今年になって、ワーナーミュージック・ジャパンがウェルナー・ミューラー楽団(Werner Müller & his Orchestra)のオリジナル・アルバム(LP)のCD化に乗り出した。3月末までに計7枚のCDがリリースされる。
ウェルナー・ミューラーが活躍したのは、1950年代後半から70年代まで。高齢者の世代には、リカルド・サントスの別名の方が通りがいいかも知れない。最大のヒット曲であった「真珠採りのタンゴ」(The Pearlfisher)を知らない人はいないと言っていい。
私は、7枚のうち、次の3枚のCDを購入して聴いてみた。
上から「ワイルド・ストリングス」(1962年録音)「ベラ・イタリア」(1969年)「ルロイ・アンダーソン曲集」(1964年)。
どれもがVocalion社(英国)によってすでにCD化されているが、今回の日本盤CD(ワーナーミュージック・ジャパン)の音質は、英国盤をはるかに凌駕する。2017年に至って、こんな素晴らしい音の新譜CDを手にできるとは夢にも思わなかった。若者はウェルナー・ミューラーの名前さえ知らないだろうから、ジジババがせっせと買わなければ、続くリリースは望めないかもしれない。懐かしいなと思ったり、興味を持った方は、最後のチャンスかもしれないので、購入を考えてみてはいかが?
「ワイルド・ストリングス」の一曲目は、次の「そよ風と私」(The Breeze and I)。アルバムタイトルどおり、緻密な弦のアンサンブルが疾走する。
ついでに、ウェルナー・ミューラー自身が登場する珍しい映像が、こちら。