたいのようだ。
それでも日の出はみられたし「キクモモ」という初見の花も見れた。たまたま帰宅してから見ていた番組で「キク桜」と言う品種が紹介されていた。それで記憶が鮮明に蘇った。花びらが管状に変化した「菊咲き」の変わり品種が多くの草本に出現しているのだ。たまには日常から離れてみるものである。湯疲れか、けだるさが心地よい。
波頭押さえてりきむ日の出かな
春の風はげ撫でて去る露天風呂
潮の湯は苦し思うは波の底
やまざくら崖は吹雪の湯は花湯
危険なし準備万端忘備あり 原始力餡全意飲会
統計を創り歴史は蚊帳の外 倒電
原始力国家保証の太古版 つうかあ大臣
明るくて未来の力無頼なり 酷花
希望的無い事にする科学かな 誤用学者
堰の土嚢積みが終わり、導水路も隣の沢筋へ落とす地点まで掘りつなげた。
導水路の底になる部分まで水位が上がってきたものの、それからはさっぱりだ。堰の下手の壁からペットボトルを逆さにしたぐらい漏水していた。
今の流入量では同等の水量が漏水孔から流れ出ている勘定になる。それと思しき地点まで土嚢を外し土を削りなおしてみたが、全く影響はしない。一度、漏水地点まで土嚢と丸太を外し、土を削り取って孔そのものを除去しないと水位の上昇は望めないようだ。
花吹雪にまみれながら原発の汚染水の漏水防止みたいな、行き当たりばったりの先が見えない作業は続くのだが、ほっとしたのは堰き止めて広がった水面にクロメダカが一匹見えた事。
引き波と戻らぬ人よ海は春
春の海深青遠く人知らず
親知らず子知らずとなり浜の春
花吹雪五感の全て止まる里
修羅車曳いたる里のたかひばり
春の浜瓦礫の里の羅生門
トンボ池に給水する水路まで水位を上げなければならないので堰を作る。溝の幅も高さも1m以上もあるから土嚢1列では水圧に負けてしまう。そこで盛る土もないから丸太を積み上げて重力式のダムにした。水漏れは土嚢で大丈夫(だろう)。
午前中かかって丸太を定尺に切断し運び積み上げた。運ぶ距離は100mはあったから、けっこう大変な作業だ。ようやく地表と同じ高さまで積み上げたが、水路の掘り切りは残ってしまった。もう1日必要というところだ。
現実的には水路の深さと傾斜が落とし口より高ければ良いのだが、水を張ってみるまで高低差は知る由もない。あと土嚢を一段積み上げれば水路の方に水が回るだろうから、水位を見ながら水路を掘り下げ修整とする。さてどうなるやら。
一撃で津波の底のその今際思うは無念無念ぞ夫よ
巡礼のごとく老父は残骸に黙祷しつつわが子尋ねる
月経てば生きておらぬと思えども逢うて抱きしめ含ませ乳房
一波二波波にもまれて断たるとも幸の海より幸祈るらん
大往生させず今際に苦しみを与えし胸に渦巻く津波
中央道の中間地点、竹林と雑木林、針葉樹林の交わるところにマキの木がある。以前は孟宗竹に埋もれていた木なのだが、今は周囲の緩斜面は開けて、森の中の空き地に一本あるという風情なのだ。
私有地だった頃の境界に植えられた木の一本で、他のものは発育も木姿も悪いから除伐した残りである。ただこの木がある事で下の地表面の草勢が悪く、思い切って除伐した。胸高直径30cmに足らなかったが、年輪を数えると50本はある。マキの木は硬いと思っていたが、割合用意に切断できた。
この木がなくなったことで、森の中にポッカリと空間が開いた。付近や遊歩道が明るくなったのは勿論だが、この空間が森への空からの進入口になるのを期待している。切断した幹に腰掛けて周囲を見渡すと、これはこれで気持ちがいい。目を閉じると木々のそよぎは聞こえなかったものの、シジュウカラのさえずりが心地よかった。
林内の集積作業をやっていた時、朽ちてきた風倒木を移動しようとしたら、下にカブトムシの幼虫がワンサカといた。あわてて写真だけ撮って元に戻したけれど、たかだか一本の朽木の下にも命を繋ぐ営みがある。
それで片付けるのは後回しでも、五月の連休ごろに実施する会員家族友人の山菜試食会に参加の子どもたちに掘り取らせようかと思っている。
近くにはカブトムシの繁殖用に集積しておいた木材が程よく朽ちてきたから、この下も脈がありそうだ。こういう事に出会うと集積しておくことの大切さを実感するけれど、子ども達はどうなのだろうか…。
今日、日付が替わった頃から雨の音が聞こえだした。ようやく待望の降雨で、降水量は多くなさそうだがトンボ池の水位は下げ止まるに違いない。これでヒキガエルの卵塊が干上がらずに済む。あと何日かの作業で導水路が接続できるだろうが、これは漏水が無いと「仮定を根拠にしての話」、これでは原発と同じである。それでは駄目じゃん!
早鐘の半鐘波に没すれど音は鼓膜に留まり止まぬ
大津波屋根を呑み込み迫り来るマイクの乙女波被るまで
水門を手動で閉じる時も無く恨みますまい役割りならば
交通の指揮取る間さえ奪い取り車列と共に怒涛の消去
歓声を上げ被災の見物は早く早くとポーズを競う
導水路の掘削を始めた。掘り取った土は土嚢袋に詰めてダムにする。侵食溝の水位を1m前後上昇させ、導水路を掘り下げないと導水出来ない。
自然の侵食トレンチだから高濃度の放射線は無いけど水を届ける作業は難儀だ。原野の開拓者の苦労が身に滲みて判る。竹の根と茶の木の根が入り組んだ土中は唐鍬も跳ね返す。
時折、根切りを鋸で行いながら午前中かかって、ようやく幅30cm、深さ20cmで2m掘り進んだだけだった。もう腕も肩も痛むし息も上がるし、尻尾をまいて退散した。
土嚢は一列の積み上げでは倒壊するだろうし、漏水防止に二段構えにしなければならないのだろうけれど、とりあえず背面を丸太の塀で押さえる作業を明日以降に行わないと3段目以上は積めない様だ。溝の壁は大小様々な空洞があるから、果たして漏水無く所定の水位まで上昇させられるか、それが問題だ。
いつも思う「貧乏暇なし、自転車操業」だけど、作業をしていたらオバちゃん達が「ショウジョウバカマが咲いている場所は何処ですか?」と明るく来た。同じ世代でも優雅な日々である。そういえば今日は花祭りだ。林道は花吹雪が始まった。そして、ツバメもトンボもオオスズメバチも飛んでいる。
花祭り吹雪を受けて立ち尽くす
誕生会みちのくの地も春の糸