サーロインは英語のsirloinからの外来語ですが、これの起源については、現在の有力説は、フランス語の『シュールロンジュ』(surlonge)に由来するというものです。
シュールは『上』で、ロンジュは『背肉(腰肉)』の意味。 ロンジュよりさらに上側をシュールロンジュと呼んでいたという。
このシュールロンジュが英国に入って『サーロイン』に変化したというもの。(シュール→サーロンジュ→ロイン)
騎士といえば下級貴族ですが、その叙任式(じょにんしき)には国王が剣で肩をたたくのだそうです。こうして騎士となると彼は以後“サー”の称号を許されて、騎士として認められるのです。
16世紀、イギリス王のヘンリー8世(1491年6月28日 - 1547年1月28日)がリーディング修道院長と晩餐の席に着きました。メインディッシュは仔牛のステーキでした。王様が美味しそうに食べるのを見て、胃弱気味の修道院長が、
「全く羨ましいほどの健啖ぶりですな。食欲不振の私など1000マークでその胃を買いたいほどですよ。」
というと、王はすかさず、「よし売った!」と叫び、1000マークを手にすると修道院長をロンドン塔に放り込んだのです。
ご機嫌のヘンリー8世、「味も良かったし、そのうえ儲けさせてくれた。おまえを騎士にしよう。」
と、その肉を剣でぽんと叩いたのです。この肉は最上級の腰肉、ロインだったので、その後これをサーロインステーキと呼ぶようになったのです。
何しろ相手は貴族だから、値段が高いのも当然だったのでしょう。
ヘンリー8世は1536年ごろから4年余りの間、修道院の財産没収を行ったのです。
また、生涯に6人の妃(きさき)をもち、新しい恋人が出来ると、古い妃はつぎつぎと毒殺や死刑にした。そう考えると、いかにもありそうな話です。
「sur」が英語になる際「sir」になった過程での背景としては、まんざら間違いではないと考えられています。
したっけ。