澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

あばよ舛添、サラバ「団塊の世代」

2016年06月22日 10時32分16秒 | 社会

 先ほど、鳩山邦夫氏の死去が伝えられた。鳩山邦夫は1948年9月生まれの「団塊の世代」で、舛添要一とも同学年。ともに東京大学法学部でトップを争った「天下の秀才」だった。

 6月20日、舛添要一は無言のまま憎悪に満ちた表情で、記者団の前を通り過ぎていった。「この愚民どもめが…」と言いたげな舛添の表情に、「団塊の世代」の末路を見る思いがする。



 最近話題になった「団塊の世代」には、元航空幕僚長の田母神俊雄がいる。こちらも、「大言壮語」の顔とは裏腹に、セコイ選挙資金問題で失脚してしまった。

 「団塊の世代」(1947-49年生まれの世代)は、戦後ベビーブームの申し子で、630万人を数える。その最大の特徴は、粗製濫造の教育を受けてきたことにあるのではないか。
 それはもちろん「日教組」による「反日教育」のことではない。そもそも貧しい時代であったので、教育環境が極めて劣悪だったためだ。小中学校は、児童生徒の増加に施設が追い付かず、午前と午後に分けての二部授業が行われた。一クラスは56名前後、まさに満杯の教室での授業だった。
 この世代の高校進学率は七割弱、大学進学率は四分の一程度だった。団塊の親の世代には、高等教育への憧憬が根強く残っていたから、「せめて子供たちは大学へ」という意識が強かった。

 当時の国立大学は、一期校、二期校に区分されていた。これは「大日本帝国」時代の教育体系を継承したもので、旧帝国大学、旧単科系国立大学(一橋、東工、東京教育大など)旧制高校のナンバースクールは一期校(3月3日から数日が試験日)、旧制の高等専門学校(東京外国語学校など)は二期校(3月23日から試験)とされた。例えば、一期校で一橋大学、二期校に横浜国大経済学部を出願する学生が、一橋に合格したあと、さらに横浜国大を受けるケースは皆無だった。二期校は、完全に「滑り止め」扱いだったのだ。
 かといって、現在のように私立大学が評価されることはなかった。一期校の東工大を第一希望、二期校の東京農工大を第二希望として、滑り止めに早慶の理工学部を受けるのが普通だった。当時の学費格差は、私立大学の学費は国立のほぼ十倍だったので、二期校でも十分に優秀な学生が集まった。そもそも、旧制の高等教育制度においても、私立大学は大学を名乗ってはいるものの、「帝国大学」と比べるべくもない存在で、旧制高等専門学校(例えば、小樽高商、大阪外語など)の方が私立大学よりは優秀だとみなされていた。

 1968年前後に全国を揺るがした「大学闘争」「学園紛争」は、依然として旧帝国大学の頂点たる東京大学で「帝国主義大学」の特権が糾弾される一方、「日大全共闘」は名ばかりの大学教育、営利追求ばかりの大学経営を徹底的に批判した。1969年春には、東大、東京教育大(現・筑波大)の入試が中止となり、東京外国語大学においても変則入試(一科目が30分で内申重視)が行われた。そしてこのとき、東大安田講堂は、全共闘と機動隊の衝突によって廃墟と化した。

 舛添と鳩山は、現役で文一合格を果たした「天下の秀才」だったが、「東大闘争」とはどうかかわったのか。奨学金で勉強していた舛添は、全共闘の主張には一切耳を貸さず、ひたすら「栄利栄達」の道を選んだ。あの騒然たる時代に、自己(エゴ)を貫いた舛添が、今ここに至ってみると、ドストエフスキーの小説の主人公のように見えてくる。

 天下のお坊ちゃま秀才・鳩山邦夫が病死。舛添は、知事職を途中放棄。田母神は検察によって取り調べ中。
 「団塊の世代」の政治家は一人も首相になれなかった。せいぜい獲得した都知事の地位もこのありさま。「量」は多くても、「質」が伴わなかったというのが、この世代の歴史的評価になるのだろうか。
  
 
   

 
  
 


東京五輪招致 竹田JOC会長の疑惑と利権

2016年06月16日 22時33分45秒 | 社会

 5月24日付の本ブログでは、同じ「団塊の世代」に属する舛添要一と竹田 恆和(たけだ つねかず)JOC会長の「明暗」について書いた。枝葉末節(?)でマスメディアに糾弾され、火だるまになって自爆した舛添要一。一方、東京五輪招致疑惑が報道され、竹田JOC会長が「闇資金」を決裁したと認めたものの、それは五輪招致のための「必要悪」であるかのように伝えられた。そのため、竹田会長自身が経営する「海外業務渡航」を専門の旅行会社が、実はJOCの海外出張業務などを一手に引き受けているのではないかという疑惑が追及されることはなかった。

 だが、今日発売の「週刊文春」では、竹田会長の旅行会社と「電通」の関係が指摘され、「五輪利権」というべき構図が明らかにされている。



 石原都知事が言い出して、招致に動き出した東京五輪だが、一度「落選」した後に、あの東日本大震災が起きた。まともな国であれば、あれほどの大災害の後、続く大地震が予想される中で、「復興を世界に示すため」に五輪大会など開くはずはない。まず、国民が求めるのは、国土強靭化であり震災対策であるはずなのに、この国においては、「オリンピック」「ノーベル賞」は「絶対善」であるという妄想が存在するためか、防災対策をそっちのけにして、五輪招致へと暴走してしまった。「世界が日本を見ている」「日本は素晴らしい」という「ホルホル番組」が毎日流され、あたかも東京五輪を「世界の人々」が待ち望んでいるかのような「幻想」がふりまかれてる。
 
 だが、今回の「週刊文春」で明らかになったのは、「東京五輪」で金儲けを企む五輪関係者の醜い姿だ。竹田JOC会長がどんなに「高貴」なお方であろうとも、もし、自分の旅行会社が東京五輪招致に関連して利益を得ているのであれば、舛添同様、厳しい追及がなされて然るべきだろう。でなければ、この国はまともな法治国家ではない。

 そして、今からでも遅くはない。東京五輪などさっさと返上すべきだ。熊本地震さえ収束していないのに、今日は北海道でも震度6弱の地震が発生した。わずか二週間の「運動会」に「世界の夢」を託すなんて、何と愚かなことか、と何故誰も言わないのか。日米開戦も阻止できず、敗戦処理もできなかった「一蓮托生の島国」の悲喜劇は、相変わらず続いている。


竹田恆和(JOC)と舛添要一に見る「団塊の宿痾」

2016年05月24日 18時20分04秒 | 社会

 舛添要一・東京都知事があらゆる方面からバッシングされて、今やその座を守り続けることができるかどうか、不確実な情勢となってきた。
 一方、海外の報道から、東京五輪招致に当たって、JOC(日本オリンピック委員会)がIOCの幹部にヤミ献金をしていたことが明るみに出た。竹田 恆和(たけだ つねかず)JOC会長は、みずからそのヤミ献金支出を決裁していたことを認めた。

 舛添要一(1948.11生まれ)と竹田恆和(1947.11生)は、ともに団塊の世代の生まれ。まもなく70歳を迎えようとする団塊の世代の中では、両者とも典型的な「勝ち組」と言えるだろう。
 だが今、ともに問題を抱える両者ではあっても、「世間」の対応は鮮やかなほどの対比を見せている。舛添については、「公私混同」がキャッチコピーのようになって、あらゆる罵詈雑言、嘲笑が浴びせかけられているが、竹田の「ヤミ献金決済」については、五輪誘致のため必要悪だったという「世論」が形成されつつある。

 自らの能力だけで這い上がってきた舛添、一方、明治天皇の何とかという出自の竹田。舛添は奨学金を得て最優秀で東大法学部を卒業、フランス留学を経て、母校の助教授に就任したという輝かしい経歴を誇る、団塊の世代のかつてのホープ。対する竹田は、幼稚舎から大学まで慶応義塾、乗馬部の選手として五輪にまで出場している。ちなみに、乗馬は典型的なブルジョア・スポーツだ。知力、能力では、舛添の足元にも及ばない竹田には、庶民には太刀打ちできない「高貴な血」が流れている。似たような疑惑に包まれたとしても、「血筋」故に「世間」が批判を控えるというのでは、まさにこの国は民主主義国家ではない。

 竹田恆和は、「エルケーティー ライゼビューロー ジャパン」という旅行会社を経営している。そのHPには本人の写真入りで、「来たる2020年には東京オリンピックが開催されます。当社のグローバルな視点で「日本から海外へ」のみならず「海外から日本へ」のご旅行の一助となるべく、これからもお客様に寄り添ったサービスの提供を目指して参ります」と書かれている。
 旅行会社を経営する竹田JOC会長

 東京五輪が決まれば、旅行会社には多大な利益が見込まれる。JOC会長の会社ともなれば、なおさらのことだろう。東日本大震災・福島原発事故があってもなお、五輪招致運動をとりやめず、「復興」「絆」のためだと強弁したのは、実はこういうカラクリがあってのことではないのか。JOCの海外出張手続きが、この会社を通して行われているかどうか、情報開示が求められて然るべきだ

 竹田自身は、おそらく港、千代田区あたりの豪邸に住んでいるから、仮に首都圏直下地震が起きても、さしたる被害は受けずに済む。下町や環七沿いの「庶民」ばかりが悲惨な「被災者」となるのは目に見えている。にもかかわらず、国土強靭化、大震災対策という「公」よりも、私利私欲の「東京五輪」を選択してしまった。昭和天皇は、沖縄戦に敗北し、ヒロシマ・ナガサキに原爆が落とされてもなお、「三種の神器」の守護しか念頭になかったという。その昭和天皇の姿を思わずダブらせてしまうほどだ。

 このままでは、自業自得と叩かれる舛添が浮かばれない。三浦瑠麗(国際政治学)によれば、舛添には貴族趣味があって、大衆とは無縁の高貴なものに憧れが強い人だと言う。細川護熙を「バカ殿」と言い捨てた「天下の秀才」舛添には、半面、その出自に強いコンプレックスがあったに違いない。だが、それは舛添の責任ではないのだ。
 マスメディアは、舛添叩きに狂騒するだけでなく、JOC(日本オリンピック委員会)の闇、都民軽視の五輪誘致に鋭いメスを入れるべきだろう。いくら竹田が「高貴」なお方だとしても、法の下でのあまりの不平等は許されないはずだ。 

 


日向灘M4.7地震が発生 南海トラフ地震の前兆か

2016年05月16日 18時44分27秒 | 社会

 さきほど、日向灘を震源とするM4.7の地震が起きた。気象庁の発表は次のとおり。

平成28年05月16日17時54分 気象庁発表
16日17時50分頃地震がありました。
震源地は日向灘(北緯31.7度、東経132.0度)で、
震源の深さは約20km、地震の規模(マグニチュード)は4.7と推定されます。」


 

 「熊本地震」発生以来、日向灘を震源とする地震は初めて。地震予測を配信している村井・東大名誉教授(測量学)によれば、熊本地震が発生するずっと以前から「もし日向灘を震源とするM5~6の地震が発生すれば、日向灘が南海トラフの西端に位置することから、東南海大地震の引金となる可能性が高い」という。

 マスメディアは、今日のこの地震を黙殺しているが、それでいいのだろうか。あとになってみれば、「熊本地震」が東南海大地震の引金に過ぎなかったということにならないのか。
 「熊本地震」は死者・行方不明者が50名。「被災者」はまだまだ行政や各地からの支援を受ける余裕がある。一方、東南海大地震が起きれば、死者数40万人、被害総額220兆円という、未曾有の大災害になる。そのとき「被災者」は何の救援も受けられず、日本の太平洋沿岸都市は事実上壊滅する。

 村井教授の見解をぜひ聞きたいものだ。

 
   


今こそ東京五輪返上を!

2016年05月13日 07時41分09秒 | 社会

 オリンピック・スタジアム、エンブレムなどなど、数々の疑惑、失態で完全にミソをつけたかたちの東京五輪。一方、ブラジルでは、政治の混迷で、リオ五輪の開催さえ危ぶまれている。 
 そこに、タイミングよく伝えられたのが、「東京五輪 招致巡り裏金、仏当局捜査…国際陸連前会長側に」「東京オリンピック招致に買収疑惑 高まる報道不信 名指しされたJOC、電通の反応は?」というニュース。(下記参照)これが事実ならば、東京五輪など、今直ちに返上すべきだと思う。

 そもそも、東日本大震災・福島原発事故があってもなお、「オリンピックで夢を、復興を」という偽善的キャンペーンで招致運動を進めた国=JOCと東京都。四千億円ものスタジアムを作るのなら、何故、震災対策を進めないのかという都民の声を黙殺し続けてきた。

 オリンピックとノーベル賞絡みなら、簡単に国民を騙せると思うのは大間違い。「東京五輪音頭」を踊りながら、「おもてなし」を強要されている間に、次の大災害の危機は、確実に近づいている。もういい加減に、「東京五輪」なんか止めようではないか。

 

<東京五輪>招致巡り裏金、仏当局捜査…国際陸連前会長側に

毎日新聞 5月12日(木)21時26分配信

 【パリ賀有勇】フランス検察当局は12日、2020年の東京五輪・パラリンピックの招致を巡り、招致委員会側から国際陸上競技連盟のラミン・ディアク前会長(セネガル国籍)側に多額の資金が振り込まれた疑惑に関し、汚職や資金洗浄などの疑いで捜査を行っていることを明らかにした。

 東京五輪の招致は13年9月にアルゼンチンのブエノスアイレスであった国際オリンピック委員会(IOC)総会で決まった。ディアク氏は1999年から13年までIOC委員も兼ねており、招致決定当時は開催都市を決める投票権を持っていた。

 仏検察によると、総会が開かれる直前と直後の13年7月と10月、日本の銀行にある口座からシンガポールの会社に、「2020年東京五輪招致」の名目で、280万シンガポールドル(約2億2000万円)が支払われていた。

 英紙ガーディアンによると、送金を受けたシンガポールの会社は、ディアク氏の息子で当時、国際陸連のマーケティング・コンサルタントを務めていたパパマッサタ氏と関係があるという。

 仏検察は15年、ディアク氏が国際陸連の会長時代に、ロシア人選手らのドーピングを黙認する代わりに現金を受け取っていた疑いで捜査を開始。シンガポールの会社への資金の流れが浮上したという。仏検察の男性副検事は、毎日新聞の取材に対し、現在保釈中のディアク氏は仏国外への出国を禁じられていることを明らかにした。

東京オリンピック招致に買収疑惑 高まる報道不信 名指しされたJOC、電通の反応は?

 

BuzzFeed Japan 5月13日(金)5時0分配信

 

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「電通」も名指し

英紙「ガーディアン」が11日、2020年の東京オリンピック招致を巡り、招致委員会側が当時の国際オリンピック委員会(IOC)の委員で、国際陸上競技連盟(IAAF)の会長を務めていたラミン・ディアク氏の息子が関与する口座に130万ユーロ(約1億6000万円)を支払った疑惑があると報じた。ガーディアンによると、すでにフランス当局が捜査を開始しているという。【石戸諭、山光瑛美 / BuzzFeed Japan】

ガーディアンは、この口座はシンガポールの金融機関のもので、ラミン・ディアク氏の息子で、国際陸連の「コンサルタント」を務めていたパパマッサタ・ディアク氏につながっているものである、とする。

フランス検察当局は12日、東京オリンピックの招致活動で、東京側が2013年にパパマッサタ氏の関連会社宛てに約2億2000万円を支払っていたと捜査状況を明らかにした。当局は声明の中で「(支払いは)日本の銀行口座からで、名義は2020年東京五輪招致委員会だった」と述べたという(時事通信)。

共同通信によると、ラミン・ディアク氏は国際陸連会長時代にロシア選手のドーピングをもみ消す見返りに少なくとも約100万ユーロの賄賂を受け取った疑惑があり、既にフランス当局の捜査を受けている。シンガポールの口座はこのドーピング隠しに絡む金銭授受にも使われているという。

朝日新聞によると、ディアク氏はセネガル出身で2015年夏まで16年間、国際陸連の会長を務めている。パパマッサタ氏ら息子2人、私的な法律顧問ら非公式のグループで周囲を固め、主導的な立場で不正に関与したという。パパマッサタ氏は国際陸連から永久追放処分を受けた。

ガーディアンによると、ディアク氏は当時、IOCの委員も務めており、13年9月に決まった、東京オリンピック開催にも影響力を持っていた。

また、パパマッサタ氏につながる口座を管理していたのは、スイスのスポーツマーケティング会社「AMS」のコンサルタントを務めていたIan Tan Tong Han氏だと指摘。さらにAMSが大手広告代理店・電通関連の「子会社」であるとし、Ian Tan Tong Han氏と電通が関係しているとしている。

 


「東京五輪」より防災対策を

2016年04月17日 23時15分42秒 | 社会

 「熊本地震」は、18日の朝を迎える現時点でも、一向に収まる気配がない。マスメディアは、相変わらず皮相的な報道ばかりで、肝心なことを伝えない。視聴率稼ぎの「衝撃映像」と被災者への「同情」を煽るのに熱中しているよう見える。

 最新のニュースでは、舛添要一東京都知事がワシントンで記者会見して「東京にもブロードウェイのような場所がほしい。早速検討してみたい」と語ったと伝えられる。熊本地震が起きてもなお、こんな発言をする舛添は、東大法学部を首席で出た秀才だったはず。だが、この「団塊の世代」の勝利者は、ひとかけらの「公」の精神も、他者に対する優しさも持ち合わせていない、冷酷なエゴイストだった。

 「東日本大震災・福島原発事故」があってもなお、「東京五輪」の開催をIOC(国際オリンピック委員会)に申請し続けた日本。オリンピックとノーベル賞は、無条件に「善」と考える国柄だから、森喜郎や猪瀬直樹はその空気を利用して五輪開催を強行した。猪瀬の失脚後、「天下の秀才」たる舛添は五輪開催を見直すのかと思ったら、やはりというか、自らの功名心、権力欲を満たす道を選んだ。

 東日本大震災から5年、こんな大地震が起きるのは、まさに想定内だったはず。熊本地震は死者数も少なく、被災者も少ないから、「被災者に心を寄せる」といった偽善的対応も可能。だがもし、東南海大地震がおきたら、被害総額は220兆円、死者40万人、国民の三人に一人が「被災者」という事態に。これは、まさに「国家存亡の危機」であり、政治指導者の的確かつ強力なリーダーシップが求められる。

 東京五輪まであと4年。この間に、次の大地震が起きる可能性は、一層高まった。舛添が本当に「天下の秀才」だったのなら、今こそ、その真価を発揮して「東京五輪」の開催返上を決断すべきだ。もちろん、ねずみ男はそんなことをするはずもないけれど…。
  


 

 


熊本大地震は阿蘇山噴火の前触れか?

2016年04月15日 22時59分23秒 | 社会

 16日(土)午前1時過ぎ、熊本でM7.3の「大地震」が発生。これが一連の地震の「今のところ本震と考えられる」と発表された。
 1911年3月11日の東日本大震災のときも、その前々日から二日間で250回という、異常な数の群発地震が発生した。そのときのデータの一部が次のとおり。
   今回の「熊本大地震」でも、ほぼ同様の経過を示している。

東日本大震災時の「前震」状況の一部

 今回の「熊本大地震」においても、最初の地震は「前震」に過ぎなかった。活断層に起因する地震らしいので、断層の亀裂が阿蘇山方向に向かう可能性を考えれば、素人でも「阿蘇山大噴火」の悪夢がよぎる。
 昨日、TVで次のような発言があった。

「(東南海地震が起きる)そういう見方になりますね…そう思いたくはないが、東南海地震が起きる可能性が高くなった」(4月15日「みんなのニュース」(フジ系)で笠原順三・東大名誉教授(地震学)が発言

 東京大学の地震研究者がここまで明言するとは驚きだった。笠原氏はその根拠として、三重県南東沖を震源とするM6.1の地震(4月1日)を挙げる。また、首都圏直下地震の予兆を示す現象も広まっていると指摘する。

 個別の被害報道ばかりの中で、次に起こる大災害の可能性を指摘したのは、勇気ある発言だったに違いない。
 マスメディアは「東京五輪」「おもてなし」とばかりはしゃいでいる場合ではない。差し迫る危機をきちんと伝えることが「報道の使命」ではないのか? 


「ウィッツ青山学園高校」は特区利権の象徴か

2016年03月03日 13時12分23秒 | 社会

  「ウィッツ青山学園高校」の就学支援金不正受給問題が採りあげられ、「お店でお釣りの計算をしたら”数学”、映画を見たら”英語”の学習だった」とか、詐欺まがいの教育内容についても騒ぎが広がっている。
 だが、TVのワイドショーは、表面的な話題でお茶を濁すだけで、何故、三重県伊賀市の山の上に、こんな学校ができたのか考えてみることさえしない。

 この「ウィッツ青山学園高校」は、国から「教育特区」の認定を受けて作られた。「特区」は全国的一律的基準からはみ出した部分について、行政のニーズがある場合に、特別に許可、認定するという制度。最近では、東京都大田区の「民泊特区」が話題にはなった。「ウィッツ青山」による悪徳商法まがいの学校経営を見るにつけ、これが単に一経営者の着眼と目算で行われたとは考えにくい。そこで、ネット上を検索していたら、就学支援金不正受給校の創立者   下村前文科相と親密 後援会長・会社から献金(「赤旗」昨年12月28日)という記事を見つけた。

 塾経営者でもあった下村博文とのつながりが事実であるのならば、これは「教育界へ民間活力の導入」という触れ込みが、いかにインチキであるか如実に示した事件だと思われる。
 
 「ウィッツ青山」は詐欺師が作った高校であるにしても、それでは大学は大丈夫なのだろうか?私立大学の多くは多額の補助金を文部科学省から交付されているが、その教育内容については、「学問の自由、大学の自治」を盾に文科省の干渉を極力拒む体質がある。学生をバカにしきった教授陣、それに反発することもなく、勉強する気など全くない学生。単位を乱発しなければ、翌年は教室に学生があふれてしまう劣悪な教育環境…。「ウイッツ青山」とそっくりなこんな大学、いっぱいあるような気がするが…。

 

 

 就学支援金不正受給校の創立者   下村前文科相と親密

後援会長・会社から献金

                      「赤旗」  2015年12月28日(月)

 東京地検特捜部が強制捜査に乗り出している株式会社立の「ウィッツ青山学園高校」(三重県伊賀市)をめぐる就学支援金不正受給事件で、安倍晋三自民党総裁(首相)の総裁特別補佐を務める下村博文前文部科学相(衆院東京11区)と、同校創立者との親密な関係が浮かび上がっています。(藤沢忠明) 


写真

(写真)ウィッツ青山学園高校の「四谷LETSキャンパス」が入居するマンション=東京都千代田区

 同校は、内閣府や文部科学省から教育特区認定を受けた伊賀市で2005年に設立された株式会社運営の高校です。

参入解禁

 この「教育特区」と深い関わりがあるのが、下村氏です。

 利潤追求を目的とする株式会社は、学校教育法で学校を設立することはできませんでした。04年9月に小泉内閣で文部科学大臣政務官に就任した下村氏は、小泉政権がすすめた「規制緩和」、構造改革特区制度を利用した教育特区の担当者として、株式会社の学校参入を可能にしました。

 これにより、09年春までに全国でウィッツ青山学園高校など、高等学校21校、中学校1校、小学校1校が設置されました。

 今回、就学支援金の不正受給が明らかになったウィッツ青山学園高校の創設者は、下村氏の後援会「全国博友会」の会長で、学習塾「メリック」の代表、森本一氏です。

 森本氏は同社のホームページで、自らの経歴について、1992年10月に「ウイン」という塾を設立、98年11月に「ウイン」が大証2部に株式上場、2005年9月に「特区制度を活用して、株式会社のウィッツ青山学園高等学校を設立」と書いています。

 下村氏が支部長を務める「自民党東京都第11選挙区支部」の政治資金収支報告書によると、「ウイン」から03年に115万円など、00~05年の6年間で計195万円の献金を受け取っています。

 森本氏は、さきのホームページに「下村博文衆議院議員を都議会議員時から支援し、その後援会組織を全国規模に拡大しました。(略)今では塾出身の文教議員として将来の文部科学大臣の有力候補の一人にまで成長されました」と持ち上げています。

 下村氏は、05年10月にウィッツ青山学園高校を運営する株式会社「ウィッツ」も加わって設立された「学校設置会社連盟」(現・新しい学校の会)の顧問に同年12月に就任しています。

 06年9月、第一次安倍内閣が発足、内閣官房副長官となった下村氏は、同連盟のホームページに、「教育改革の推進など今後の活躍が期待される新内閣」との説明で、安倍首相とのツーショット写真が掲載されました。

 「第11選挙区支部」は、兵庫県養父市と茨城県高萩市に本校をもつ第一学院高校の運営会社「ウィザス」からも、05~13年に計108万円の献金を受け取っています。

説明責任

 教育特区の実現にかかわってきた下村氏は、学校設置会社連盟の顧問として、今回の就学支援金不正受給疑惑について、どう考えるのか、関係企業から献金を受け取り、便宜を図ったことはないのか―など説明責任があります。

 下村氏の事務所は、本紙の問い合わせに回答をしていません。


上智大学の凋落とその理由(New)

2016年02月24日 14時04分35秒 | 社会

 7年前にこのブログに書いた記事「上智大学の凋落とその理由」には、今でもかなりのアクセスがある。
 この時期、受験生への参考にというには遅すぎる感もあるけれど、感じたことを再び記してみることにした。

 この7年間、上智大学の難易度は、凋落あるいは下降気味というのが定説だそうだ。少子化と貧困化が進むにつれて、経済的負担が大きい私立大学に人気がなくなるのは当然のことで、ことは上智大学だけの問題とも思われない。

 けれども、上智大学の凋落には、①マスプロ化、②それにともなう「羊頭狗肉」的大学経営に真の原因があると考えられる。

 ①マスプロ化については、学部学科の新設を繰り返すとともに、学部学科あたりの定員を増やすという、「増殖」を繰り返してきた。
 ②「羊頭狗肉」経営については、マスプロ化に対応して教授陣や教育環境を改善する方針はとられなかった。新設学部学科と既設学部の間で、開講科目を融通しあって(すなわち、「少人数教育」の看板をかなぐり捨てて、マスプロ授業に切り替え、収益率の向上を図り)、粗製濫造の教育を進めてきた。

 たとえば、法学部国際関係法学科については、この学科ができた当初からずっと、国際関係論関係の開講科目は、外国語学部の国際関係副専攻とその多くが重複していた。つまり、新たな学科開設に必要な専任教員を確保するのではなく、その大部分を他学部の教員の授業で流用したのだから、まさに「羊頭狗肉」の錬金術だった。
 この手でうまみを味わった大学当局は、「総合グローバル学部」「国際教養学部」の設立に際しても、全く同様の手口を使った。教育水準や教育環境を維持あるいは改善するというよりも、金儲けを主眼にした大学経営が続けられている。

 最近、聴講生として、その実態をつぶさに知ることになった東京外国語大学と比べると、上智大学の「羊頭狗肉」ぶりは明らかだ。「外国語学部」が「言語文化学部」「国際社会学部」の二学部制に改組された東京外国語大学では、各専攻言語・専攻地域に関わる専任教員がきちんと手当されていて、「世間」の評判や「流行」で変動することはありえない。「受験生が集まる」「儲かる、儲からない」という基準で組織が改編されることはないのだ。

 ネット上では「東京外大と上智大に合格したらどちらに行くべきか」といった質問があったりして、驚愕することがある。開講科目数、専任教員の数、教育環境(図書館、ゼミ教室等)など、どれをとっても、上智が東外大に優るところなど何ひとつない。
 特筆すべきは、東京外大の教授陣は、上智よりもずっと優秀で、かつ学生の教育に熱心だという点だ。仮にマイナー言語(例えばモンゴル語)を専攻したとしても、教授陣や蔵書数は、その分野では日本一を誇る。先輩との絆も強い。上智がはがれかけた金メッキだとすれば、東外大は純金。それほどの差がある。 

 万が一、進路で悩んでいる受験生がいるとすれば、この駄文を読んで、悔いのない選択をしていただきたいものだ。





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研究コース(2014年度以降入学者対象)
専門分野制(2013年度以前入学者対象)
国際関係副専攻(2013年度以前入学者対象)
言語学副専攻(2013年度以前入学者対象)
アジア文化副専攻(2013年度以前入学者対象)
総合グローバル学部
総合グローバル学科
国際教養学部
国際教養学科
理工学部

モンゴル語専攻という選択肢

2016年01月04日 14時01分07秒 | 社会

 一昨年、ある大学でモンゴル近現代史の授業を聴講して以来、いろいろモンゴル関係の本を読んだり、映像を探し出してみたりしてきた。昨年5月22日、「プライムニュース」(BSフジ)にモンゴル大統領が出演したとき、視聴者メールを送ったら、大統領が私の質問に回答してくださったという幸運もあって、モンゴルをにわかに身近に感じるようになった。

 私たちの世代は、東京と大阪の外国語大学にモンゴル語学科があることを知っていても、受験しようと考えた人は少なかったと思う。F教授の自己紹介には次のようなことが書かれている。

「いまではモンゴルはだれでも自由にいける普通のくにですが、わたしがモンゴル語を勉強しはじめた1970年には、モンゴルと日本のあいだに国交さえなく、日本をおとずれるモンゴル人は1年におそらく10人もいなかったとおもいます。このような非実用的な言語を専攻する学科が、東京と大阪のふたつの国立の外国語大学におかれていたのは、もちろん日本の1945年以前のいわゆる「満蒙政策」と関係があるわけですが、いまからかんがえると、ずいぶん不思議な気がします。」

 1972年に日本とモンゴル(当時、モンゴル人民共和国)との国交が回復されても、1990年、モンゴルの社会主義体制が崩壊するまで、両国間には制限された交流しかなかった。そもそも、モンゴル語を母国語とするモンゴル人は、モンゴル国外モンゴル)に200万人、中国の内モンゴル自治区に400万人、ロシアのブリアート共和国に20万人、計600万人程度しかいないのだから、モンゴル語の有用性が疑問視された時期が続いたとしても不思議ではなかっただろう。

 F教授が言う「非実用的な言語」=モンゴル語=を廃止せず、戦後ずっと二大学に設置し続けた政府の文教政策は、無駄でも、的外れでもなかった。戦前戦後を通じても、モンゴル語を専攻した学生は、三千人ほどに過ぎない。だがその中から、司馬遼太郎田中克彦(言語学者)など、数多くの著名人、大学者が生まれている。日本の「モンゴル学」は、今も昔も世界の最高水準にある。日本人は漢文を読めるし、英語もできる。それにモンゴル語とロシア語が加われば、欧米の研究者はなかなか太刀打ちできない。つまりモンゴル学において、日本人には優位性があるということだろう。

 また、China中心主義(シノセントリズム=中華思想)に毒された歴史観を見直す意味でも、モンゴルの存在は重要だ。岡田英弘(モンゴル史)が指摘するように、「世界史はモンゴル帝国から始まった」(下記に添付した映像を参照)のだから。
 
 私などは、時すでに遅しなのだが、若い人たちのなかから、ぜひモンゴル語やモンゴル史を学ぶ人が出てきてほしい。人が手を付けない分野こそ、将来性があると思うのだが。



 

 
 

 


ノーベル平和賞なんて要らない 文学賞もね…

2015年10月10日 11時35分59秒 | 社会

  昨晩はノーベル平和賞の発表でひと騒ぎ。
  結局、日本人にとって最も疎遠なアフリカの人が受賞したので、騒ぎも一瞬のうちに収まった。

 「憲法第九条をノーベル平和賞に」と最初に言い出したのは、神奈川県の一主婦だったらしいが、すぐにマスコミが飛びつき、全国的な話題となった。
 昨年までは、憲法第九条が受賞した場合、それは「日本国民」に対して与えられるという説明だった。ところが、昨日のニュースでは「受賞対象者が九条の会」にすり替わっていた。「九条の会」と言えば、大江健三郎が実質的代表者、バックには岩波書店が…。大江はすでに文学賞を受賞しているから、平和賞をもらえば、大江は「二冠王」、まさに日本を代表する人物となってしまう。だが、そうは問屋はおろさなかった。それは当然だろう。世界の東の果て、極東の島国で「平和憲法」「非暴力無抵抗」を叫んでも、そんなものは広い世界には届かない。中には逆に、米国製の屈辱的憲法を70年”守り通した”という日本人を、軽蔑する人たちさえいるだろうに、と思う。

 この騒ぎで連想するのは「夜郎自大」の四文字。護憲・平和妄想は夜郎自大的でなければ成立しえない。坂本龍一が「安保法制反対デモ」の中で「平和憲法フランス革命の理念と同様、世界に誇るべきものだ」と言ったが、そんな妄言を「世界の人々 」が信じるとでも言うのだろうか。坂本は、今やフランス革命の「負の遺産」に光が当てられていることを知らず、大昔の教科書に載っていた陳腐なスローガンを真に受けたままだ。

 今後万が一、「第九条」が平和賞を受賞したら、それは米中などの大国の陰謀、策謀の結果だと疑うべきだ。故・佐藤栄作がノーベル平和賞を受賞したのは、日本国が将来にわたって核兵器保有を断念させられたことの「代償」だったが、同じようなことが起きないとも限らない。すなわち、日本人がごく普通の「愛国心」「ナショナリズム」を持つことさえ禁じられる代償として、平和賞が与えられるかもしれないのだ。「平和の代償」が「ノーベル平和賞」ということだ。

 

池田大作氏もノーベル平和賞候補CNNが報道

産経新聞 10月9日(金)13時16分配信

 米CNNテレビは8日の電子版で、2015年ノーベル平和賞の候補に、創価学会の池田大作名誉会長や日本の憲法9条が挙がっていると報じた。

 CNNは、受賞予想で有名なオスロ国際平和研究所や、ブックメーカー(賭け屋)の情報をもとに10の有力候補を挙げた。池田氏は、メルケル独首相やローマ法王フランシスコとともに候補の1人として紹介された。(ニューヨーク支局)

ノーベル賞:「今年こそ平和賞を」…9条・市民団体

 

毎日新聞 2015年10月06日 00時08分(最終更新 10月06日 14時30分)

 

「憲法9条にノーベル平和賞を」と訴える鷹巣直美さん(中央)らメンバー=相模原市内で10月5日午後2時半、大場弘行撮影
「憲法9条にノーベル平和賞を」と訴える鷹巣直美さん(中央)らメンバー=相模原市内で10月5日午後2時半、大場弘行撮影

 昨年に続き今年のノーベル平和賞で「憲法9条を保持している日本国民」の受賞を求める神奈川県の市民団体10+件「『憲法9条にノーベル平和賞を』実行委員会」(相模原市)が5日、同市内で記者会見し、「安全保障関連法が成立した今年こそ、国民を勇気づけてくれる賞がほしい」と訴えた。平和賞は9日にも発表される。

 1人で運動を始めた同県座間市の主婦、鷹巣直美さん(38)は「廃案を求め子供や母親が『戦争したくない』と声をあげた。声はノーベル委員会にも届いているはずだ」と語った。【大場弘行】

 


大村智氏、ノーベル賞受賞

2015年10月06日 06時37分04秒 | 社会

 「今年も日本人がノーベル賞受賞」でマスメディアは大騒ぎ。確かに喜ばしいことなのだが、数ある賞賛、美談の中には「(山梨大学)卒業後は都立墨田工業高校定時制の教員をしながら東京理科大学大学院に進学したという苦労人だ。」と伝える記事(下記参照)もある。

 この記事を書いた記者はご存じないようだが、昼は大学院生、夜は定時制教員というような「苦労人」の生活も今や昔話だ。
 大村氏が定時制高校に勤めていたのは、1960年代初頭の4年間。その頃の定時制は、経済的理由で全日制に進学できない優秀な生徒が数多くいた。同時に、高校教員の処遇も恵まれていて、特に勤務時間においては融通が利いた。規則上の勤務時間は、概ね午後1時前後から午後10時前後までなのだが、実質上、午後5時から10時ほどの5時間勤務が労使関係上の「慣例」で容認されていた。だから、大村氏は大学院生と教員という二足のわらじを履くことができたわけだ。
 
 だからどうした、ノーベル賞受賞にケチをつけるのか?と言われそうだが、そうではない。私が感じるのは、社会の変化そのもの。ミュージカル「見上げてごらん夜の星を」で描かれたような、勉学に勤しむ定時制高校生の姿は今や見られない。一方、社会の管理強化は学校にまで及んでいて、研究と教育が両立するような職場環境は考えられなくなった。

 つまり、大村氏は古き良き時代の体現者で、このノーベル賞受賞は高度成長経済期の輝かしいサクセスストーリーと言えるだろう。これからは二度と起こりえないような……。

 

ノーベル賞の大村智さんは元定時制高校の先生

 今年のノーベル医学生理学賞に、北里大特別栄誉教授の大村智さん(80)らが選ばれた。日本人の受賞は昨年に続く快挙だが、その異色の経歴にも注目だ。

「メディカル朝日」2014年10月号の「サムライたちのクスリ PART2 『ニッポン発の創薬』を目指して 第4回 イベルメクチン」(取材・塚崎朝子)によると、大村さんは1935年、山梨県韮崎市の農家の長男として生まれ、高卒後は家業を継ぐものと考えていたが、父に大学進学を認められて山梨大学学芸学部自然科学科に入学。卒業後は都立墨田工業高校定時制の教員をしながら東京理科大学大学院に進学したという苦労人だ。修士課程を終えて助手に採用されたのが母校の発酵生産学科(当時)。山梨大はワインの研究が盛ん。ブドウ糖からアルコールをつくる酵母の働きをみて、「とても人にはまねできない」と、微生物のはかりしれない可能性に開眼したという。

 北里研究所時代には抗生物質研究室室長として、自らも含むメンバーに通勤時や出張時にビニール袋を持たせ、スプーン1杯の土を持ち帰ることを課した。1グラムの土には1億個以上の微生物がいるという。1974年、静岡県伊東市のゴルフ場近くで採取された土の中にいた新種の放線菌から作り出された物質が、今回の受賞業績「寄生虫による感染症の治療法に関する発見」へとつながる。大村さんが開発した新薬「イベルメクチン」は、熱帯地方で猛威をふるっていた感染症「オンコセルカ症」の特効薬として、多くの患者を失明から救ったのだ。


大阪880万人訓練  なぜ東京ではできないのか?

2015年08月29日 22時50分53秒 | 社会

 昨日(9月4日)、大阪では「大阪880万人訓練」が行われた。大阪府・大阪市が共催した大震災発生時の避難訓練で、携帯電話を駆使した情報連絡が注目された。
 
 Mixiの書き込みを見ると、こんなつぶやきに多数の「いいね!」が付けられていた。 

松井、橋下コンビは、このように防災対策を進めているのに、東京は「オリンピック」「おもてなし」ばかり。大阪はエライ!

大地震で、ただでさえ国に金ないのに国立競技場ですもんね(ー ー;)

五輪開催日以前に大震災・噴火が起きれば、五輪は即中止。以後だったら、破滅国家。こんな自明なことを無視して、五輪に走る「意思決定」システムが理解できない。IOCに嵌められたとさえ思えてきますが…。

東京では多数の都民を対象とした訓練・啓発は皆無。この大阪の訓練は、ぜひ首都圏で取り入れるべき。橋下徹を見直したぞ。こういう具体的実践こそ必要なのに、「五輪でおもてなし」ばかり。アホかと思う。  (以上、Mixiより引用)
 
 大阪都構想がとん挫したとはいえ、大阪府と市が連携して、このような大規模訓練が行われたことは、大いに評価されるべきだろう。
 「東京五輪」「おもてなし」「安全安心の日本」などとキャンペーンを続ける政府、東京都は、大阪で行われたような大規模防災訓練を一度も行っていない。

 そもそも、3.11が起きてなお、平然と「東京五輪」招致を続けた政治家、都庁関係者の非常識、不見識が問われるべきなのに、マスメディアは新国立競技場やエンブレムのごたごたを揶揄、非難するばかりで、問題の核心に迫ることはない。

 上記のような「一般人」の声こそ、マトモな神経を持つ人の意見だと思うのだが、どうだろうか。

大阪全域で「880万人訓練」 南海トラフ想定、速やかに避難

産経新聞 9月4日(金)14時57分配信

 南海トラフ巨大地震を想定した「大阪880万人訓練」が4日、大阪府内全域で行われた。府は午前11時すぎに府内にいる人の携帯電話に訓練開始を伝える緊急メールを一斉配信。4回目となった今年は、対応機種が増えたことから、昨年より約1割多い8割程度の携帯電話に通知されたと推計している。

 訓練は午前11時に府内で地震が発生し、大津波警報が発令されたという想定。警報を知らせるメールが配信され、着信音が鳴ると、各地で携帯電話を確認する人の姿が見られたが、機種によってはメールを受信できないこともあった。

 松井一郎知事は、同府忠岡町の町立忠岡小学校を訪れ、児童らとともに避難訓練に参加。松井知事は「足元に気を付けて」「道路状況をよく見て」などと声を掛けながら、4年生約50人と避難先の忠岡中学校に向かった。その後、生徒や地元の自主防災組織のメンバーらが体育館に避難所を開設する訓練を見学した。府の被害想定では、南海トラフ巨大地震が発生すると最大約13万4千人が死亡するとしている。


東日本大震災追悼記念日だけれども…

2015年03月11日 19時41分32秒 | 社会

 東日本大震災から早くも4年。
 近くの街の駅前広場でも、大地震が起きた午後2時46分を機に、犠牲者を追悼する法要が行われた。



 TVやラジオは、追悼番組で埋め尽くされたような感じもあるが、これは一時のこと。「絆」「寄り添う」などという言葉も早々と陳腐化してしまったようだ、

 あのような津浪災害は人智では防ぎようがないと思うけれども、原発事故を思い起こすと暗澹たる気分になる。あのとき、事故の情報は意図的に隠蔽された。枝野官房長官は「今のところ、問題はない」と繰り返すばかりだったが、実際には原発はメルトダウンを起こし、多量の放射性物質が放出された。それなのに首都圏では、会社も学校も通常どおり。人々は「強制された日常」を演じさせられた。
 昨日は東京大空襲の記念日だったが、戦時下の国民は法令による統制のもとで、自由意思で戦火から逃れることなど許されなかった。大本営は、近々米軍が首都を空襲するだろうと察知していたが、焼夷弾の標的になる国民のことなど二の次だった。

 いつの時代も為政者は、国民のことなどさほど考えてはいない。近未来、ほぼ確実に東南海地震、首都圏直下地震が起きるというのに、「東京五輪」「おもてなし」「日本はすばらしい」と囃し立てるマスメディアとそれに呼応する輩ども。もし、首都圏直下地震が起きたら、特に東京都区部では、被災民を仮収容する避難所さえままならない。ましてや、仮設住宅など建設する場所もない。そんなことを百も承知の聡明な方々は、自分の家族の避難場所だけはしっかりと確保しているに違いない。

 明日、大地震が襲ってきたとして、体育館などの避難場所で陣取りをして、水、食料を奪い合う「市民」の光景が目に浮かんでしまう。「絆」「寄り添う」「向きあう」といった美辞麗句がどこかへ吹っ飛ぶそのときこそ、まさにこの国の衰亡の始まりとなるだろう。
 そうならないことを願うけれども…。

 

 
 


小保方問題の根源にあるもの

2014年06月13日 06時47分35秒 | 社会
 昨日発売された週刊文春」6月19日号には、次のような見出しが踊った。 

処分決定直前 理研が本誌に情報公開!

小保方晴子さんと笹井芳樹教授
研究費 年間6億円の使い途
▼二人の出張は55回で496万円 ▼実験用イスに24万円 ▼小保方さんのタクシー代5カ月で13万円 ▼ノートパソコン29万円


 さらに「産経」(6月12日)は、理研改革委が「小保方氏所属の研究センターを解体」するよう提言したと報道した。(下記参照)
 この提言について、青山繁晴氏はラジオ番組の中で「早稲田ごときの私大から情実で採用するから、こんなことになる。理研は、東大を出た優秀な人材のための組織と言っているも同然」と感想を述べている。

 私には理研という組織の実態など皆目分からないが、ちょっとだけ気づいたことがある。小保方晴子という人は、AO入試で早大理工学部に入学し、博士課程まで進んだ。私学で博士課程まで進める人は、裕福な家庭に限られる。案の定、父親は元有名商社員、母親は現職の私立大学教授、姉も私立大学の準教授だそうだ。一般入試の「苦行」も経ず、「早大」ブランドの中で、何不自由なく育った「お嬢様」なのだろう。
 実は、このお嬢様には、偏執的な気質というか妄想狂めいたところがあって、冷静な自己認識という点において、欠けた部分があった。つまり、自分の実力を限りなく過大視し、理研のような官僚的組織に入っても、「早稲田流」でやっていけるという甘えがあった。改革委が指摘するように、理研の採用でさえ情実だったとしたら、彼女は一度もまともな「入試」「選別」などの試練を受けてこなかったことになる。伝えられるような杜撰な研究管理、ノートに付けたハートのマークなどが、そうした経歴を物語っているかのようだ。

 最近になって国立と私立大学の教育内容の格差を身に染みて感じることがある。
 数年前から某国立大学で国際関係部門の開講科目を聴講しているが、受講科目の多くが私が大学時代に履修した科目と重複している。学部も同じ外国語学部の科目だ。そのため、かなり客観的な比較が可能なのだが、私が感じたのは、その国立大学は、①少人数教育、②開講科目が質量ともに充実、③専任教員の比率が高く優秀、④恵まれた教育施設(図書館、ゼミ室、学科毎の学生用研究室)、⑤優秀な先輩(卒業生)とのつながりなどの点で、私が卒業した私立大学をすべての面で圧倒している。ところが、ある教授の話によると、この大学の図書館の予算は、東大法学部図書館(正式名称は「東大法学部研究室図書室」)の予算にも満たないのだという。これだけで「大学の中の大学」である東大の存在の大きさを否応なく知らされる話だ。
 この国立大学でさえ、東大には遠く及ばないのだから、私立大学の「名声」などというものは、スケールメリット(卒業生が多い)や大学自身の宣伝活動の巧妙さによるものであって、教育内容の充実によるものでは断じてあり得ない、と痛感させられる。

 小保方さんが割烹着姿で現れたとき、マスメディアを牛耳る早大OBは、「これで早稲田からノーベル賞が出る。慶應を抜いた」と騒いだそうだ。なんという無定見と夜郎自大ぶりなのか。この騒ぎは、小保方さんが身を以て私立大学の内実のお粗末さを示した一幕のコントのように思えてきた。


小保方氏所属の研究センターは「解体を」 理研改革委、抜本改編求め提言へ 
2014.6.12 09:05(1/2ページ)[STAP細胞]

 神戸市の理化学研究所発生・再生科学総合研究センター=4月
 新型万能細胞とされる「STAP細胞」の論文不正問題で、外部有識者でつくる理化学研究所の改革委員会が、小保方晴子・研究ユニットリーダー(30)が所属する発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の解体を求めることが11日、分かった。12日に発表する報告書に盛り込む。研究不正の再発防止へ抜本的な改編が必要と判断した。
 関係者によると、報告書で同センターは組織全体を廃止と同じレベルで解体。理研の他の研究施設と、研究内容の重複がないかバランスを考慮した上で、生命科学系の新組織に改編する。名称の変更も求める。
 新組織の幹部は理研の外部から登用して刷新。これに伴い、現在の竹市雅俊センター長(70)と、小保方氏の指導役だった笹井芳樹副センター長(52)に事実上、退任を求める。
 STAP問題を受け同センターの検証委員会が進めてきた調査では、特例的に英語での面接などを省略した小保方氏の不適切な採用や、研究内容が漏れないよう小保方氏を囲い込み、秘密主義で論文作成を進めたことなどを問題視。センターに自浄能力がなく、ガバナンス(組織統治)が機能していなかったことが不正を生んだ要因と指摘されたことを受け、改革委は解体が不可欠と判断した。
 改革委はガバナンスを強化するため、外部を含め計12人で構成する経営会議や、不正抑止本部の設置も報告書に盛り込む。
 同センターは平成12年に発足。動物の発生メカニズムや再生医学などの先端研究で世界的に知られ、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の臨床研究も進めている。24年度の予算は約39億円、職員は約500人。22年から翌年に324本の科学論文を発表した。