元日田:もとひだ
一月 :いちげつ
正月一日 あお、あら
あらは、新たな年からと思われるが、あおは不明。
四月 :わたぬき、
四月一日(四月朔日):わたぬき、つぼみ
「わたぬき」の読みの由来は「四月一日に綿入れの着物から綿を抜くから」と言われている。
他の書き方:綿貫
五月 :さつき
旧暦の五月(皐)からでしょう。
他の書き方:皐月
五月乙(五月女、五月乙女):さおとめ
田植神事に参加する女性を五月女(さおとめ)と呼んだからでしょう。
五月七日:つゆり
「つゆり」の読みの由来は「栗の花が落ちる頃に梅雨入りする」と言われています。
何故五月七日が「つゆり」なのか? これについてはこんな昔話がある。
昔あるところに、水無瀬殿(みなせどの)という大臣(おとど)がいた。彼は露姫という摂津国第一の美女を娶ったが、露姫は一年も経たぬうちに亡くなった。
大臣は悲しみのあまり、庭先に一宇(いちう)の堂を建て、妻の霊を祀った。栗の花の落ちる頃なので、露姫の代りに栗花落姫と当てた。妻の遺言により堂脇に井戸を掘り、朝夕、水を汲んでは飲んだ。
水はどんな時でも涸れることなく、評判になり、水をもらいに来る者も出た。堂宇はいつの間にか栗花落(つゆり)神社と呼ばれ、霊水は雨乞いの呼び水として知られるようになったという。
そして旧暦五月七日に栗花落祭りという雨乞いの祭りを行うにいたった。ですから五月七日がこの読み方になったとのことです。
他の書き方:栗花落(つゆり、つゆ)
六月一日:(六月朔日):うりはり、うりわり、むりはり、くさか、さいぐさ
この季節になると瓜の実が割れるので、「うりわり」。
他の書き方:瓜破(うりわり)日下(くさか)三枝(さいぐさ)
八月一日(八月朔日):ほずみ、ほそみ、ほそみち、ほつむ、はっさく、やふみ
八月一日宮:ほずみや、ほずのみや
旧暦8月1日頃に実る早稲(わせ)は当然その年最初の稲穂、即ち初穂である。その穂を摘み、これを恩人などに贈る風習が古くから農民の間にあった。「ほずみ」の読みの由来は、この日に稲の新穂を積み始めるから。「はっさく」は「八朔」の音読みだろうと思われる。
他の書き方:穂積(ほずみ)
八月十五日:あきなか、なかあき
読みの由来は八月が旧暦の九月に当たるので、「秋中」ではないかと思われる。
八月晦日:はつみ
十一月二十九日:つめずめ
旧暦11月29日は旧暦11月の29日目である。年によっては11月の最終日となる。
十二月:しわす
十二月一日(十二月朔日):しわすだ
読みの由来は「師走」だろう。
他の書き方:十二月田(しはすだ)
十二月晦日:ひずめ、ひなし
読みの由来は、ひずめは「日詰」一年の最後の日、ひなしは「日無し」これも最後の日で、もう今年の日は無い(日無)の意味だと思う。
日にちに関する苗字は、総て旧暦を基準に考えなくては当てはまらない。それにしても想像も出来ないものが多数ある。苗字、名字、氏名、姓名など、いわゆる氏名の氏に当たる呼び方が多数あることから、古代の歴史に深い関係があるのかもしれない。